薪ストーブの炎をじっと見ていると、燃えている薪の上のあたりで、ゆらゆらと青やオレンジの炎が宙に浮いているように見えることがあります。あれは、薪から出た煙が、もう一度燃えている姿です。現代の薪ストーブは、煙を煙のまま逃がさず、二度燃やすように作られています。今日は、この二次燃焼、クリーンバーンという薪ストーブの心臓部の話をします。
煙の正体は、燃え残った燃料
薪が燃えるとき、木からは目に見えるけむりが立ちのぼります。この煙の正体は、じつはまだ燃えきっていないガスや細かな粒で、いわば燃料の燃え残りです。昔の薪ストーブは、この煙をそのまま煙突から外へ逃がしていました。もったいないだけでなく、煙は空気を汚し、煙突の内側にすすやタールとしてこびりつきます。煙が多いということは、薪の力を使いきれていない、という合図でもあったのです。
もう一度、煙を燃やす
そこで生まれたのが、二次燃焼という考え方です。燃えている薪の上に、あらかじめ熱しておいた新鮮な空気を送り込む。すると、逃げようとしていた煙のガスがそこで再び火をつけ、宙に浮かぶような美しい炎になって燃えつきます。この二度目の燃焼のおかげで、薪の持つ力をより深くまで引き出し、煙突から出るのは、けむりの少ない澄んだ排気になる。ガラス越しにゆらめく二次燃焼の炎は、薪ストーブのいちばんの見どころです。
触媒式と、クリーンバーン式
煙をきれいに燃やすしくみには、大きく二つの方式があります。ひとつは、特殊な金属を塗った触媒に煙を通し、低い温度でも煙が燃えるように助ける触媒式。もうひとつは、熱い空気を吹き込んで煙を再び燃やすクリーンバーン式です。どちらも目指すところは同じで、薪の力を使いきり、煙を減らすこと。方式ごとに火の育て方に個性があり、その癖をつかんで長く付き合っていくのも、薪ストーブという道具の楽しさです。どちらの方式でも、火をよく見て、薪をくべる間合いをつかむほどに、炎はいきいきと応えてくれます。道具と向き合うその時間そのものが、薪ストーブの醍醐味なのです。
乾いた薪が、澄んだ炎をつくる
二次燃焼をきれいに働かせるいちばんの土台は、じつは薪そのものにあります。切ったばかりの木は重さの半分近くが水分で、この湿った薪をくべると、火の熱がまず水を追い出すことに使われてしまう。温度が上がりきらず、煙ばかりが出て、二度目の燃焼までたどりつきません。割った薪を風通しのよい場所に一年から二年ほど積み、じゅうぶんに乾かすこと。よく乾いた薪は軽く、たたくと高い音がして、火をつければ勢いよく燃え上がります。乾いた薪と、あたたまった炉、そこへ送り込まれる新鮮な空気がそろってはじめて、あの澄んだ二次燃焼の炎が生まれるのです。
きれいに燃やすと、暮らしが軽くなる
煙をしっかり燃やすことには、うれしい効果がいくつも重なります。同じ一本の薪から、より多くの熱を取り出せる。煙突の内側が汚れにくくなり、掃除の負担も、煙道火災の心配も減る。立ちのぼる煙が少なくなって、ご近所への気づかいも軽くなる。よく乾いた薪を選び、はじめにしっかり温度を上げてやること。この基本を守るだけで、薪ストーブは驚くほどきれいに、力強く燃えてくれます。
澄んだ炎のある暮らしを、盛岡から
煙を二度燃やす現代の薪ストーブは、きれいで力強く、暮らしにやさしい火です。岩手・盛岡のD'STYLEは、二次燃焼の澄んだ炎を持つ薪ストーブを、火の育て方までふくめてご提案しています。ガラスの奥で舞う炎を、家で眺めてみたい方は、店でどうぞ。
写真: Christian Uhlig (Wikimedia Commons, CC BY 3.0)



