日本でも、すっかりおなじみになったサウナ。けれど、その生まれ故郷であるフィンランドでは、私たちが思うよりもずっと、おおらかで、静かで、暮らしに溶けこんだものです。彼らは、サウナを「がんばって整えるもの」とは考えていません。もっと自然な、呼吸のようなもの。今日は、サウナの本場フィンランドの入り方を、少しのぞいてみましょう。読み終わるころには、きっと、次のサウナが待ち遠しくなっているはずです。
この記事は、フィンランドのサウナ文化を世界に伝える公式団体「Sauna from Finland(サウナ・フロム・フィンランド)」が紹介している楽しみ方(10 Tips for Enjoying Sauna the Finnish Way)を参考に、岩手・盛岡で暮らす私たちなりに、日本の日々へ寄せてお伝えするものです。
その一 / とにかく、急がない
フィンランド式で、いちばん大切にされているのが、これです。時計も、スマホも、置いていく。「あと何分」も、「次はこれ」も、いったん忘れる。サウナは、追い立てられて入るものではありません。ゆったりと時間を明け渡してこそ、体はほどけていきます。入る前に、お腹いっぱい食べすぎないこと。そして、こまめに水分をとること。これだけ守れば、あとは、ただ、のんびりと。
その二 / まず、シャワーで流す
サウナに入る前に、さっとシャワーを浴びて、一日のほこりや汗を流します。これは、自分のためでもあり、次に入る人への心づかいでもあります。指輪やメガネは、熱くなるので外しておく。ささやかな作法ですが、こうしたひと手間が、サウナの時間を、より清らかなものにしてくれます。
その三 / 心を、ひらいて入る
サウナのドアを開けるとき、フィンランドの人たちは、少しだけ心をひらきます。難しいことではありません。ただ、「今、ここ」に体をあずけるだけ。木の香り、じんわりとした熱、遠くで薪のはぜる音。五感を、そっと目の前のことに向ける。それだけで、頭の中のざわめきは、静かに引いていきます。
その四 / 体の声を、聞く
ここが、フィンランド式のいちばん優しいところです。「長く入ったほうがえらい」なんてことは、ひとつもありません。誰かと我慢くらべをする必要も、無理をして限界に挑む必要も、まったくない。熱いと感じたら、下の段におりる。つらくなる前に、外に出る。自分の体が心地よいと言うところに、ただ従う。それが、いちばん正しい入り方です。
その五 / ロウリュを、味わう
熱した石に、ひしゃくで少しだけ水をかける。ふわりと立ちのぼる蒸気、これがロウリュです。フィンランド語で、サウナの魂とも呼ばれるもの。湿度がふっと上がり、体をやわらかく包む熱に変わる、あの瞬間。ハルビアのサウナヒーターにたっぷりと積まれた石が生む、力強くもまろやかな蒸気は、一度知ったら忘れられません。人と入るときは、「もう一杯、いいですか」と、ひと声かけてから。それも、フィンランド流の心づかいです。(ロウリュの詳しい話は、こちらに。)
その六 / 冷やして、休む
ひとしきり温まったら、いさぎよく外へ。冷たいシャワー、水風呂、あるいは外の風。フィンランドの人たちは、夏なら湖に飛びこみ、冬なら雪の中へ。そして、体を冷やしたら、ラウンジや外気の中で、しばらくぼんやりと休みます。この「温める・冷やす・休む」の落差こそが、サウナのいちばんの醍醐味。岩手の澄んだ外気は、この外気浴に、これ以上ないほど向いています。
その七 / 好きなだけ、くり返す
温めて、冷やして、休む。この流れを、何回くり返すか。フィンランドには、決まった回数などありません。三回でも、二回でも、その日の体が「もう十分」と言うまで。数をこなすことが目的ではなく、心地よさを味わうことが目的だから。自分のリズムで、ゆっくりと。
その八 / ヴィヒタで、肌をたたく
白樺の若い枝葉を束ねた「ヴィヒタ(ヴァスタ)」で、やさしく肌をぽんぽんとたたく。血のめぐりをうながし、森の香りに全身を包まれる、フィンランドならではの贅沢です。ぴしゃりという小気味よい音と、みずみずしい若葉の香り。これを知ってしまうと、サウナがもう一段、深いものになります。(ヴィヒタの話は、こちらで詳しく。)
その九 / 最後は、ゆっくり戻る
そして、いちばん最後のヒント。サウナを出たあと、あわてて日常に駆け戻らないこと。火照った体が、少しずつ静かになっていく、あの余韻。ぼんやりと空を眺めたり、冷たい一杯を味わったり。この「戻るまでの時間」こそが、サウナがくれた贈り物です。急いで戻ってしまっては、もったいない。
この時間を、毎日の暮らしに
こうして並べてみると、フィンランド式の楽しみ方は、そのどれもが「急がない」「無理をしない」「自分をいたわる」に通じているのがわかります。特別な技術ではなく、心の持ちよう。そしてこの豊かな時間は、施設まで足を運ばなくても、自宅にサウナがあれば、毎日の暮らしのなかで味わえます。誰にも急かされず、自分のリズムで、心ゆくまで。岩手・盛岡のD'STYLEは、ハルビア岩手県正規代理店として、そんな本場さながらのサウナを、あなたの暮らしのなかに設置するお手伝いをしています。まずは、あなたの「急がない時間」を思い描くところから。おすすめの一台選びも、どうぞお気軽にご相談ください。
参考:Sauna from Finland「10 Tips for Enjoying Sauna the Finnish Way」(saunafromfinland.com)。本記事は同団体の紹介内容を参考に、D'STYLEが独自に再構成したものです。



