「まずはレンタルで試してみようか、それとも思い切ってつくってしまおうか」。自宅サウナを考え始めた方から、いちばんよくいただく迷いです。どちらが正解ですか、とよく聞かれます。ただ、目的が違うのだから、どちらも正解になりうる——というのが、正直なところの答えです。
レンタルは、サウナのある生活を「試す」方法です。購入は、サウナを暮らしの一部として「つくる」方法です。同じ「自宅サウナ」という言葉でも、この二つはまるで別のものを指しています。その違いを、施工する側からできるだけ正直に書いてみます。
レンタルは、暮らしを試す方法
レンタルには、はっきりとした良さがあります。大きな決断をする前に、サウナが本当に自分の暮らしに続くのかを、体で確かめられる。これは、けっこう大きいことだと思います。
たとえば、こんな方にレンタルは向いています。サウナ習慣が自分に続くのか、まず試してみたい方。平日は忙しく、休日だけ楽しめれば十分という方。数年のうちに引っ越しの予定があって、いま大きなものを据えるのはためらう方。こういう段階なら、無理に建ててしまわないほうがいい。
ただし、簡易型のレンタルサウナには限界もあります。ここは知っておいてほしい。テント型やユニット型は、断熱と気密、そしてヒーターの能力が住宅の一部としてつくったものには及びません。だから外が寒い日ほど、なかなか温度が上がらないことがあります。岩手の冬なら、なおさらです。
もうひとつ。設営して、使って、乾かして、片付ける。この手間が毎回のしかかると、だんだん腰が重くなります。「せっかく借りたのに、月に一度しか使わなかった」という声は、決してめずらしくありません。費用を比べるときも、月額だけで判断しないほうがいいです。総額は、月額に利用月数をかけ、さらに設置や配送の費用を足したもの。そこまで並べて、はじめて購入と正しく比べられます。
レンタルで分かるのは、続くかどうか。
買えば、いつでも使える熱の部屋が残る。そこが、いちばん違うところだと思います。
購入は、熱の部屋を暮らしにつくること
では、購入するとはどういうことか。それは、住まいや庭に「いつでも使える熱の部屋」をひとつ増やすことです。スイッチひとつ、あるいは薪に火を入れるだけで、思い立ったその夜に入れる。設営も乾燥も片付けもいらない。この「いつでも」が、頻度をまるごと変えます。

そして、つくるとなると、気にするのは温度だけではありません。足元まで暖かいか。ロウリュの蒸気がちゃんと回るか。座ったときに姿勢がつらくないか。扉を開けた瞬間に木の香りが立つか。この一つひとつが、入るたびの心地よさを左右します。既製品を置くのとは、ここが根本から違う。暮らしにあわせて、熱の部屋そのものを設計できる。買ってつくるというのは、そういうことです。
レンタルと購入、並べて見る
| レンタル | 購入(つくる) | |
|---|---|---|
| 初期費用 | 抑えられる。月額で少しずつ | まとまった費用が最初に必要 |
| 目的 | 続くかどうかを試す | 暮らしの一部にする |
| 設営・片付け | 毎回必要になることが多い | 不要。いつでもすぐ入れる |
| 温熱環境 | 寒い日は上がりにくいことも | 断熱・気密から設計できる |
| デザイン | 既製の形に合わせる | 住まいや好みにあわせて自由 |
| 利用後 | 返却して手元に残らない | 資産として住まいに残る |
| 将来の変更 | 基本的に難しい | 水風呂・外気浴の追加も設計可能 |
こうして並べてみると、レンタルと購入は競い合うものというより、暮らしのどの段階にいるかで選ぶものなのだと思います。試す段階と、つくる段階。順番に両方を通る方も、少なくありません。
「ワンオフ=高い」とは限らない
一点ものでつくる、と聞くと「きっと高いのだろう」と身構える方がいます。これが、そうとも限らないんです。ワンオフの良さは、必要なところへ予算を集中できること。使わない機能に払わず、大切にしたい部分にだけ手をかける。だから、既製品より賢く仕上がることもあります。
もちろん、削ってはいけない一線があります。安全と、基本の性能です。ここだけは、どんな予算でも譲りません。そのうえで、内装のこだわりや広さは、ご希望と予算に合わせて調整していきます。
ヒーターも木材も、一種類ではない
サウナヒーターと一口にいっても、種類はいろいろです。部屋の容積、断熱の具合、ガラス面の広さ、その土地の気候、そして何人で入るか。このあたりを見て、はじめて適したものが決まります。電気式は扱いやすく屋内向き、薪式は電源のない庭でも本場の体験ができます。私たちは複数のメーカーを扱っているので、一つの型に押し込めず、あなたの部屋に合うものをご提案できます。
木材も同じです。壁やベンチに使う木は、香りも、肌ざわりも、熱の持ち方も種類ごとに違います。どんな時間を過ごしたいかで、選ぶ木は変わってきます。

価格を左右する条件
「結局いくらなの」という問いに、単一の金額でお答えしないのには理由があります。サウナの費用は、次のような条件で大きく動くからです。
- 広さと天井の高さ
- 屋内につくるか、屋外につくるか
- 電気式か、薪式か
- ヒーターの能力
- 内装やベンチに使う木材
- 窓ガラスの大きさと種類
- 断熱・防湿・換気の仕様
- 電気・給排水・基礎の工事
- 外装や屋根(屋外の場合)
- 水風呂・外気浴スペースの有無
これだけの要素が絡むのだから、条件を聞かないうちに金額だけを言うのは、かえって不誠実になります。だから私たちは、まずご予算を率直に伺い、その中で実現できる内容をはっきりお伝えする。この順番を大切にしています。
水風呂も、外気浴も、動線ごと考える
熱い部屋を出たあとまでが、サウナです。火照った体を冷ます水風呂、そして風にあたる外気浴。ここまでがひと続きの体験です。だから設計のときは、サウナから水風呂へ、そして外気浴へと歩く動線まで一緒に考えます。岩手の冬なら、外気浴の環境は庭先に最初から揃っています。
いますぐ全部はつくれない、という場合も大丈夫です。将来水風呂を足せるように、配管と電源だけ先に用意しておく。そんな段階的な設計もできます。今日の暮らしと、これからの暮らし。両方を見て組み立てます。
あなたはどちらに近いですか
レンタルが向いている人
- サウナ習慣が自分に続くのか、まず試したい
- 使うのは休日だけで十分
- 数年のうちに引っ越しの予定がある
- 初期費用をできるだけ抑えたい
購入(つくる)が向いている人
- 思い立った夜に、いつでも入りたい
- 温度だけでなく、心地よさまでこだわりたい
- 住まいや庭にあわせて自分だけの一室がほしい
- 水風呂や外気浴まで、動線ごと整えたい
結論は、急がなくて大丈夫です。
むしろ迷っている段階こそ、こちらとしては話しがいがあるので。
レンタルか購入か。この問いに、まだ答えが出ていなくてかまいません。むしろ迷っている段階からご相談いただくのが、私たちはいちばんうれしいのです。予算のこと、住まいの条件、続けられるかどうかの不安。どれも遠慮なく聞かせてください。
自宅サウナの設計や、私たちの自社ブランドKUUTAのこと、サウナ室の設計・施工の進め方は、それぞれのページにまとめています。岩手でのつくりやすさについては自宅サウナは、岩手でこそ、つくりやすい。もあわせてどうぞ。最後に、ひとつだけ聞かせてください。あなたはサウナで、どんな時間を過ごしたいですか。その答えから、いちばんいい形を一緒に探します。ご相談は無料です。
