盛岡の冬、外に置いた桶の水は朝には薄い氷を張ります。その水に手を入れると、指先から肩まで一瞬で身体が固くなる。冷たさは、たしかに何かを動かしています。では、それは数字になるのか。2025年1月、冷水浴のランダム化比較試験11件・3,177人分をまとめた解析が公開されました。ストレスの有意な低下が確認できたのは12時間後という一点だけ。しかもその3,177人のうち3,018人は、たった1件の試験の参加者でした。
桶に張った薄氷と、期待のかたち
十二月の朝、ショールームの裏に置きっぱなしにした桶に、薄い氷が張っていました。指で押すと、ぱきりと割れる。その下の水に手首まで沈めると、三秒で指がしびれます。慌てて引き上げて、手のひらをこすり合わせる。冷たさというのは、こんなにもはっきりと身体を動かすものかと、毎年この季節に思い出します。
ここ数年、冷水浴の話をよく聞かれるようになりました。水風呂に何分入るか。何度がいいのか。ととのうとはどういう状態なのか。サウナのご相談で来られた方が、帰り際に必ずと言っていいほど口にされます。
気持ちはよく分かります。冷たい水に入ったあとの、あの独特の静けさ。私自身も知っています。ただ、それを「効く」という言葉に置き換えた瞬間に、話が別の場所へ行ってしまう。効くとは、何に対して、どれくらい、いつまでのことなのか。
2025年1月29日、その問いに正面から答えようとした論文が公開されました。南オーストラリア大学などの研究チームによる、冷水浴の研究をまとめた解析です(Cain T ら、PLOS ONE)。集めたのはランダム化比較試験11件、参加者は合計3,177人。
3,177人。数字だけ見れば、なかなかの規模に見えます。私も最初はそう思いました。ところが中身を開けてみると、この数字はそのまま受け取ってはいけないものでした。そこは次の章で書きます。
結果のほうも、期待していたよりずっと地味でした。そして、地味だからこそ読む価値があると私は思っています。

11の試験を束ねる——ただし3,177人のうち3,018人は1件から
まず、言葉をほどいておきます。
ランダム化比較試験(RCT)というのは、参加者をくじ引きのように無作為にいくつかのグループへ分けて、片方だけに冷水浴をしてもらい、あとで比べる研究のことです。誰がどちらに入るかを人が選ばないので、「もともと元気な人ばかりが冷水浴グループに集まった」といった偏りが起きにくい。研究の型としては、後から見比べる観察研究より一段強いとされています。
メタ解析は、そのRCTを何本も集めて、統計の手続きで一つの数字に束ねる作業です。
そしてここが、この論文を紹介するうえでいちばん先に置いておきたいところです。
「11件・3,177人」と書くと、300人規模の試験が11本並んでいるように読めます。実際は違いました。3,177人のうち3,018人、およそ95%が、たった1件の試験の参加者です。オランダで行われたBuijzeら2016年の試験で、これは18〜65歳の成人に、毎朝のシャワーの最後を30秒・60秒・90秒のいずれかの冷水で締めてもらう、というものを30日間続けた大規模な研究でした。
残りの10件を全部足すと、参加者は159人です。一本あたり9人から44人。ほとんどが20人前後の、小さな試験です。
つまりこの解析は、数千人分のデータでできている部分と、十数人ずつの寄せ集めでできている部分が、指標ごとに混ざっています。このあと出てくるストレスや炎症マーカーの数字は、後者です。3,177という数字がそのまま効いているわけではありません。
ここを読み飛ばすと、数字の重さを取り違えます。私も一度、取り違えました。「3,177人も調べたのか」と思ったまま読み進めて、あとで内訳の表に戻って、静かに反省しました。
数字の読み方も先に書いておきます。
SMD(標準化平均差)は、測り方の違う研究を同じ物差しに載せ替えた「差の大きさ」です。ゼロなら差なし。マイナスなら冷水浴のほうが低く、プラスなら高い。目安としては0.2で小さい、0.5で中くらい、0.8で大きい、と扱われます。
95%信頼区間は、その差の「推定の幅」です。幅の中にゼロが入っていなければ、統計的には差があると判断されます。p値も考え方は同じで、0.05を下回れば「偶然ではなさそう」と扱う慣習になっています。
