「寒くなってきたのでストーブを使おうとしたら、煙突が詰まっていた」「シーズンが始まって初めて焚いたら、変な音がする」。毎年秋になると、こうした相談が急に増えます。薪ストーブは使わない期間が長いほど、見えないところで状態が変わっていることがある。
点検と清掃は、冬が来てからでは遅い。理由は二つあります。一つは施工業者が混み合うこと。もう一つは、問題が見つかったときの対処に時間がかかることです。
秋に混み合う理由
薪ストーブの点検・清掃を依頼する方の多くが、10月以降に動きます。「涼しくなってきたから」「そろそろ使いそうだから」。それが一度に集中します。施工業者側も同じ時期にストーブの新規設置の依頼が増えます。
岩手でも11月に入ると朝晩の気温が下がり、「今すぐ使いたい」という状況になります。そのタイミングで連絡をいただいても、2〜3週間先しか予約が取れないことがある。その間は使えない、または不安を抱えながら使うしかない。
9月中、遅くとも10月の前半に点検を依頼するだけで、こうした状況は避けられます。当社では毎年夏から秋にかけて点検のご依頼を受けており、この時期は比較的余裕があります。
点検で何を確認するか
薪ストーブの年次点検で見るべき主なポイントは次の通りです。
- 煙突内部の堆積物:使用量によっては煤やタールが積もっています。多くなると引火の恐れがある(煙道火災)。年1回以上の清掃が必要です。
- 煙突のつなぎ目・シール部分:隙間が生じていると、一酸化炭素が室内に漏れるリスクがあります。
- 炉内の耐火レンガ・バーミキュライト:長期使用でひびが入ることがあります。放置すると本体の鉄板に熱が直接当たるようになり、劣化が早まります。
- ガラスのパッキン:扉のガラス周りのパッキンが劣化すると、密閉性が落ちて燃焼効率が下がります。消耗品なので定期的な交換が必要です。
- ダンパー・空気調節弁の動き:固着や錆が出ていると、燃焼のコントロールができなくなります。
- 本体外部の塗装・錆:表面の錆は内部への進行を防ぐためにも早めに対処します。
問題が見つかったとき
点検で何かが見つかった場合、部品の取り寄せに時間がかかることがあります。煙突部品やパッキンの一部は国内在庫があっても、メーカー取り寄せになるものもある。早めに動いていれば、11月の使用開始に間に合います。ギリギリに依頼すると、修理が終わらないまま寒い季節を迎えることになります。
「去年も使えたから今年も大丈夫」とは限りません。ガラスのパッキンは外から見てもわかりにくいですが、内側から炎の熱が少しずつ侵食しています。煙突の内壁も、表から見えないところで変化しています。年に一度、プロの目で確認してもらうことが、安全に使い続けるための基本です。
自分でできる簡単なチェック
業者に点検を頼む前に自分でできることもあります。
まず煙突外観の確認です。屋外に出て煙突を見上げ、傾きや変形、脱落していないかを確認します。次にストーブ本体。扉を開けて炉内を見て、大きなひびや崩れた耐火レンガがないか確認します。ガラスに大きな傷や欠けがないか。扉を閉めたとき、パッキンが均等に当たっているか。
そして初回点火。シーズン最初の焚きつけは、窓を少し開けた状態で行い、煙の漏れがないかを確認しながら行うと安心です。異常な臭い、大量の煙が室内に入る、扉が熱くなりすぎるといった場合は、すぐに使用を中止して専門業者に連絡してください。
よくある質問
Q. 点検の費用の目安はいくらですか。
煙突清掃込みの点検で、屋根の形状や煙突の長さによって異なりますが、当社では状況を見て見積もりをお伝えしています。まずはご相談ください。
Q. 設置から何年くらいで点検が必要ですか。
設置後に関わらず、シーズン前の年1回の点検・清掃が基本です。使用量が多い場合(ほぼ毎日焚く)はシーズン中にも煙突の状態を確認することをお勧めします。