YOMIMONO / 技術

寒冷地エアコンと
標準エアコンの違い。
何が違うのか

文・有限会社D'STYLE|岩手・盛岡の薪ストーブとサウナの店

公開日:2026年9月17日

「寒冷地仕様」「寒冷地エアコン」と名のつくエアコンがある。標準のエアコンと何が違うのか。価格は高いが、それに見合う差はあるのか。

違いは4つある。

1. コンプレッサーが大きい

寒冷地エアコンは標準型よりコンプレッサーの容量が大きい。外気温が下がってもより多くの冷媒を圧縮できるので、暖房能力の低下が穏やかになる。

外気温 標準型(能力低下率) 寒冷地型(能力低下率)
7℃100%100%
0℃77%86%
−5℃60%76%
−10℃43%66%
−15℃27%56%
−25℃(動作限界外)36%

マイナス10度で標準型は定格の43%しか出せない。寒冷地型は66%。出力の差は1.5倍になる。

2. 霜取り運転が賢い

標準型のエアコンは霜取り運転中に暖房が完全に止まる。室温がガクッと下がる。

寒冷地エアコンは「ノンストップ暖房」や「バイパス暖房」と呼ばれる機能を持つ。霜取り中でも室内への暖房を止めない仕組みだ。蓄熱した熱を使ったり、室外機の別の熱交換器で霜取りと暖房を同時に行う。

3. 室外機にヒーターがある

寒冷地エアコンの室外機には底面ヒーターが内蔵されている。ドレン水(除霜で出た水)が凍結して排水口を塞ぐのを防ぐ。標準型にはこのヒーターが無い。排水口が凍ると室外機の中に氷がたまり、最終的に動かなくなる。

4. 動作可能な外気温が低い

暖房運転の外気温下限
標準型:−15℃まで(それ以下は安全装置で停止)
寒冷地型:−25℃まで(一部の機種は−30℃)

盛岡の冬の最低気温はマイナス13度前後で、標準型でもギリギリ動作範囲内だ。ただし動作はしても、マイナス13度での出力は定格の3割以下で、暖房として頼りにならない。寒冷地型はマイナス13度でも5割以上の出力が残る。

それでもエアコンだけでは厳しい

寒冷地エアコンは標準型より格段に強い。だが、マイナス10度で66%、マイナス15度で56%。20畳用でも実質13畳分、11畳分だ。20畳のLDKを1台でまかなうのは難しい。

寒冷地エアコンは「標準型より強い」が「寒冷地で万能」ではない。サブの暖房と組み合わせるか、薪ストーブやペレットストーブをメインにしてエアコンを補助にするか。使い方を決めてから選ぶのが確実だ。

エアコンの暖房能力と外気温の関係は物理法則なので、この計算は北海道から九州まで全国どこでも同じように使えます。とくに岩手・青森・秋田・山形・宮城の東北5県は冬の外気温が厳しく、この問題が暮らしに直結する地域です。

エアコン暖房の実力 標準型・寒冷地型の外気温ごとの出力計算。 薪ストーブのページ 外気温に左右されない暖房。取扱い機種の一覧。

よくある質問

Q. 寒冷地エアコンは標準型より電気代が高いですか?

同じ室温を保つなら、寒冷地エアコンのほうが効率よく暖房するため電気代は同程度か安くなることが多いです。コンプレッサーが大きいぶん最大消費電力は大きいですが、効率よく暖まるので運転時間が短くなります。

Q. 岩手以外の東北でも対応していますか?

はい。当社は岩手・盛岡を拠点に、青森県・秋田県・山形県・宮城県をはじめ東北全域で施工を行っています。まずはお気軽にご相談ください。

D'STYLE
橋本 大治(有限会社D'STYLE 代表)

岩手・盛岡で薪ストーブとサウナの施工を手がけて20年。

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