「薪ストーブって、いくらですか」。いちばん多いご質問です。ひとことでは答えられません。けれど、何にいくらかかるのかという箱の形は、はっきりお見せできます。
インターネットには、薪ストーブの「相場」がたくさん並んでいます。私たちは、それを丸写しにするのをやめました。屋根の形が違えば煙突の長さが変わり、壁の中の下地が違えば炉壁の作り方が変わる。同じ機種を据えても、盛岡の平屋と、八幡平の吹き抜けでは、見積書の合計が別のものになります。だから当社は、根拠のある金額だけを書き、根拠のない金額は「現地条件で変わるため、お見積りでご提示します」と正直に申し上げます。二十年、火と向き合ってきた店の、いちばん誠実なやり方だと思っています。
本体。煙突。炉台・炉壁。設置工事。この四つを足したものが、総額です。
| 内訳 | 何にかかるお金か | 金額の決まり方 |
|---|---|---|
| 01 ─ 本体 | ストーブ本体。オプションの脚、天板、仕上げ材、オーブンなど。 | 公表されています。メーカー希望小売価格で先にお伝えできます。 |
| 02 ─ 煙突 | 断熱二重煙突、直筒、エルボー、支持金具、フラッシング、トップ。 | 家の形で変わります。長さと本数、曲がりの数、屋根の勾配。 |
| 03 ─ 炉台・炉壁 | 床と壁を火から守る不燃の面。タイル、石、レンガ、鋼板、下地。 | 離隔距離で変わります。機種と設置位置が決めます。 |
| 04 ─ 設置工事 | 搬入・据付、屋根や壁の貫通、板金、養生、足場、火入れの説明。 | 現場で変わります。階数、搬入経路、既存の状態。 |
※ 上の表に金額を書いていないのは、書けないからではなく、当社が実際に見ていないお宅の金額を書きたくないからです。現地調査のうえ、この四つの区分のまま、内訳のある見積書をお出しします。

本体だけを比べて店を選ぶと、あとで話が合わなくなります。四つの箱のうち、本体はひとつ。残りの三つは、その家にしか当てはまらない金額です。カタログの数字を見比べる前に、どこに据えて、どこから煙突を出すのかを決める。順番が逆になると、費用は必ずふくらみます。

平屋で、屋根の棟の近くにストーブを置ける家。二階を貫き、途中で一度だけ曲げて抜く家。既存の煙突があり、径も高さも合わない家。この三軒に同じ一台を据えても、見積書は三通りになります。私たちが現地調査にこだわるのは、この三通りを取り違えないためです。
四つの箱のうち、本体だけは公表された価格があります。たとえば当社の主力である、デンマークのヒタ(HETA)。2026年7月時点のメーカー希望小売価格(税込・本体のみ)で、アンビションが495,000円、モデルナが517,000円から、ノルンが583,000円から、エクリプスが640,200円から、ロギが794,200円から、スクルドが812,900円からです。
ここで大事なのは、この金額に煙突部材と設置工事費は入っていないということ。本体価格だけを見て予算を組むと、あとで必ず足りなくなります。価格は改定される場合がありますので、最新の金額はご相談のときにお確かめください。
当社では、ヒタのほかにヨツール、ドブレ、ハースストーン、アグニなどを取り扱っています。どの機種にするかは、値段ではなく、家の広さと断熱と、焚き方の好みで決まります。機種の選び方そのものは薪ストーブの選び方(岩手版)に、暖かさの質を数値で比べる話はATK指数にまとめました。ここでは繰り返しません。
価格は2026年7月時点/税込・本体のみ / 煙突部材・設置工事費は別途
煙突の金額は、長さと本数で決まります。だから、家の形がそのまま金額になります。平屋か二階建てか。ストーブの位置は棟に近いか、軒に近いか。屋根の勾配はきついか。曲がりを何回入れるか。屋根を抜くのか、壁から出して外を立ち上げるのか。冬に雪が落ちる側かどうか。ここまで見ないと、一本も拾えません。
そして、北東北で使う煙突は断熱二重煙突が前提です。外気マイナス15℃の朝に、煙を冷やさずに抜き切るため。当社がベースにしている煙突は、外筒がSUS304、内筒がSUS316L。1000℃・30分の煙道火災試験に通っている構造です。シングル煙突なら安く上がります。けれど岩手の冬に、それは選べません。
横引きを増やすほど、金額は下がるどころか不利になります。曲がりのたびにドラフト(上昇気流)は弱まり、煤は溜まりやすくなる。「安く納めるために曲げる」は、いちばんやってはいけない削り方です。煙突の考え方は煙突のページに詳しく書きました。
断熱二重煙突 ─ 外筒SUS304/内筒SUS316L / 1000℃・30分試験


