サウナには長い伝統があります。石の選び方、火の入れ方。フィンランドの湖畔でも、日本の銭湯でも、何世代もかけて受け継がれてきた知恵が、いまのサウナをつくってきました。
ただ、その伝統に混じって、「迷信」も一緒に受け継がれてきました。
私たちD'STYLEはハルビアの岩手県正規代理店で、毎日のようにサウナのご相談を受けています。その売り場で繰り返し耳にする誤解を、今日は3つ、解きほぐしてみます。
迷信1:「電気ヒーターに水をかけてはいけない」
これが、一番よく聞く誤解です。
ロウリュは、熱した石に水がかかって蒸発することで生まれます。要るのは熱い石と水で、その石を温めているのが薪か電気かは、実のところあまり関係ありません。
いまの電気ヒーターは、ハルビアも含めて、石に水をかける前提で設計されているものがほとんどです。「電気だから水は禁止」というのは、その設計を知らないまま広まった話なんです。日本で「サウナ=カラカラに乾いた熱い部屋」というイメージが根強いのも、石をほとんど積まない業務用のドライサウナが長く主流だったからにすぎません。
「電気サウナは乾いていて物足りない」と感じた経験がある方も、原因はたいてい電気そのものではありません。石の量が足りないか、水をかける回数が足りないか。だいたいそのどちらかです。石を増やせば、ロウリュは柔らかくなって、長持ちします。
コツはひとつだけ。石が芯まで十分に温まるのを待ってから、少量ずつかける。それだけで、電気ヒーターのサウナは別物になります。
迷信2:「出力は大きいほどいい」
カタログを開くと、つい数字の大きいほうが強くて良いものに見えてきます。でも、そう単純でもないんです。
出力が部屋に対して強すぎると、空気だけが先に熱くなります。石が熱を蓄える前にサウナ室の温度が上がりきってしまい、乾いた強烈な熱だけが残る。逆に小さすぎると、今度は温度が安定しません。扉を開けるたびに温度が落ちて、なかなか戻らないサウナになります。
見るべきは最大出力ではなく、その部屋に合っているかどうか。サウナ室の広さ、壁と天井の素材、ガラス面の大きさ、換気。窓が大きければ熱は逃げますし、断熱がしっかりしていれば小さな出力で足ります。こうした条件を読んでいくと、最適なヒーターは自然と一台に絞られていきます。
だから当社は、カタログの数字だけでヒーターを決めることはしません。現地を見て、その部屋に合う一台を選びます。
迷信3:「電気ヒーターのロウリュは刺さる」

「電気のロウリュは鋭くて、肌に刺さる」。これも売り場でよく聞く言葉です。ただ、原因は電気ではありません。昔の電気ヒーターは、載せられる石の量が少なかった。それだけの話なんです。
石が少ないと、一つひとつの石が高温になりすぎます。そこへ水をかければ一気に蒸発して、突き刺さるような鋭いロウリュになる。あの「刺さる」感じは、熱源のせいではなくて、単純に石の量が足りていないんです。
結局、効いてくるのは石の量と積み方です。ハルビアのシリンドロやレジェンドのように石をたっぷり積めるタワー型のヒーターなら、電気でも肌を包み込むような柔らかいロウリュになります。積み上げた石の間を抜けて立ちのぼる蒸気は、角が取れて、まろやかです。
結局、良いサウナはバランスです
いちばん高い温度でも、いちばん強い出力でもありません。熱と湿度、それに時間の流れ方がぴたりと合ったとき、サウナはすっと気持ちよくなる。それをつくれるのが、良いサウナだと思っています。
迷信をいったん脇に置いて、仕組みで考えてみる。それだけで、サウナの入り方はずいぶん変わってきます。
盛岡・国道4号線沿いの当社ショールームでは、火の入った実機でロウリュを体感していただけます。言葉で説明するより、一度浴びてもらうのが早い。どうぞ、火にあたりに来てください。


