熱の届け方は3つある。伝導、対流、輻射。エアコンは対流で暖める。薪ストーブとサウナは輻射で暖める。この違いが「暖かさの質」を分ける。
対流と輻射のちがい
対流は空気を暖めて風で運ぶ方法だ。エアコンは室内の空気を吸い込み、熱交換器で暖めて吹き出す。暖かい空気が体に触れることで人が暖まる。
輻射は赤外線(電磁波)を放つ方法だ。薪ストーブの鋳鉄が300度以上に熱せられると、遠赤外線を大量に放出する。この赤外線は空気を素通りして、壁・床・人の肌に直接あたり、そこで熱に変わる。
空気 → 空気 → 体の表面 → 体の中
空気を介すので、風が必要。天井に暖気がたまる。
輻射(薪ストーブ・サウナヒーター)
熱源 → 赤外線 → 体の表面(直接)→ 体の中
空気を介さない。風がなくても暖かい。全方向に届く。
サウナも輻射で暖めている
フィンランド式のサウナは、サウナストーンが300〜400度に熱せられて赤外線を放つ。ストーンの輻射熱がサウナ室全体を暖め、人の体にも直接届く。
サウナの中で「壁際は熱いのに中央は穏やか」と感じるのは、壁や天井が蓄熱して二次的に輻射を出しているから。空気の温度だけでは説明できない暖かさが、輻射にはある。
薪ストーブの暖かさとサウナの暖かさに共通点を感じるのは偶然ではない。どちらも輻射熱が主役だ。
体感温度が違う
エアコンで室温を24度にしても寒く感じることがある。薪ストーブで室温が20度でも暖かく感じることがある。これは輻射の有無による体感温度の差だ。
輻射熱は体の表面だけでなく、皮膚の数ミリ下まで到達する。体の芯まで暖まる感覚は、この「皮膚を透過する暖かさ」から来ている。エアコンの温風は皮膚の表面だけを暖めるので、風が止まればすぐ冷える。
エアコンの暖房能力と外気温の関係は物理法則なので、この計算は北海道から九州まで全国どこでも同じように使えます。とくに岩手・青森・秋田・山形・宮城の東北5県は冬の外気温が厳しく、この問題が暮らしに直結する地域です。
エアコン暖房の実力 対流暖房の仕組みと、外気温ごとの能力低下。 薪ストーブのページ 輻射熱で暖める薪ストーブの機種一覧。 サウナのページ 輻射熱で暖めるサウナヒーターと施工事例。