タイルにするか、石にするか、レンガにするか。見た目の話に見えますが、本質は違います。炉台と炉壁は、ストーブの熱から床と壁を守るための、不燃の面積です。機種ごとに決められた離隔距離があり、それを満たす広さと構成が必要になります。だから金額は、好みではなく、まず寸法で決まります。
本体の背面と側面から、どれだけ離すか。前面に薪の熾(おき)がこぼれても大丈夫な奥行きがあるか。この寸法が、そのまま炉台の㎡数になります。デザインで小さくすることはできません。
既存の床にそのまま貼れるのか、下地を組み直すのか。壁の中に木下地があるか。同じ広さの炉台でも、下地から作り直すかどうかで工事は別物になります。当社は法定ぎりぎりではなく、先に余裕を取る作り方を標準にしています。
四つの箱の中で、ご予算に合わせて素直に調整できるのがここです。タイルか、地元の石か、鋼板か。暮らしの雰囲気に合わせて選んでいただけます。安全に関わる寸法は動かさず、仕上げで合わせる。これが正しい削り方です。



「工事費一式」とだけ書かれた見積書を、私たちは出しません。中身はこうです。
百キロを超える鋳物のストーブを、傷をつけずに部屋の中央まで運びます。玄関の幅、廊下の曲がり、段差。搬入経路が厳しければ人手が増え、そのぶん費用も動きます。専用のドーリーで、少しずつ、確実に。
薪ストーブの工事で、いちばん技術が要るところです。屋根を抜き、防水を切って、また止める。ここを雑にやると、数年後に雨漏りします。チムニー(囲い)を造作する場合は、笠木と板金の仕上げまで含みます。
屋根の勾配や高さによっては足場が必要です。室内は床も家具も全面養生します。解体で出た既存煙突や梱包材の処分費も、当社は自社で運びます。産業廃棄物の収集運搬業許可を持っているのは、そのためです。
据えて終わりではありません。最初の火を一緒に入れて、空気の絞り方、薪のくべ方、灰の始末までお伝えします。ここを省く工事は安く上がります。けれど、暖まらない薪ストーブが一台増えるだけです。

引き渡しの日に、私たちは必ず火を入れます。その家の煙突で、その薪で、どう燃えるか。目の前で見ていただかないと、伝わらないことがあるからです。

煙突を囲うチムニーを造る場合は、大工工事と板金工事が加わります。当社は囲いの内寸を450〜500mmとり、法定を上回る余裕を先に取っています。囲いの中は厚さ12mmの不燃材でもう一段の防火を入れ、トップには通気を設けて、死に空気を作りません。
薪ストーブの見積りが極端に安いとき、下がっているのはたいてい煙突です。断熱二重をやめてシングルにする。長さを詰めて、屋根の途中で止める。曲がりを増やして安い経路を通す。貫通部の防火を簡略にする。どれも、見積書の合計は下がります。そして、どれも煙道火災に近づきます。
煙が冷えると、煙突の内側でタール(クレオソート)になります。飴のようにこびりついたそれは、ある日、燃えます。煙道火災の炎は1000℃を超える。その熱が、断熱のない一枚の管を通って、木の下地に触れる。それは、寒い土地では許されません。
離隔距離の不足も同じです。据えた翌年は何ともない。三年目も何ともない。けれど木は、長い時間をかけて低温で炭化していきます。ある冬の夜に、いきなり火が出る。低温炭化と呼ばれる現象です。だから私たちは、法定ぎりぎりではなく、先に余裕を取ります。