慣習、と書いたのは、これが自然の決めた境目ではなく、人が決めた線引きだからです。この記事でも「有意差あり」「有意差なし」という言い方をしますが、その線の向こう側とこちら側で世界が変わるわけではありません。線の手前に落ちた結果を、無かったことにするつもりもありません。
有意な低下が出たのは、12時間後の一点だけ
では、中身です。
この解析でまず注目されたのはストレスでした。冷水浴でストレスが下がるのか。測定は、浸かった直後、1時間後、12時間後、24時間後、48時間後という複数の時点で行われています。
結果はこうでした。有意な低下が確認されたのは、12時間後の一点のみ。SMDは -1.00、95%信頼区間は -1.40 から -0.61。幅の中にゼロを含んでいませんから、統計的には差があると読めます。大きさとしても目安の0.8を超えていて、小さな差ではありません。
問題は、その前後です。直後も、1時間後も、24時間後も、48時間後も、有意差はありませんでした。
これをどう受け取るか。素直に読めば、「冷水浴のあと半日ほど経ったときに、ストレスの指標が下がっていた研究がいくつかあった」ということです。入った瞬間の高揚感でもなく、翌々日まで続く変化でもない。並んだ測定時点の、真ん中あたりの一点です。
なぜ12時間後だったのか。この論文はそこまで説明していません。私たちが勝手に物語をつけたくなるところですが、書かれていないことを書かないのが、この手の記事の最低限の約束だと思っています。半日という数字を「身体が整うのに半日かかるから」などと説明しはじめた瞬間に、それは研究の紹介ではなくなります。
もう一つ、大事な前提があります。この11件の試験で行われた「冷水浴」は、サウナで温まってから水風呂に入るという、日本のあの流れとは条件が違います。冷水浴そのものを単独で行った研究が中心で、しかも多くは激しい運動やトレーニングのあとのリカバリーとして水に入るものでした。温めてから冷やす温冷交代の話と、そのまま重ねることはできません。

炎症マーカーは、むしろ上がっていた
同じ解析には、身体側の指標も入っています。
炎症マーカー——身体のどこかで炎症が起きているときに、血液の中で増える物質のことです——は、冷水浴の直後にSMD 1.03、1時間後にSMD 1.26と、いずれも上昇していました。下がったのではなく、上がった。符号はプラスです。
意外に思われるかもしれませんが、生き物の反応としては筋が通っています。冷たい水は身体にとって明確なストレスです。急に冷やされれば、身体はそれに対処しようとして一時的に反応を上げる。激しい運動のあとでも、似たようなことが起きます。
大事なのは、この上昇を「炎症が悪化した」と読むのも、「良い炎症だから問題ない」と読むのも、この論文が書いている範囲を超えている、ということです。測られたのは数字の動きであって、その先の健康への意味づけではありません。
免疫機能についても測定がありました。統合した結果は、直後がSMD -0.16、1時間後がSMD -0.18。符号はマイナスですが、どちらも統計的に有意な変化ではありませんでした。束ねた数字の上では、冷水浴で免疫の指標が動いたとは言えない、ということです。
ただし、ここで一つ付け加えないと不誠実になります。同じ論文には、先ほどの大規模な冷水シャワー試験(Buijzeら2016年)で、病欠が29%減っていたという記載があるのです。私たちの商売に都合の良い数字ですから、なおさら正確に書きます。これは統合された免疫マーカーの結果ではなく、1件の試験で報告された、病気で仕事を休んだ日数の話です。しかも同じ試験では、実際に体調を崩していた日数そのものには有意な差がありませんでした。
休まなかったのか、病気にならなかったのか。この二つは違います。前者なら、それは免疫の話ではなく、朝に冷たいシャワーを浴びる人の気分や生活リズムの話かもしれません。
私は仕事柄、サウナや水風呂の販促の文章をたくさん目にします。「免疫力が上がる」という一行は、いまだによく見かけます。この2025年の解析を根拠に書くとしたら、こうなります——「毎日30〜90秒の冷水シャワーを1か月続けた大規模試験で、病欠が29%減ったという報告がある。ただし免疫マーカーを統合した解析では、直後も1時間後も有意な変化はなかった」。
