疲れがたまると食欲が落ちる。冷えるとお腹の調子がいまひとつ。食べることと体の温かさは、思っている以上に結びついています。今日は、フィンランドのサウナと、食欲や胃腸の調子の話をします。気ぜわしい日が続くと、真っ先に弱るのが胃腸だという人は少なくありません。

胃腸は、冷えると動きが鈍る
お腹まわりが冷えると、胃や腸の働きは鈍くなりがちです。消化にはエネルギーと血のめぐりが必要で、体が冷えて全身の緊張が続くと、消化に回る余裕が減ってしまいます。食欲がわかない、お腹が張るといった不調の裏には、冷えと緊張が隠れていることが少なくありません。まず体を芯から温めて、緊張をゆるめることが、胃腸を助ける入り口になります。手足やお腹が冷たいまま食卓につくより、先に体の芯を温めるほうが、胃腸はのびのびと動き出します。
温めると、体は休息の側へ
サウナで全身が温まると、張りつめていた神経がほどけ、体は休息と回復の側へ傾きます。消化がよく働くのは、まさにこの、くつろいでいるときです。フィンランドではサウナのあとに軽く食事や飲みものを楽しむ習慣があり、温まってゆるんだ体は、食べたものを受け入れる準備が整っています。ほどよく温めてから食卓に向かうと、自然と食欲がわいてくるのを感じられます。消化は、体がくつろいで副交感神経が働くときに進みます。張りつめたままでは、せっかくの食事も重く感じられる。温まって力の抜けた体は、食べる準備がおのずと整っているのです。
サウナ飯が、おいしい理由
サウナのあとの食事が格別においしいのは、気のせいではありません。適度に汗をかき、心地よく疲れた体は、水分や塩分、エネルギーを求めています。そこへ届く一杯や一皿は、体がまさに欲しがっているもの。フィンランドの人がサウナのあとにソーセージや温かい飲みものを楽しむのは、理にかなった習慣です。ただし、満腹のままサウナに入るのは体に負担なので、食事は上がったあとに回すのがおすすめです。フィンランドでは、サウナのあとにソーセージを焼き、冷たい飲みものを傾けるのが定番の楽しみです。よく汗をかいた体に塩気と水分がしみわたる、あの満ち足りたひとときは、サウナ好きなら誰もが知る幸せです。
入る前と後の、ちょうどよい間
胃腸をいたわるなら、食事とサウナの間合いが大切です。食べてすぐは消化に血が集まっているので、少し時間を置いてから入る。空腹すぎるのも力が入らないので、軽く何かを口にしておく。上がったあとは、水分を先にとり、体が落ち着いてから食事を楽しむ。この順番を守るだけで、胃腸への負担はぐっと軽くなります。無理のない間合いが、おいしさも健やかさも引き上げます。目安として、食後は三十分ほど間を置いてから入ると、体がらくです。
続けるほど、調子が整う
温めて、ゆるめて、休む。この繰り返しが習慣になると、胃腸の調子も少しずつ安定してきます。ハッサインとコーエンが2018年にまとめたサウナ浴の総説でも、心身がゆるむことによる体調の改善が広く紹介されています。胃腸の不調が続くときは自己判断に頼りすぎず、医師に相談を。そのうえで、体を温めてくつろぐ時間を暮らしに添えることが、食べる楽しみを支えてくれます。この総説では、規則的なサウナ浴で心身がゆるみ、体調が整いやすくなることが幅広く紹介されています。胃腸もまた、くつろぎのなかで本来の働きを取り戻していきます。
おいしく食べる暮らしを、盛岡から
温まった体で、旬のものをおいしく食べる。この幸せは、寒い岩手の暮らしにこそ似合います。D'STYLEは、ハルビアのサウナヒーターで、体を芯から温め、食卓が待ち遠しくなる暮らしをご提案しています。食後の一服やサウナ飯の話も、店でどうぞ。
写真: JP Korpi-Vartiainen (Wikimedia Commons, CC BY-SA 4.0)