安く据えることなら、誰にでもできます。けれど「二十年、安全に焚き続けられる形で据える」のは、別の話。
見積書の合計だけでなく、煙突の欄をご覧になってください。
薪ストーブは、据えて終わりではありません。毎年かかるものが二つあります。薪と、煙突掃除・点検です。どちらもぼかさずに、契約の前にお伝えしています。
薪は、焚く量と樹種と、ご自分で作るかどうかで大きく変わります。当社は自社でよく乾いた岩手の薪を販売し、薪棚のそばまでお届けする配達も行っています。薪の量や乾かし方の話は薪の基礎知識と薪の販売ページへ。
煙突掃除は、毎シーズン一回が基本です。焚く量が多い家、針葉樹を多く使う家は、もう少し詰めます。他社で入れた一台でも承ります。詳しくはメンテナンス・点検のページをご覧ください。
この二つを見込んでおくと、あとで慌てません。売って終わりにしない。それは、費用の伝え方から始まると思っています。
岩手県内だけでも、これだけの自治体に制度があります(金額は制度の上限で、年度により変わります)。
※ もっとも大事な注意点。本体のみが対象か、煙突・工事費まで含むかで、受け取れる額は大きく変わります。また、多くの制度が「発注前の申請」を条件にしています。契約してからでは間に合わないことがあるため、お問い合わせの時点で当社が確認します。青森県・秋田県・宮城県・山形県の制度も含めて、補助金まとめページに一覧をまとめています。
当社は、株式会社ジャックスとの提携ローンをご用意しています。不動産担保も連帯保証人も原則不要で、全額繰上返済も可能です。
ただし、ここは正直に書きます。当サイトのローンのページに掲載している実質年率4.90%(固定金利)、6〜120回、月々5,000円以上、お申込金額20万円以上といった条件は、サウナ(本体・工事一式)を対象としてご案内しているものです。薪ストーブでのお取り扱いと、そのときの条件は、お見積りの段階で個別にご案内します。ページの数字をそのまま当てはめてお伝えするのは、誠実ではないと思うからです。
補助金と支払い方法を組み合わせると、月々の負担は思っているより小さくなることがあります。ご予算が決まっている場合は、先におっしゃってください。その中でいちばん暖かくなる形を、私たちが組み立てます。
記載の条件は2026年7月時点 / 薪ストーブでの取り扱いはご相談くださいご相談・お見積りは無料です。断りづらい雰囲気を作ることもしません。
お電話、フォーム、LINE、どれでも。「予算がこれくらいで、この部屋を暖めたい」だけで充分です。図面や写真があれば、話が早く進みます。盛岡のショールームには実際に火の入るストーブがありますので、来ていただくのがいちばん確かです。
屋根の形と勾配、下地の位置、壁の中、搬入経路、既存の煙突。ここを見ないと、正しい金額は出ません。逆に、ここを見れば、あとから増える見積書にはなりません。原則として、必ず伺っています。
機種、煙突の経路図、炉台炉壁の寸法と仕上げ、工事の内容。本体・煙突・炉台炉壁・工事の四つに分けてお出しします。ここで補助金が使えるかどうかも合わせてご案内します。金額だけの一枚は、お出ししません。
多くの場合、一日から数日です。チムニー造作や下地からの炉壁工事が入ると、もう少しかかります。工務店さま・設計事務所さまと組む新築なら、着工前の打ち合わせから入ります。業者さま向けのご案内もあります。
最初の火を一緒に入れて、焚き方をお伝えします。ここから先が長い付き合いです。翌シーズンの煙突掃除、点検、部品交換、薪の配達。売って終わりにしない。
対応エリアに県名を並べるだけの店もありますが、当社が挙げるのは実際に車を出している範囲です。岩手県全域、青森県・秋田県の全域、宮城県・山形県の一部エリア。八戸も、弘前も、大館も、秋田市も、日帰りで手が届く距離にあります。
その上で、費用の話も先にしておきます。エリアと作業内容によっては出張費を申し受けます。あとから足すのではなく、ご相談の段階で片道の距離とセットで金額をお示しし、設置工事をご依頼いただく場合はお見積りの中に組み込んでお出しします。見積書に出てこない請求を、あとから起こさないためです。
遠いから行けない、のではなく、遠いからこそ一度でまとめて手を入れる。現地調査、設置、火入れ、翌年の煙突掃除。日程を組んで動きます。地域ごとの考え方は秋田の薪ストーブ、青森の薪ストーブ、対応エリア一覧に書いています。
Fuel & Care ─ 買ったあとも、ずっと。
人が生きるのに衣食住が欠かせないように、薪ストーブにも薪サウナにも、「薪という燃料」と「メンテナンス」は必ずついてきます。売って終わりの店では、そこで行き詰まる。D'STYLEは、この2つを自社で持っているから、火のある暮らしを、買ったその先まで支え続けられます。ここが、当社の強みです。
薪の販売はもちろん、ご自宅の薪棚のそばまで届ける配達、原木の販売、薪割り機のレンタルまで。燃料の心配をせずに、火のある暮らしを続けられます。ストーブが他社の一台でも、薪だけのご購入でも、大歓迎です。
薪の販売・配達を見る →煤や煙道火災のリスクは、定期的な煙突掃除と点検で防げます。他社で入れた一台も含め、点検・部品交換・修理まで対応。長く、安全に焚き続けられます。
メンテナンス・煙突掃除を見る →薪も、掃除も、修理も、ぜんぶ一社で。だから、"売ったあとまで面倒を見られる店"で選んでください。
ご相談・お見積りは無料です。ご予算をお持ちなら、先におっしゃってください。その中でいちばん暖かくなる形を、盛岡のD'STYLEが一緒に組み立てます。岩手・青森・秋田へ伺います。