フィンランドは、教育の国として世界に知られています。子どもたちの学力が高いことで注目されますが、その学校は、驚くほどゆったりしています。学校に上がるのは七歳からで、幼い日々はよく遊ぶことに充てられます。よく学び、よく休む。今回は、フィンランドの教育と、余暇を大切にする暮らしの話です。

世界が注目した、学びの国
フィンランドの教育が世界の関心を集めたのは、2000年代に入ってからです。経済協力開発機構が2000年に始めた国際的な学習到達度調査で、この国の子どもたちがくり返し上位の成績を示したことがきっかけでした。しかもその学校は、詰め込みとは正反対でした。授業料は幼い頃から大学まで一貫して無償で、家庭の豊かさによらず学べます。授業時間は短く、宿題は少なく、順位をつけて子どもを競わせる全国一斉のテストもありません。それでいて、深い学力が育つ。世界は、その静かな仕組みに驚いたのです。
遊びも、立派な学び
フィンランドの学校では、休み時間がとても大切にされます。多くの学校で、四十五分ほどの授業のあとに十五分の休憩をとり、天気が多少悪くても子どもたちは外へ出て遊びます。「悪い天気というものはない、悪い服装があるだけだ」という言葉が、この国にはあります。給食は無償で提供され、子どもたちは温かい食事をとってから午後の授業にのぞみます。体を動かし、自然に触れ、友だちと過ごす時間そのものが、頭を休め、次の学びに向かう力を養う大切な一部だと考えられているのです。
森が、教室になる
自然の中で学ぶことも、フィンランド教育の特徴です。森へ出かけ、木や苔や虫を観察し、季節の移ろいを肌で感じる。きのこや木の実の見分け方を学ぶ授業もあり、教科書だけでは得られない知識を、子どもたちは森から受け取ります。近年は、ひとつの出来事をいくつもの教科にまたがって学ぶ、現象をもとにした学習も取り入れられています。夏には二か月を超える長い休みがあり、湖畔の別荘でのんびり過ごす家族も多く、自然とともに過ごす時間が、暮らしの土台に組み込まれています。学びと自然が、地続きになっているのです。
教える人を、深く信じる
フィンランドでは、教師は社会から深く信頼される、人気の高い職業です。小学校の先生になるにも大学院で修士号を修めることが求められ、その分、一人ひとりの先生に、教え方や教材を選ぶ大きな裁量が委ねられています。細かく管理して縛るのではなく、専門家として信じて任せる。この信頼の文化が、のびやかな学びの現場を支えています。人を信じることが、良い教育の土台になっているのです。
休むことを、後ろめたく思わない
フィンランドの暮らしを貫くのは、余暇を大切にする価値観です。長い時間働くことより、しっかり休んで心身を整えることが尊ばれます。大人にも四週間ほどの夏の休暇があり、湖畔の別荘でのんびり過ごし、一日をサウナで静かに締めくくる。国際的な幸福度の調査で、フィンランドがくり返し上位に挙げられる背景にも、こうした暮らし方があるといわれます。休むことは、なまけることではなく、次によく働き、よく学び、よく生きるための準備だと考えられています。この価値観が、教育にも暮らしにも、静かに流れています。
一日の終いに、火を
よく働き、よく学んだ一日を、しっかり休んで締めくくる。フィンランドの人々にとって、その仕上げがサウナです。岩手・盛岡のD'STYLEは、ハルビアのサウナヒーターで、暮らしに余白と休息をもたらす火の時間をお手伝いしています。北欧の暮らしや教育の話も、店でどうぞ。



