サ飯の旨さについては、さんざん書いてきました(こちら)。今日は、その実務編です。サウナとごはん、どちらを先にするのが正しいのか。満腹で入っていいのか。答えははっきりしています。順番を知っているだけで、サウナも食事も、両方おいしくなる話です。

満腹サウナが、いけない理由
食事の直後、体は消化のために、血液を胃腸へ集めています。ここでサウナに入ると、熱への対応のために、血液は皮膚へと引っぱられる。胃腸に回るはずだった血が足りなくなり、消化は中断、胃はもたれ、気分が悪くなることもあります。せっかくのごちそうも、身になりません。満腹での熱いお風呂が良くないのと同じ理屈で、サウナはさらに負荷が大きい。食後にどうしても入るなら、最低でも2時間、しっかり食べた日は3時間はあけて、胃が落ち着くのを待ってください。
空きっ腹も、実は良くない
では、何も食べずに入ればいいかというと、極端な空腹もおすすめしません。空腹でエネルギーが枯れた状態の発汗は、血糖が下がって、立ちくらみやだるさのもとになります。特に朝いちばんや、昼から何も口にしていない仕事帰りの体は要注意です。お腹が鳴るほど空いているなら、バナナ一本、おにぎり半分、甘い飲み物少しなど、軽いものを入れてから。「腹五分」くらいが、サウナの適正在庫です。
黄金の順番は、サウナが先
というわけで、黄金の時間割は、こうなります。腹五分で、サウナ。ととのって、それからゆっくり、サ飯。この順番には、うまさの理由が三つ重なります。一、空腹に近い体は、汗の出が良く、ととのいやすい。二、サウナ後の五感の冴えた舌で食べる食事は、何倍もうまい。三、食後の眠気とサウナ後の心地よい脱力が合流して、そのまま最高の休息に入れる。夜なら、締めの一杯から就寝への流れも完璧です。逆順、つまり食事のあとにサウナは、消化の中断、重い体、味わいの鈍りと、いいことがありません。(お酒はサウナの後、の話はこちら。)
サ飯が旨いのには、理由がある
サウナ後のごはんが、なぜあれほど旨いのか。理由はいくつも重なっています。たっぷり汗をかいた体は水分と塩分を求めていて、最初の一口の塩気や汁物が、細胞に沁みるように感じられる。深部まで温まったあとの舌と鼻は、香りと味の感度が上がっている。そして何より、ととのって静かになった頭は、目の前の一皿にまっすぐ集中できる。空腹は最高の調味料と言いますが、そこにサウナが加わると、いつもの卵かけごはんさえ、ごちそうに変わります。順番を守るだけで、この小さな魔法が毎回かかるのです。熱いサウナのあとは、冷たいものはより冷たく、温かいものはより温かく感じられます。火照った体に染みる冷えた一杯や、汗をかいた体が求める温かい汁物。その日いちばん食べたかったものを、ととのった舌で、ていねいに味わう。それが、サ飯のいちばん贅沢な楽しみ方です。
休日の理想の午後
モデルケースを描くと、こうです。昼ごはんは軽めに済ませ、午後はのんびり。夕方四時、サウナへ。三往復してととのって、五時半、風呂上がりの格好で食卓へ。天板でことこと煮えていた鍋と、よく冷えた一杯。七時、火のそばでうたた寝。この午後の設計図、自宅サウナがあれば、毎週引けます。(一日の過ごし方の実例は、とある土曜日へ。)
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写真: Pöllö (Wikimedia Commons, CC BY 3.0)



