サウナヒーターの上に積まれた、ごつごつとした石。ふだんは、あまり目立たない存在です。けれど実は、この石こそが、サウナの心臓部。良いロウリュも、やわらかく体を包む熱も、そのすべては、この石から生まれています。今日は、あまり語られることのない、"サウナストーン"の話を、じっくりとさせてください。
なぜ、ただの石ではいけないのか
サウナストーンの役目は、サウナヒーターの熱をたっぷりと蓄えて、水をかけた瞬間に、力強い蒸気へと一気に変えること。いわば、熱の貯金箱です。だからこそ、蓄熱性が高く、しかも急な温度変化でも割れない、丈夫な石でなければなりません。数百度に熱せられた表面に、冷たい水をかけられる。この、金属でもこたえるような過酷な温度差を、何年も、何万回も、平然と受けとめられる石。それが、サウナストーンなのです。
ここで、ひとつだけ、大切な注意をさせてください。そのへんの川原や庭で拾ってきた石は、絶対に使わないでください。石の内部に閉じ込められた水分が、高温で一気に水蒸気となって膨張し、破裂することがあります。実際に、大きな音とともにはじけ飛ぶ事故も起きています。サウナストーンは、必ず、そのために選ばれ、検査された専用の石を使う。安全で、気持ちのいいロウリュは、この一点から始まります。
サウナストーンの、種類
いちばんの定番は、かんらん岩(オリビン・ダイアベース)に代表される、火成岩です。ハルビアが世界じゅうのサウナに石を供給しているのも、この石の、蓄熱と耐久のバランスが、長い年月と実績で確かめられているから。ごつごつと角ばった不揃いな石は、表面積が大きく、水をかけたときに、蒸気が勢いよく立ちのぼります。いっぽう、丸くつるりと磨かれた化粧石は、見た目が美しく、目に見える仕上げの一段に置くと、ぐっと映えます。荒々しさと、美しさ。その両方を、うまく組み合わせていくのが、腕の見せどころです。
積み方にも、コツがある
石は、ただ乗せればいい、というものではありません。ここが、意外と知られていないところです。大きめの石を下に、小さめの石を上に重ねていく。そして何より大切なのが、ぎゅうぎゅうに詰め込まないこと。石と石のあいだを、熱い空気がすっと通り抜けられるように、適度な隙間をつくって、ふんわりと積んでいく。ぎっしり詰めてしまうと、空気が通らず、ヒーターに熱がこもって、かえって傷める原因にもなります。隙間をつくって組むこと。それこそが、熱をむらなくまわし、あの力強いロウリュを生む、いちばんのコツなのです。(ロウリュそのものの話は、こちらに。)
石は、少しずつ消耗する
毎日、高温と急冷にさらされ続ける石は、目には見えにくいけれど、少しずつ疲れていきます。ひびが入り、割れ、角がとれて、表面がつるつるにやせていく。そうなると、蓄えられる熱の量が落ち、あんなに力強かったロウリュも、どこか弱々しく、こもったものになってしまう。よく使うご家庭なら、一年に一度は、石を全部おろしての積み替えと点検を。傷んだ石を取りのぞき、欠けたぶんを新しい石で足してやる。たったこれだけで、ロウリュが、驚くほど蘇ります。(サウナヒーターそのものの寿命も、実は石で決まります。その話はこちら。)
いい石を、いい積み方で
サウナの気持ちよさは、この目立たない石が、いちばん下で、静かに支えています。私たちD'STYLEは、ハルビア岩手県正規代理店として、お使いのサウナに合った石選びから、正しい積み方、そして季節ごとの点検まで、まるごとご相談に乗っています。あなたのサウナのロウリュを、もう一段、深く。それは、いい石を、いい積み方で、という、足元の一歩から始まります。岩手・盛岡で本物のサウナを、とお考えなら、まずは、その石から、見直してみませんか。



