INSTALLATION
薪ストーブの設置は、ストーブを置く仕事ではありません。屋根か壁に穴を開けて、煙の道をつくって、二度と雨が入らないように塞ぐ。そこまでが工事です。実際に何をしているか、写真で全部お見せします。
WHY IT IS HARD
ストーブそのものは、置けば据わります。時間がかかるのは煙突です。
薪ストーブは、煙突が引いてはじめて燃えます。その煙突を通すために、家の屋根か壁に穴を開けます。開けた穴は、雨が入らないように、熱が伝わらないように、風で揺れないように塞ぎます。
設置工事の日数のほとんどは、そこに使われます。
01 ── 屋根を開ける
煙突をまっすぐ上へ抜くときは、屋根に穴が要ります。
屋根材をはがし、野地板を切り、垂木を切ります。切った垂木のぶんだけ屋根は弱くなるので、両側に受け材を入れて枠を組み、切る前と同じだけ持つようにします。ここは終われば天井裏に隠れて、二度と誰の目にも触れません。
屋根を開けているあいだに雨が降ると、家の中まで濡れます。開けたその日のうちに塞げるところまでを、一日の仕事にします。





02 ── 雨を止める
屋根に開けた穴は、板金で納めます。
水切りを屋根材の下へ差し込み、上からゴムのシールで首を締め、屋根の流れに沿って重ねていきます。水は上から下へしか流れません。その順番どおりに重ねてあれば漏りませんし、一枚でも順番を間違えれば、そこから入ります。
煙突は屋根から高く突き出します。風も雪も受けます。だから金物で四方から掴んで、屋根の下地に留めます。触っても揺れないところまで締めて、はじめて終わりです。





03 ── 壁を抜く
屋根を抜けない間取りのときは、壁から出して外を立ち上げます。
壁の中には柱と間柱と断熱材があります。どこを抜けるかは、壁を開けてみないと分からないこともあります。抜いたあとは、断熱材を煙突から離し、まわりを不燃材で囲い、外側は雨が回り込まないように仕舞います。
外に出た煙突は、壁に留めた金物で支えます。煙突の重さと、雪と、風を、その金物が受けます。



04 ── 離す
薪ストーブの事故のほとんどは、熱が伝わってはいけないところに伝わって起きます。
ストーブから壁まで何センチ、煙突から木まで何センチ。この数字は機種ごとに決まっていて、取扱説明書に書いてあります。私たちはその数字を守ります。足りなければ、遮熱板を入れるか、置く場所を変えていただくか、どちらかをお願いします。
見た目のために縮めることはしません。ここだけは、お客様のご希望より数字を優先させていただいています。
05 ── 上がる
屋根の上と、吹き抜けの天井。設置工事はその二つの高さの上で進みます。
屋根の上には足場を組み、ハシゴを掛け、安全帯を着けて上がります。冬の屋根は凍っています。無理をすれば落ちます。落ちれば工事は止まりますし、お客様の家に人が倒れることになります。
吹き抜けの高い天井へ煙突を通すときは、家の中に足場を組みます。床は養生してから組みます。組んで、繋いで、ばらして、また運び出すところまでが工事です。




06 ── 床をつくる
薪ストーブは重いものだと200kgを超えます。その下の床から考えます。
炉台は、熱から床を守るためのものです。同時に、その重さを受けるものでもあります。不燃材を敷き、寸法を出して、割り付けて、並べます。火の粉が落ちる範囲まで炉台を延ばします。
炉壁も同じです。壁の中の木に熱が伝わらない厚みと、空気の通る隙間をとって組みます。

07 ── 運ぶ
その200kgを、車を停めたところから据える場所まで入れなければなりません。
箱のまま背負って運ぶこともあります。台車が使える場所ばかりではありませんし、仕上がった床を傷つけずに入れるとなると、結局は人が持つのが早いことが多いのです。

08 ── 冬でも
薪ストーブが一番必要なのは冬です。工事も点検も、冬に呼ばれます。
雪の日は、朝が早くなります。屋根は凍っていますし、道も細くなります。それでも、火を止めるわけにはいきません。
岩手・青森・秋田・宮城・山形・福島。東北6県、どこへでも伺います。

OUR VALUE
当社の経営指針書に、そう書いてあります。
見えない部分にこそプロの誇りを置け、という意味です。このページに出した写真のほとんどは、工事が終われば見えなくなる場所です。天井裏の枠も、水切りの重ね順も、壁の中の離隔も、お客様は一生ご覧になりません。
同じ指針書に「品質こそが最強の営業」とも書いてあります。私たちは価格の競争に乗りません。乗らないと決めた以上、残るのは見えないところの仕事だけです。
仕事の羅針盤の二番目は「安全を大切にしているか」です。迷ったときは、そこへ戻ります。
AFTER
設置後10年間、アフターサポートをお約束しています。点検と清掃のご案内も、こちらからお出しします。
薪ストーブは、毎年手を入れれば何十年でも使えます。手を入れなければ数年で調子を落とします。設置したその日から、私たちの仕事はメンテナンスに変わります。
薪ストーブは、1時間におよそ30m³の空気を吸います。 その空気が足りないと、煙は煙突ではなく部屋へ戻ります。逆に煙突の引きが強すぎれば、 熱は薪ごと外へ抜けていきます。どちらも、買う前に計算で分かることです。 D'STYLEは図面の段階でここを詰めてから、機種と煙突を決めています。
計算は目安です。実際は屋根の形・立ち上がり・風でも変わります。 入れる前なら、図面の段階で決められます。 設置のご相談はこちら
煙突の種類と部材、貫通部の温度を実測した記録、設置の流れ。工事のことはD'STYLE本体サイトに書いてあります。
図面の段階からご相談いただけます。屋根から抜けるか、壁から出すか、炉台をどこまで延ばすか。決める前のほうが、選べる幅が広くなります。