長い。長いけれど、短くすると嘘になります。
眠りとQOLは、束ねた数字ではない——90日では差が残らなかった
良い方向の結果もありました。ただしここは、書き方にいちばん気をつけないといけないところです。
睡眠の質は改善したと報告されています(p=0.04)。受動的休息——冷水に入らず、ただ横になって休むこと——と比べての話です。ただしこれは11件を束ねた結果ではありません。睡眠を測っていたのはSkeinら2018年の1件だけで、1件しかないものは統合できません。参加者は男性20人。暑さの中でのトレーニングのあとに15℃の水へ15分入る、という条件です。p=0.04は0.05をわずかに下回る値ですから、ぎりぎり線の内側、という言い方が正直でしょう。
生活の質(QOL)も同じで、こちらはBuijzeら2016年の1件の結果です。しかも介入は浴槽の冷水浴ではなく、毎朝のシャワーの最後に30秒・60秒・90秒のいずれかで冷水を浴びるというもの。それを30日間続けた時点では、SF-36という質問紙の心の側面の点数が、対照群より高くなっていました。ただし90日の時点では、その差は統計的に有意ではなくなっていました。
ここは言葉を選びます。「もとに戻った」とは書けません。データが示しているのは、90日時点では有意な差が残らなかった、というところまでです。改善が消えたのか、差が小さくなって検出できなくなったのか、続けている人が減ったのか。それは分かりません。分からないことを、分かったように書かない。それだけです。
気分(mood)については、こちらは複数の試験を統合した結果で、有意差はありませんでした。冷水浴で気分が良くなる、という体感は本当に多くの方が語られますが、束ねた平均としては差が出ていません。
整理します。ここが今回いちばん大事なところなので、統合した結果と、単一の試験の結果を、分けて並べます。
【11件を統合した解析の結果】 ・ストレス……12時間後のみ有意に低下(SMD -1.00、95%CI -1.40〜-0.61)。直後・1時間後・24時間後・48時間後は有意差なし ・炎症マーカー……直後(SMD 1.03)・1時間後(SMD 1.26)に上昇 ・免疫機能……直後(SMD -0.16)・1時間後(SMD -0.18)とも有意な変化なし ・気分……有意差なし
【単一の試験の結果(統合されていない)】 ・睡眠の質……Skeinら2018年、男性20人。受動的休息より改善(p=0.04) ・QOL……Buijzeら2016年、30〜90秒の冷水シャワーを30日間。30日で改善、90日では有意差が残らず ・病欠……同じくBuijzeら2016年で29%減少。ただし体調不良の日数自体には有意差なし
二つに分けただけで、ずいぶん印象が変わるはずです。上の四つが、この論文が「束ねて」出した数字。下の三つは、それぞれ一本の試験が言っていることです。混ぜて並べれば「冷水浴でストレスが下がり、眠りが良くなり、病欠が減る」と書けてしまう。けれど、混ぜた瞬間にそれは研究の紹介ではなく、宣伝になります。
著者たち自身が挙げた、三つの限界
この論文で私がいちばん誠実だと感じたのは、限界の書き方でした。
一つ、プロトコルがばらばらであること。水温は7℃から15℃まで、時間は30秒から2時間まで幅があります。同じ「冷水浴」という言葉で束ねてはいるものの、中身は相当に違う。著者たちも、これが結果のばらつきの原因だろうと書いています。
二つ、11件のうち6件が単回、つまり一度きりの浸漬を調べた試験でした。だから、続けたときに長期的にどうなるかは、この解析からは言えません。
三つ、女性を含む研究が1件しかない。これが個人的にはいちばん重い。冷水浴の研究は、被験者がほとんど男性なのです。にもかかわらず、水風呂やサウナを日常的に使う方には女性が大勢いらっしゃいます。私たちが自宅サウナを納めたお宅でも、完成後によく使っているのは奥様、というケースは珍しくありません。研究の土台に自分が入っていない、という状態です。
ここから先は、著者が限界として書いてはいないけれど、私が表を見ていて気になったことです。
