薪ストーブの暮らしの記事をたくさん書いてきましたが、読みながらこう思った方もいるはずです。「憧れるけど、うちは共働きで、朝の火起こしは無理」。その正直な感覚に、正直な答えがあります。ペレットストーブです。今日は、理屈より実際。共働きのご家庭の、ペレットストーブのある一日を描きます。(ペレットの基本は、こちら。)

朝6:30 / タイマーが火を入れている
起きると、居間はもう暖かい。昨夜セットしたタイマーで、ペレットストーブが自動点火しているからです。着火剤も、マッチも、人間の出番もありません。燃料タンクのペレットが自動でぱらぱらと送られ、設定温度に向けて火力も自動で調整される。朝の支度のあわただしさのなか、火の世話はゼロ。ここが薪ストーブとの最大の違いです。それでいて、窓の向こうでは生きた炎が揺れている。トーストを焼きながら、子どもがぼんやり火を見ている景色は、薪の家とまったく同じです。忙しい朝でも、火のある暮らしはあきらめなくていい、というのがペレットの答えです。
夕方18:00 / 帰宅とともに、火がある
共働きの家の冬のいちばんのつらさは、帰宅時の、冷えきった真っ暗な家です。ペレットストーブなら、タイマーか、機種によっては外出先からのスマートフォン操作で、帰宅の時間に合わせて点火しておけます。玄関を開けたら、もう暖かい。この一点だけでも、導入の値打ちがあると言うご家庭は、とても多いのです。燃料の補給は、十キロ袋のペレットをタンクにざーっと注ぐだけ。薪割りも薪棚も要らず、燃料は袋で買って玄関先や物置に積んでおける。マンションや市街地の住宅でも現実的なのは、この身軽さのおかげです。帰宅して上着も脱がないうちに暖かさに包まれる、あの安心感。冬の疲れて帰る夜に、これがどれほどありがたいか。使い始めた方が口をそろえて言うのが、この帰宅時の一瞬のことです。
夜21:00 / 炎を見ながら、静かな時間
夜は、炎の窓の前が、自然と家族の集まる場所になります。ペレットの炎は薪よりも小ぶりで一定ですが、まぎれもなく生きた火の揺らぎです。テレビを消して火を見る夜、天板(温風式は不可の機種もあります)でのちょっとした保温やお湯わかし。火のある夜のあの効能は、燃料の形が変わっても、ちゃんと生きています。一日の終わりに炎を眺めていると、こわばった気持ちが、ゆっくりほどけていく。就寝前はタイマーをセットして、おやすみなさい。灰の始末も数日に一度、受け皿を空けるだけで、驚くほど手がかかりません。
薪との違いは、正直に
正直な比較もしておきます。ペレットは送風や制御に電気を使うため、停電時はそのままでは動きません(この一点だけは薪ストーブの圧勝です。防災の話)。炎の迫力と輻射の深さ、薪を自分で用意する楽しみも、薪に軍配が上がります。いっぽう、手間の軽さ、自動化、住宅地への収まりのよさは、ペレットの勝ち。どちらが上ということではなく、暮らしのどこに火を置きたいかの違いです。岩手は木質ペレットの産地でもあり、地元の森から生まれた燃料を、地元で燃やす地産地消もできます。(森の循環の話は、こちら。)
両方扱う店の、正直なおすすめ
岩手・盛岡のD'STYLEは、薪ストーブとペレットストーブの両方を扱っています。暮らしぶりをじっくり伺ってから、正直におすすめできます。憧れの薪か、現実のペレットか、いっそ部屋ごとの両刀か。ご相談、いつでもどうぞ。
写真: Mahbub Hasan Mreedul (Wikimedia Commons, CC BY-SA 4.0)



