「サウナから出たあと、肌がつるんとする」。あの感覚には、ちゃんと理由があります。サウナは、肌にとっての、いちばん優しい洗顔の時間でもあるのです。
こすらない。石けんもいらない。ただ熱に身をあずけて、静かに汗をかく。それだけで、肌はゆっくり生まれ変わっていきます。サウナと美肌の話を、少しさせてください。
汗は、いちばん優しい洗顔料
サウナに座って十数分。じんわりと、汗が湧いてきます。この汗が、実はとても働き者です。毛穴の奥にたまった皮脂、古い角質、外から付いた汚れ。それらを、内側からゆっくりと押し流していきます。
洗顔フォームでゴシゴシやるのとは、まるで違います。指でこすれば、肌の表面はどうしても傷つく。でも汗は、力をひとつも入れずに、毛穴の奥から汚れを溶かし出してくれます。いわば、体温を使ったディープクレンジング。肌をいじめずに、深いところまで届くんです。
内側から、明るくなる
熱が肌にもたらすものは、汗だけではありません。体が温まると、皮膚の血管がひらいて、血のめぐりが良くなる。すると、酸素と栄養が肌のすみずみまで運ばれます。肌が内側から力を取り戻して、少しずつ明るくなっていく。くすみが晴れて、ほんのり血色がのぼる。あの「サウナ上がりの顔」は、めぐりが良くなった証です。
もうひとつ。サウナに入ると、ストレスホルモンのコルチゾールが下がる、という報告があります。このコルチゾール、増えすぎると肌荒れやニキビの引き金になるんです。熱の中で心がほどけると、そのホルモンも静まっていく。心が落ち着けば、肌も落ち着く。案外、そういうものです。

北欧に伝わる、白樺の灰
サウナの本場・北欧には、古くから伝わる美肌の知恵があります。白樺の灰を使う、素朴なスキンケアです。
薪ストーブや焚き火で燃え残った白樺の灰には、カリウムやカルシウムといったミネラルがたっぷり含まれています。これをぬるま湯で溶いて、やわらかなペーストにする。指先にとって、肌にそっとのせ、くるくると円を描く。灰の細かな粒が、古い角質をやさしく取り去ってくれます。
ただし、注意がひとつ。灰は水に溶けると、強いアルカリ性(灰汁)になります。肌の弱い方や、傷・炎症のある肌は避けてください。試すなら、まず腕の内側など目立たない場所で少しだけ。長く置きすぎず、使ったあとはぬるま湯でしっかり洗い流す。これを守れる範囲で、昔ながらの知恵として楽しんでください。
背中や肩など、自分の手が届きにくいところは、家族や仲間と塗り合う。北の国では、これがひとつの儀式でした。裸で向き合って、灰を塗り合って、また熱い部屋へ戻る。肌を整える時間が、いつのまにか、心を通わせる時間にもなっている。灰を使うサウナには、そういうあたたかさがあります。
ただし、ひとつだけ、はっきりお伝えします。使っていいのは、無垢の木を燃やした灰だけです。塗料や防腐処理をした木材、合板を燃やした灰は、絶対に肌へ使わないでください。有害な化学物質が含まれます。灰を使うなら、素性のわかる薪の灰を。ここは、譲れない一線です。
肌のための、入り方のコツ
美肌を目指すなら、ちょっとしたコツがあります。といっても、難しいことは何もありません。
まず、水分。サウナの前と後、そして途中にも、しっかり水を飲んでください。肌のうるおいは、体の水分あってこそです。汗で失った分を、こまめに補います。
メイクは、落としてから入ること。毛穴をひらいた状態でファンデーションが残っていると、かえって汚れを閉じ込めてしまいます。素肌のまま、熱を迎えるのがいちばんです。時間は、15〜20分を目安に。長ければいいというものではありません。汗をかいたら、いったん外へ出て休む。この区切りが、肌にも体にもやさしいリズムをつくります。
出たあとは、ぬるめのシャワーで汗を流します。熱すぎるお湯は、肌に必要なうるおいまで奪ってしまいます。そして、肌がやわらかいうちに、すぐ保湿を。セラミドやヒアルロン酸の入った化粧水やクリームが、ひらいた肌に水分を抱え込ませてくれます。仕上げに冷たい水で顔をひきしめれば、開いた毛穴もきゅっと落ち着く。この一連の流れは、体を冷やす7つの方法とも地続きです。

肌が敏感な人へ
サウナは肌にやさしい時間ですが、すべての人に、同じように、とはいきません。
湿疹やアトピー、酒さ(しゅさ)のある方、もともと肌が敏感な方は、熱と汗が刺激になることがあります。短めの時間から試し、赤みやかゆみが出たら、無理をしないでください。お酒を飲んだあとも、脱水が進みやすく、肌にも体にも負担がかかります。避けるのが賢明です。
スキンケアとの相性にも、ひと言。レチノールやピーリングなど、角質に働きかける成分を使った直後の肌は、とてもデリケートです。サウナの熱と重なると刺激が強くなりすぎるので、しっかり間隔をあけてください。そして、心臓や血圧に持病のある方、妊娠中の方は、美肌より先に、まず安全です。サウナに入る前に、必ず医師に相談してください。
肌は、こすらないほうがいい。
汗にまかせておけば、たいていうまくいくんです。
つるんとした肌は、鏡を見るたびに、ちいさな幸せをくれます。自宅にサウナがあれば、忙しい平日の夜でも、肌をいたわる時間が手に入る。そういう暮らしも、悪くないと思うんです。つくり方は、サウナの設計・施工のページに、暮らしに合わせていくつか。盛岡・国道4号線沿いのショールームでは、白木のサウナ室で、火と熱の心地よさをそのまま体感していただけます。ご相談は無料です。