参加者の年齢。大規模なBuijzeら2016年が18〜65歳、残りの10件は平均で21歳から28歳。要するに、若い成人から中年までの、健康な人たちです。高齢の方も、持病のある方も、この11件には入っていません。「冷水浴は身体にいい」という一般論に読み替えたくなりますが、身体にいいかどうかをいちばん知りたい層のデータが、ここには無いということでもあります。
そして、その小さな10件の多くは「運動後のリカバリー」として冷水浴を行った試験です。追い込んだトレーニングのあとに冷たい水へ入る。仕事帰りにサウナへ寄って水風呂に入る、という場面とは前提が違います。
国のことも書いておきます。論文の記載では、オーストラリア6件、リトアニア4件、オランダ・スイス・日本・アメリカ・フィンランドが各1件(足し合わせると11を超えるのですが、原文のまま写しておきます)。ときどき「日本人のデータではない」と書いてある紹介を見かけますし、私も最初そう思い込んでいました。正確ではありません。1件は日本の試験です(Itoら2019年、レジスタンス運動のあとの粘膜免疫を見たもの)。ただ、それも21歳前後の男性20人の試験で、日本の水風呂文化を代表するデータかというと、そうではありません。
そして最後に。これはRCTを束ねた解析ですが、だからといって「冷水浴をすればストレスが下がる」と言い切れるわけではありません。示されたのは、条件を揃えた比較の中で、ある測定時点の指標に差が見られた、というところまで。病気の予防や治療について何かを述べた研究ではありません。持病をお持ちの方、薬を飲んでいる方は、冷水浴や水風呂を始める前に、必ず主治医にご相談ください。
一回だけ、20℃に5分入った人の脳では
ところが、話はここで終わりません。
2023年2月、英ボーンマス大学とポーツマス大学の研究チームが、まったく別の角度から報告しています(Yankouskaya A ら、Biology)。こちらは単回、つまり一度きりの冷水浸漬です。水温20℃、時間は5分。
参加者に気分を答えてもらう質問紙(PANAS)では、ポジティブな感情が約5点上昇し、ネガティブな感情が約5点低下しました。
さらにfMRI——磁気を使って、脳のどこがどう働いているかを見る装置です——で脳を撮ったところ、内側前頭前野と、前部島皮質・背外側前頭前野との結合が増加していました。ざっくり言い換えれば、自分の内側の状態を感じ取る部分と、注意や判断を担う部分とのやりとりが強まっていた、ということになります。
一回入っただけで、気分の点数が動き、脳の中のつながり方まで変わっている。「入ったあと、頭の中が静かになる」とおっしゃる方の感覚に、この結果はよく合います。
ただしこちらも、少人数の、一度きりの研究です。習慣として続けたときにどうなるかは、この研究からは分かりません。そして5分後の脳の状態が、12時間後や30日後の生活とどうつながっているのかも、まだ結ばれてはいません。
平均は、あなたの夜を知らない
11件を束ねると気分に差はなく、一回きりの試験では気分の点数が動く。矛盾しているようですが、たぶん矛盾ではありません。
メタ解析が出すのは平均です。平均というのは、大きく良くなった人と、まったく変わらなかった人と、少し悪くなった人を、全部足して人数で割った値です。ばらつきが大きければ、真ん中はゼロに近づいていく。個々の体験が消えるのではなく、平均という手続きが個々を見えなくする。それだけのことです。
しかも今回のように、9人や12人の試験を束ねた平均であればなおさらです。一人の反応の大きさが、そのまま全体の数字を揺らします。
これは薪ストーブの話とよく似ています。同じ機種を同じ間取りに入れても、暖かいと言う方と、思ったより暖まらないと言う方がいます。断熱の程度、天井の高さ、扉の開け閉め、薪の乾き具合、その日の風向き。カタログの「暖房目安◯畳」という数字は、そのどれも知りません。数字が嘘なのではなく、数字とはそういうものだ、ということです。
だから私は、研究の数字を、お客様の体験を否定する道具には使いません。「メタ解析では気分に差がありませんでした」と言って、目の前の方の実感を消しにかかるのは、読み方として下品だと思います。
そして逆もまた同じです。一人の強烈な体感を、みんなに効きます、という根拠に使うこともしません。
