盛岡では9月の終わり頃から、朝の気温が10度を切る日が出てくる。窓を開けて寝ていた夏が終わり、布団をもう一枚出す。そのあたりが、薪ストーブの初焚きの合図になる。
シーズン前の点検
いきなり火を入れる前に、やることがある。まず煙突の中を覗く。夏の間に鳥が巣を作っていることがある。ダンパーを開けて上を見上げ、光が見えれば詰まりはない。見えなければ掃除が先だ。
ストーブ本体のガスケット(扉のパッキン)も確認する。指で触って硬くなっていたり、ボロボロ崩れたりするなら交換時期。ガスケットが劣化すると扉の密閉が甘くなり、空気が漏れて燃焼の制御が効かなくなる。
灰受けの掃除、ガラスの汚れ落とし。10分もあれば終わる確認だが、これをやるかやらないかでシーズンの出だしが違ってくる。
最初の一本
初焚きの火は控えめにする。ストーブ本体が夏の間ずっと冷えていたから、いきなり全力で焚くと鋳鉄に負担がかかる。細い薪を少しだけ焚いて、ゆっくり温度を上げる。慣らし運転のようなものだ。
火が入ると、ストーブの塗装から薄い煙が出ることがある。夏の間に付着した埃や、前シーズンの残りの油分が焼けている。換気をしながら30分ほど焚けば消える。毎年のことだが、初焚きの日だけは少し窓を開けておいた方がいい。
秋の炎は控えめがいい
9月の終わりはまだ暖房が必要な寒さではない。昼間は半袖で過ごせる日もある。それでも夕方にストーブの前に座ると、夏には感じなかった炎の温かさが嬉しい。
秋の初焚きは全力の暖房ではない。細い薪を数本、小さな炎で30分。窓を少し開けて、虫の声を聞きながら炎を眺める。暑くも寒くもないこの時期だからこそ、炎そのものを楽しむ余裕がある。
本格的に焚くのは11月からでいい。9月と10月は、火との再会を味わう季節だ。