ストーブの前は、いつも満席という記事を書いたら、お客様から可愛い質問をいただきました。「うちの犬、私がサウナに入ると、ドアの前で待ってるんです。一緒に入れてあげられないですか?」。気持ちは、痛いほど分かります。でも、答えは、はっきりお伝えしなければなりません。サウナに、ペットは入れられません。今日はその理由を、きちんと書きます。

犬は、汗をかけない
人間がサウナの熱に耐えられるのは、全身の皮膚にある汗腺という、優秀な冷却装置を持っているからです。汗が蒸発するとき、まわりの熱を奪ってくれる。この仕組みがあるから、私たちは九十度の部屋で「気持ちいい」と言っていられます。犬には、この装置が、ほとんどありません。犬の汗腺は肉球などのごく一部にしかなく、体温調節は、口を開けてハアハアと呼吸するパンティングが頼りです。この方式は、まわりが高温多湿だと、ほとんど働かなくなります。さらに犬は毛皮を着ていて、もともと人より体温が高く、熱の逃がし場がない。人にとっての「気持ちいい熱」は、彼らにとっては、命に関わる熱なのです。真夏の車内の事故と、まったく同じ理屈だと考えてください。短時間でも、絶対に、です。
猫も、暑さには弱い
では、猫はどうでしょう。砂漠出身の祖先を持つイメージから暑さに強そうに見えますが、これも思い込みです。猫の平熱は人よりやや高く、やはり汗で全身を冷やす仕組みを持っていません。毛づくろいで唾液を体に塗り、その気化でわずかに涼をとる程度です。日なたやこたつを好むのは、「暑くなったら自分で離れる」を選べるから。高温がこもったサウナ室のような、逃げ場のない環境は、犬と同じく、猫にとっても危険です。動物にとって心地よい熱とは、いつでも自分の意思で立ち去れる熱のこと。この一線は、種を問わず共通しています。
ストーブの前と、サウナの中は別物
「でも、うちの子はストーブの前が大好きじゃないか」と思われるでしょう。あれは、彼らが自分で距離を選べるからです。熱ければ離れ、寒ければまた近寄る。出入り自由の輻射熱と、閉じた高温の部屋は、まったくの別物です。動物は熱さを感じてはいても、サウナ室のドアを自分で開けて出ることはできません。選べない環境に置かないこと。これが、動物と熱の付き合いの大原則です。ストーブの前の特等席は大歓迎、サウナ室の中は人間だけ。この線引きこそが、彼らを守ります。(ストーブとペットの幸せな話は、こちら。)
待たせて、外気浴で再会する
では、サウナ好きの飼い主はどうするか。答えは簡単で、サウナのあいだは、あたたかい部屋で待っていてもらう。薪ストーブの前の特等席があれば、彼らはむしろ喜んで留守番してくれます。そして、外気浴で再会するのです。庭やデッキの外気浴なら、犬は足元にちょこんとお座りして、いっしょに夜風にあたってくれる。ととのった飼い主と、庭を一回りしてきた犬。冬の夜の、とてもいい図です。猫はたいてい、湯上がりのあたたかい膝を、ソファでちゃっかり待っています。サウナは人間だけの時間、火のそばは家族全員の時間。この住み分けが、いちばん、みんなの幸せに近い形です。待っていてくれる存在がいると、湯上がりの帰り道が、少し愛おしくなります。
動物にも人にも、いい家を
岩手・盛岡のD'STYLEは、ハルビア岩手県正規代理店として、またペットと暮らすお宅の薪ストーブ設置の経験も豊富な店として、家族全員(四本足を含む)が心地よい家づくりをお手伝いしています。ご相談のときは、ぜひ愛犬愛猫の話も聞かせてください。おすすめの間取りの工夫、一緒に考えます。
写真: Tero Karppinen from Finland (Wikimedia Commons, CC BY 2.0)