数字は、期待の置き場所を決めるために読むもの。私はそう思っています。

岩手の外気浴は、水温と時間では書けない
もう一つ、こうした研究を読んでいて毎回引っかかることがあります。
これらの試験が記録しているのは、水温と、時間と、回数です。20℃で5分。週に何回。それ以外の条件は、ほとんど書かれていません。書かれていないというより、書きようがない。研究とはそういうものです。
けれど、私たちが岩手で見ている外気浴は、そこに収まりません。
私たちが見てきた範囲では、サウナから出てそのまま雪の上に裸足で立つ方がいます。冷たい沢の水や井戸水をそのまま引いて水風呂にしている現場もあります。盛岡の冬の夜なら、外へ出た瞬間に息が白くなり、遠くで除雪車の音がして、雲がなければ星が出ています。
水温が何度で何分か、という記録に、雪の匂いも、沢の音も、星も入りません。「良かった」と言ってくださる方の話の中身は、たいてい水温ではなく、その周りのことです。誰と入ったか、そのあと何を飲んだか、外がどれだけ静かだったか。
研究はそれを測れません。測れないことは、無いことではない。ただ、測れていない以上、それを効果として売ることもできない。私たちが「ととのう」を効能として掲げない理由は、突き詰めるとそこにあります。
売れる言葉ではなく、確かめられる言葉だけを使う。三代にわたって火を扱ってきた家の商売として、そこだけは崩したくないと思っています。

D'STYLEは岩手・盛岡で、自宅サウナや宿泊施設のサウナの設置を手がけています。ご相談でまず伺うのは水風呂の温度ではなく、脱衣室の暖房、出入口の段差、外気浴の場所、誰がどれくらいの頻度で使うかです。続かない設備は、どんな数字を並べても意味がありません。冷水浴の研究は、まだ11件。大半は若い健康な男性が運動後に入った十数人規模の試験です。分かっていないことのほうが多い。だからこそ、効くかどうかではなく続けられるかどうかで設計します。持病のある方や服薬中の方は、始める前に主治医にご相談ください。本記事は研究の紹介であり、サウナの設置・使用による疾病の予防や治療の効果を示すものではありません。
参照した研究
- Cain T ほか, PLOS ONE, 2025年1月29日(南オーストラリア大学ほか)。冷水浴のランダム化比較試験11件・計3,177人を統合したメタ解析。うち3,018人はBuijzeら2016年(オランダ、18〜65歳、毎日30〜90秒の冷水シャワーを30日間)の参加者で、残る10件は合計159人(1件あたり9〜44人)。統合結果は、ストレスが12時間後にのみ有意低下(SMD -1.00、95%CI -1.40〜-0.61、直後・1時間後・24時間後・48時間後は有意差なし)、炎症マーカーは直後(SMD 1.03)と1時間後(SMD 1.26)に上昇、免疫機能は直後(SMD -0.16)・1時間後(SMD -0.18)とも有意差なし、気分も有意差なし。単一試験の記述として、睡眠の質はSkeinら2018年(男性20人)で受動的休息より改善(p=0.04)、QOLはBuijzeら2016年で30日時点に改善するが90日時点では有意差が残らず、同試験で病欠が29%減少(体調不良の日数自体には有意差なし)。著者らはプロトコルのばらつき、11件中6件が単回浸漬、女性を含む研究が1件のみという偏りを限界として明記。実施国は論文の記載でオーストラリア6件、リトアニア4件、オランダ・スイス・日本・アメリカ・フィンランド各1件(日本はItoら2019年、レジスタンス運動後の粘膜免疫)。参加者はBuijzeら2016年が18〜65歳、他は平均21〜28歳の健康な成人で、多くは運動後のリカバリーとしての浸漬。高齢者や有疾患者は含まれない。
- Yankouskaya A ほか, Biology, 2023年2月(英ボーンマス大学/ポーツマス大学)。20℃・5分の単回冷水浸漬でPANASのポジティブ感情が約5点上昇・ネガティブ感情が約5点低下、fMRIで内側前頭前野と前部島皮質・背外側前頭前野の結合が増加。少人数・単回の研究であり、継続時の効果は不明。
この記事は研究の紹介であり、効果を保証するものではありません。持病のある方、通院中・服薬中の方は、主治医にご相談のうえご利用ください。



