「薪ストーブとペレットストーブ、結局どっちがいいんですか?」。ショールームで、いちばん多くいただく質問です。
私は三代目の薪屋です。祖父は住田町の山主でしたから、「そりゃ薪でしょう」と言いたくなる血が流れています笑。でもうちは、薪ストーブもペレットストーブも両方を本気で扱っています。だからこそ今日は、どちらの肩も持たずに、本当のところをお話しさせてください。
先に言ってしまうと、優劣で決まる話ではないんです。要は、その人の暮らしに合うかどうか。
薪ストーブが向いているのは、こんな人
薪ストーブは、正直、手間のかかる暖房です。薪を割って、乾かして、運んで、火を起こして、燃え具合を見ながら足していく。でも、その手間を面倒と思わない人、むしろそこが楽しいという人には、これ以上のものはありません。火と向き合う時間そのものを味わいたい方には、迷わず薪をおすすめします。薪割りが生活の一部になる暮らし、悪くないですよ。
もうひとつの強みは、電気がいらないことです。停電しても、薪と火さえあれば家は暖かい。岩手の冬に「電気が止まっても動く暖房」を一台持っておきたい、という方にも薪ストーブが合っています。
ペレットストーブが向いているのは、こんな人
一方のペレットストーブは、朝ボタンひとつで火が点きます。着火も送風も温度管理も、電気が自動でやってくれる。共働きで朝は忙しい。でも火のある暮らしは諦めたくない。そんなご家庭には、ペレットが頼れます。
煙突が短くて済むのも大きな違いです。FF式のモデルであれば集合住宅への設置事例も多く、「戸建てじゃないから火のある暮らしは無理」と思い込んでいた方にこそ、一度知ってほしい選択肢です。
ただし、正直に付け加えます。電気で動くということは、停電のときは止まるということです。ここは薪との一番大きな違いなので、私は必ず最初にお伝えするようにしています。
ストーブを選ぶって、けっきょく
冬の朝をどう過ごすか、なんですよね。
迷ったら「冬の朝」を思い浮かべてください
冬の朝を思い浮かべてみてください。火を起こす時間そのものを楽しみたいなら、薪。起きたときにもう部屋が暖まっていてほしいなら、ペレット。乱暴な聞き方ですけど、これでだいたい見えてきます。
ご家族の中で答えが割れることも、よくあります。おひとりは薪の炎に憧れ、もうおひとりは毎日の火の世話が現実的に不安、というように。そういうときは、どちらかが我慢して決めるより、暮らし全体で無理なく続けられるほうを選ぶ。そのほうが、結局は長く続きます。
岩手なら、どちらを選んでも「地元の火」になります
あまり知られていませんが、岩手県内にはペレット工場があります。だからペレットを選んでも、地元の木から生まれた燃料で暖まる暮らしになる。遠くから運ばれてくる燃料ではなく、岩手の山の恵みで冬を越すわけです。地元の人間としては、これは案外の贅沢だと思っています。
薪も同じです。うちは祖父の代から山と付き合ってきた薪屋ですから、地元の木を薪として活かすことには、やっぱりこだわりがあります。薪でもペレットでも、岩手で火のある暮らしを選ぶことは、そのまま岩手の山を使い続けることにつながります。
両方の実機に、火が入っています
結局のところ、カタログや文章でどれだけ比べても、炎の揺れ方や暖かさの質感までは伝わりません。うちの盛岡のショールーム(国道4号線沿い)では、薪ストーブとペレットストーブ、両方の実機に火が入っています。同じ部屋で、両方の炎を見比べられる場所は、そう多くないはずです。
ついでに言うと、うちのショールームでは薪ストーブとペレットに加えて、サウナも暖炉もピザ窯も体験できます。ご来店に予約はいりません。「まだどっちか決めてないんだけど」という段階の方こそ、大歓迎です。両方の火を見て、触れて、あなたの暮らしに合うほうを一緒に探しましょう。迷っている今の気持ちを、そのまま聞かせてください。



