暑い日にうまく汗をかけず、体に熱がこもってつらい。冬は逆に手足が冷えて、体温の調節がうまくいかない気がする。汗をかく力と体温を保つ力は、鍛えることができます。今日は、フィンランドのサウナと、体温調節や汗腺の話をします。季節の変わり目に体がついていかない人ほど、汗をかく力を取り戻す意味は大きくなります。
汗は、体の冷却装置
人の体は、汗が蒸発するときに熱を奪う働きを使って、体温を一定に保っています。汗腺がよく働く人ほど、暑いときにすばやく汗をかいて体を冷やせる。ところが、冷房のきいた環境で過ごし、汗をかく機会が減ると、この装置は少しずつなまってしまいます。サウナは、安全な環境で意図的に汗をかき、休んでいた汗腺に、もう一度出番を与える場です。汗腺は、使わずにいると働きが鈍り、使うほどに目を覚ますと言われます。冷房に頼りきりの夏を過ごすより、サウナで意図して汗を流すほうが、体の冷却装置はよく目を覚ましていきます。
サウナで、汗のかき方を思い出す
フィンランドの人は、子どものころから当たり前のようにサウナで汗をかいて育ちます。定期的に熱にふれていると、体は暑くなったら汗を出すという反応を、なめらかに行えるようになります。はじめはなかなか汗の出なかった人が、通ううちにさらりと汗をかけるようになるのは、汗腺が本来の働きを取り戻していく過程です。かいた汗がべたつかず、さらっとしてくるのも、その良い兆しです。フィンランドの子どもは、赤ん坊のころから家族とサウナに親しみ、汗をかくことがごく自然な体の営みとして身についています。通い慣れた体は、季節が変わっても汗の出方がなめらかです。
暑さに慣れる、体のしくみ
繰り返し熱にふれることで体が暑さに順応していく働きは、暑熱順化と呼ばれ、運動生理学の分野で古くから研究されてきました。順化が進むと、より低い体温で汗をかき始め、汗に含まれる塩分のむだ使いが減り、血液の量にもゆとりが生まれると報告されています。フィンランドの厳しい寒暖の暮らしとサウナの習慣は、この体温調節の力を、自然と育ててきたと言えます。運動生理学では、一週間から二週間ほど暑さにふれ続けると順化が進むとされ、サウナはその刺激を安全に与える手立てのひとつと考えられています。熱いのを我慢して耐えることと、体を鍛えることは、別のものです。
汗をかいたら、失うものを補う
汗をかく力を育てる一方で、出ていくものを補うことも大切です。汗には水分だけでなく、塩分やミネラルも含まれます。サウナのあとは、水をしっかり飲み、必要に応じて塩分やミネラルの補給も心がける。とくにたくさん汗をかいた日は、水だけでなくミネラルにも目を向けると、体調が整いやすくなります。のどが渇く前に、こまめに口を湿らせる習慣が、上手な汗との付き合い方です。汗ばむ前に少しずつ水をとっておくと、体の負担がやわらぎ、汗をかいたあとの回復も早くなります。
無理をしない、これが基本
体温調節の力を育てるといっても、我慢して長く入ることではありません。熱いと感じたら出て、体を冷まし、しっかり休む。この波をていねいに繰り返すことが、汗腺にも心臓にもやさしいやり方です。暑さに弱い方や持病のある方、体調のすぐれない日は、時間を短くし、医師に相談しながら少しずつ体を慣らしてください。急がず続けることが、調節上手な体への道です。心地よさの範囲でやめておくことが、汗腺にとっても心臓にとっても、いちばん無理のないやり方になります。
季節に強い体を、盛岡から
寒暖の差が大きい岩手だからこそ、暑さにも寒さにも動じない体は心強いものです。D'STYLEは、ハルビアのサウナヒーターで、家で汗をかき、体温を上手に操れる暮らしをご提案しています。夏の火照りや冬の冷えが気になる方も、サウナのある暮らしの相談を、店でどうぞ。
写真: Mike from Vancouver, Canada (Wikimedia Commons, CC BY-SA 2.0)



