煙突から立ち昇る白い煙
YOMIMONO / 仕組みの話

ドラフト。煙突が煙を「引く」力の正体

文・有限会社D'STYLE|岩手・盛岡の薪ストーブとサウナの店

公開日:2026年9月9日

薪ストーブの煙突は、煙を外に出す管だと思われている。間違いではないが、それだけでは足りない。煙突の本当の仕事は「空気を引く」ことだ。

温かい空気は上へ行く

ストーブで薪を燃やすと、煙突の中の空気が温められる。温かい空気は密度が低いから、冷たい外気より軽い。軽い空気は上へ昇る。煙突の上から温かい空気が抜けると、ストーブの下から新しい空気が引き込まれる。この循環がドラフト(上昇気流)だ。

ドラフトが強ければ、新鮮な空気がストーブに勢いよく入り、薪がよく燃える。ドラフトが弱ければ、空気が足りず、不完全燃焼になる。煙が室内に漏れることもある。薪ストーブの性能の半分は煙突が決めている、と言っても大げさではない。

ドラフトを左右する3つの要素

第一に、煙突の高さ。高いほどドラフトは強くなる。温かい空気の柱が長いほど、引く力が大きい。日本の建築基準法では煙突の高さに規定があるが、ドラフトの観点からは4.5メートル以上が望ましい。

第二に、煙突の内部温度。断熱二重煙突は、煙突内の温度を高く保つことでドラフトを安定させる。シングル煙突だと外気で冷やされ、ドラフトが弱まる。冬の岩手のように外気温がマイナスになる地域では、断熱の有無が大きく効いてくる。

第三に、煙突の経路。曲がりが多いほど抵抗が増え、ドラフトは弱まる。理想はまっすぐ上に抜く「ストレート」。横引きが必要な場合でも、できるだけ短くする。

煙が逆流するとき

焚き始めに煙が室内に入ってくることがある。ストーブも煙突も冷え切っている状態では、ドラフトが発生していない。対策は「暖機運転」。新聞紙を丸めて煙突のダンパー近くで燃やし、煙突内の空気を温めてやる。空気が上に動き始めたら、本格的に焚き付けに入る。

焚き付けの段階でドラフトを確認する習慣をつけると、煙の逆流はほぼ防げる。

D'STYLE
橋本 大治(有限会社D'STYLE 代表)

岩手・盛岡で薪ストーブの施工を手がけて20年。煙突900本以上の設置経験があります。

煙突の選び方から、相談できます。

薪ストーブの性能は煙突で決まります。盛岡のD'STYLEにお気軽にご相談ください。

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