花巻市大迫町。盛岡から車で南へ一時間ほど。山あいの静かな土地に、今日の現場がある。和室にハースストーンのヘリテージを据える工事だった。

天然石の蓄熱炉、ヘリテージ
ハースストーン ヘリテージ(Heritage 8024)は、アメリカ・バーモント州で採れるソープストーン(滑石)を炉体に使った薪ストーブです。鋳鉄だけの炉とは、火が落ちてからの振る舞いが違う。石が昼間の太陽のように熱をため、薪が燃え尽きたあとも、やわらかな放射で部屋を暖めつづける。ヒートライフは25時間。夜に薪を足して寝れば、朝まで暖かさが残ります。
中型のサイズでありながら、最大出力17.5kW、暖房のめやす56坪(約112畳)。大型鋳物に匹敵する実力をもっています。側面にはサイドドアがあり、横から薪を入れられる。正面の大きなガラス窓から炎が見える。実用と眺めを、どちらも犠牲にしていない一台です。

天井を抜き、屋根を貫く
和室への設置は、天井を抜いて煙突を通すところから始まります。天板に黒い化粧板を取り付け、断熱二重煙突を真上へ。屋根の上に出た煙突トップまで、一本の垂直な道をつくる。この道がきちんと通っていないと、ストーブは力を出せません。ドラフト(上昇気流)がすべてです。



ヘリテージの仕様
据えたストーブの数字をまとめておきます。
| 機種 | ハースストーン ヘリテージ(Heritage 8024) |
|---|---|
| 最大出力 | 15,120 kcal/hr(17.5 kW/hr) |
| 暖房のめやす | 185 ㎡(56坪・約112畳) |
| ヒートライフ | 25時間 |
| 重量 | 254 kg |
| 本体価格(税込) | ¥1,067,000〜(マットブラック) ¥1,265,000(エナメル3色) |
| 特徴 | ソープストーン蓄熱・サイドドア・大型ガラス窓 |
※ 別途、煙突部材・炉台・据え付け・煙突工事の費用がかかります。現地を見てから総額をお出しします。ヘリテージの詳しい仕様はこちら →
同じ夜は、二度と来ない。
工事を終えて部屋を見回すと、壁にポスターが一枚。大迫あんどんまつりの告知だった。岩手県指定無形民俗文化財、おおはさま。およそ200年の歴史がある大迫のお盆の伝統行事で、江戸時代の天明・天保の大飢饉で亡くなった人々を供養するために始まったと伝えられています。
ポスターに書かれていた言葉が、目に残った。「同じ夜は、二度と来ない。」
祭りの話だけれど、薪ストーブの夜にも当てはまる。火のかたちは毎晩変わる。薪の太さ、含水率、空気の入れ方。同じ条件は二度とそろわないから、同じ炎も二度と現れない。だから飽きない。十年、二十年と焚き続けた人が「毎晩が違う」と言うのは、詩ではなく事実です。

大迫あんどんまつりは毎年8月14日と16日に開かれます。武者絵や歌舞伎の題材を描いたあんどん山車が4台、町内を練り歩く。今年は来れなかったけれど、次は家族で行ってみたいと思っています。
この度はありがとうございました。冬が来たら、火入れに伺います。



