頭の中がいつもざわついて、気持ちが休まらない。眠ろうとしても、考えごとがぐるぐる回る。張りつめた心には、火と静けさが効きます。今日は、フィンランドのサウナと、ストレスや心の静けさの話をします。眠りにくい夜や、気持ちがささくれ立つ日ほど、体からほどいていく道が助けになります。
ストレスは、体をこわばらせる
心に負担がかかり続けると、体は緊張の側に傾き、肩や呼吸が浅く固くなります。気持ちの張りつめと、体のこわばりは、コインの裏表のようにつながっている。だから、心をゆるめたいときには、まず体をゆるめるのが近道です。フィンランドの人が、つらいことがあった日ほどサウナに向かうのは、体からほどいて心を静める、経験にもとづいた知恵だと言えます。
熱が、力みを抜いてくれる
サウナで全身が温まると、こわばっていた筋肉がゆるみ、呼吸が深くゆっくりになります。すると、張りつめていた神経がやわらぎ、副交感神経が顔を出して、心が落ち着いていく。熱に身をあずけているあいだは、悩みごとをいったん脇に置き、体の感覚だけに意識が向きます。この、考えることから離れる時間そのものが、疲れた心にとっての休息になります。力を抜くことを、体が思い出すのです。呼吸がゆっくり深くなると、心はそれに引かれるように静まります。息を長く吐くほど、体はくつろぎの側へ傾く。熱に身をあずけながらのゆるやかな呼吸は、それだけで小さな瞑想のような時間になります。
静けさが、心を整える
サウナ室は、静けさに満ちた場所です。フィンランドでは、サウナを静かに過ごすことを大切にし、そこを心を鎮めるおごそかな空間として扱ってきました。音も情報も少ない環境で、ただ熱と自分の呼吸に耳をすます。この静けさは、絶えず刺激にさらされている現代の心を、深いところで落ち着かせてくれます。にぎやかさから離れる時間が、心の水面をなめらかにならしていきます。フィンランドには、サウナは心を静めるおごそかな場所で、そこでは声を荒げないという感覚が受け継がれてきました。にぎわいから離れ、熱と静けさに身を置くひとときが、ざわめいた心をなだめてくれます。
気分と、体の変化
温まって整ったあとの、穏やかで満ち足りた気分。この背景には、体の中で起きているさまざまな変化があると考えられています。ハッサインとコーエンが2018年にまとめたサウナ浴の総説でも、心身の緊張がやわらぎ、気分が改善したという報告が紹介されています。気持ちの落ち込みが強く長く続くときは、自分だけで抱え込まず、医師に相談を。サウナは、心をいたわる暮らしの、やさしい一部になります。この総説は、いくつもの研究を見比べたもので、規則的なサウナ浴が心身の緊張をやわらげる方向に働くことを、丁寧に整理しています。
心を静める、入り方の目安
心を落ち着けたい日は、我慢比べにしないことが大切です。やさしい熱に、心地よいと感じる時間だけ身をあずけ、外気や水でゆっくり体を冷まし、休憩で深く呼吸する。この波を、あわてず繰り返す。時間や回数にこだわらず、体が気持ちいいと言う声に従うのが、心をほどく一番の道です。ゆるめて、静まって、また日常へ。サウナは、その橋渡しをしてくれます。時計を気にせず、体が心地よいと言うところで切り上げる。この、自分のものさしで過ごす時間そのものが、はりつめた心を解きほぐしていきます。
心がゆるむ時間を、盛岡から
忙しい毎日の中に、心をまるごとゆるめる時間を持つことは、ぜいたくでありながら、なくてはならないものです。D'STYLEは、ハルビアのサウナヒーターで、家に心が静まる時間をつくる暮らしをご提案しています。一日の終わりに整う暮らしの相談も、店でどうぞ。
写真: Ronald J Scott (Wikimedia Commons, CC BY-SA 4.0)



