サウナや薪ストーブの記事は、どうしても理屈が多くなります。効能、選び方、使い方。でも、本当に知りたいのは、「で、実際どんな暮らしになるの?」ではないでしょうか。今日は、理屈をぜんぶ置いて、自宅サウナと薪ストーブのある家の、とある土曜日を、一日の記録ふうに描いてみます。モデルは、盛岡近郊のお客様たちの話を、ひとつに編んだ架空の一日です。暮らしの試着だと思って、読んでみてください。
朝 7:00 / 熾火とコーヒー
目が覚めると、家がもう暖かい。昨夜の熾火が、灰の下でまだ生きているからだ。ストーブの扉を開け、細い薪を数本足すと、種火からすぐに炎が立つ。やかんを天板へ。湯が沸くまでの十五分、窓の外で音もなく降る雪を眺めながら、何も考えない。挽きたてのコーヒーを淹れ、家族が起きてくる前の、静かな一杯。窓ガラスの結露を指でぬぐうと、雪をかぶった庭のサウナ小屋が見える。この時間のために、早起きが好きになった。(冬の朝の話)
午前 10:00 / 薪割りという運動
午前は、薪割りを一時間だけ。斧を振り下ろすと、スパン、と小気味よい音を立てて、ナラの丸太が真っ二つに割れる。この瞬間が、たまらない。汗ばんだところで切り上げて、割った薪を風の通る棚へ、井桁に積んでいく。ジム通いはやめてしまったが、体はむしろ締まってきた気がする。薪割りは、来年の冬の自分への仕送りだ。昼は家族と買い出しへ。夜のサ飯の材料と、地元の炭酸を買い込む。(薪割りの話)
夕方 17:00 / サウナに火が入る
日が傾いたら、庭のサウナ小屋へ。ハルビアのヒーターのスイッチを入れて、部屋が温まるあいだに、脱衣の場所を整え、タオルとリネンを籠に重ねる。ヒーターの石が、しんと熱をためていく。子どもが「今日も入る」と言うので、最初の三十分は家族の時間。温度は低めに、ロウリュは軽めに。あたたかい湯気に包まれて、今日あったことを子どもがぽつぽつ話し出す。この時間が、いちばんの土産話になる。子どもが上がったら、ここからが大人の部です。
夜 19:00 / ロウリュ、雪、星
温度を上げて、一人目のロウリュ。焼けた石に柄杓の水を落とすと、ジュワッという音とともに、熱い蒸気がふわりと降りてくる。肌がびりっと目を覚ます。三セット目の外気浴で、雪の椅子に身を沈めて空を見上げたら、雪雲が切れて、オリオンがくっきり出ていた。湯気の向こうの、冬の星座。吐く息が白い。ああ、今日も生きててよかった、と、大げさでなく思う。(星空外気浴の話)
夜 20:00 / サ飯と、火のそばの夜
ととのった体で食卓へ。今夜は天板でことこと煮込んでおいた、味の染みた大根のおでん。風呂上がりの一杯が、五臓六腑に染みわたる。テレビは消したまま、家族の話し声と、鍋のことこという音だけ。そのあとは、ストーブの前で本を数ページ。オレンジの炎がゆらいで、膝には猫。薪のはぜる音を子守唄に聞いているうちに、気づけば、うたた寝。布団に入って、記憶があるのは三分ほど。翌朝、また熾火から、次の一日が始まる。(サ飯の話)
この一日は、つくれます
特別なことは、何ひとつ起きない一日です。でも、この「何も起きない豊かさ」こそ、忙しい日々のなかで、いちばん手に入りにくいもの。火と蒸気のある暮らしの正体です。そしてこの一日は、夢物語ではなく、設置の日から、あなたのものになります。岩手・盛岡のD'STYLEは、ハルビア岩手県正規代理店として、この土曜日づくりをお手伝いしています。読んで、少しでも「いいな」と思ったなら。その気持ちが、いちばんのご相談の理由です。
写真: allen watkin from London, UK (Wikimedia Commons, CC BY-SA 2.0)



