薪の話をさせてください。うちは祖父の代から薪を商いにしてきた家で、私で三代目です。住田町の山主だった祖父が炭焼きと薪で身を立て、父がそれを引き継ぎ、私は薪ストーブの施工店を開きました。薪のことなら、たぶん岩手でも、かなりしつこい部類に入ります。
ストーブ選びに何ヶ月もかける人は多いのに、薪のことは「あとで考える」になりがちです。順番としては、薪こそ主役です。薪ストーブの性能を最後に決めるのは、炉に入れる一本の薪だからです。三代分の実感を、数字も交えて正直にお話しします。
いい薪の条件は、ひとつだけ
いい薪の条件は、ひとつだけです。よく乾いていること。樹種とか太さとか値段とか、そういうことより先に、まず乾燥なんです。ここを外すと、あとの何を工夫しても、薪は本気を出してくれません。含水率でいえば、20パーセント以下。できれば15パーセント程度。このラインが、薪ストーブの世界で「よく乾いている」とされる目安です。
薪は買うものというより、
「乾かすもの」なんです。
生乾きの薪は、三重に損をする
伐ったばかりの木は、重さの半分ちかくが水です。含水率でいえば、50パーセントを超えることも珍しくありません。これを燃やすと、火の熱がまず、その水を蒸発させるのに使われてしまう。だから部屋は暖まらないし、ガラスは煤ける。おまけに、燃えきらない煙が煙突の中で冷えて、タールになってこびりつく。乾いていない、ただそれだけで、これだけ損をするんです。
とくに怖いのが、この煙突のタールです。これは煙道火災という、煙突の中で起きる火事の、そのまま燃料になります。私は煙突掃除人でもあるので、タールでべっとりの煙突を、毎年たくさん見ます。そのほとんどの原因が、たどっていくと、薪の乾燥不足なんです。
数字で見てみます。水1kgを蒸発させるには、約540kcalの熱が要ります。含水率50%の生木1kgには水が500g入っているので、蒸発だけで約270kcalが消えます。木の部分が持つ熱量から差し引くと、生木1kgから実際に取り出せる熱は、よく乾いた薪の6割ほどに落ちます。暖かくないうえに、危ない。生乾きの薪とは、そういうものです。
薪の暖かさは、重さで決まる
ここで、少し意外な話をします。
木を完全に乾かして(水分ゼロの状態で)1kg燃やしたとき、出てくる熱の量は、ナラでもスギでもほとんど変わりません。1kgあたりおよそ4,400〜4,700kcal。樹種による差は1割もありません。
なぜでしょうか。どんな木も、材料がほぼ同じだからです。木の体はセルロース(繊維)とリグニン(繊維どうしを固める接着剤役)でできていて、その割合は樹種が違ってもだいたい同じ。材料が同じなら、1kgから出る熱も同じです。
では、「ナラは薪の王様、スギは焚き付け」という常識は、まちがいなのでしょうか。
まちがっていません。理由は熱量そのものにはなく、密度にあります。ナラの薪とスギの薪を、同じ大きさで一本ずつ持ち比べてみてください。ナラのほうが、ずっしり重い。同じ体積に、木の実体がぎっしり詰まっているからです。
薪は、重さではなく「かさ」で扱うものです。薪棚一つ、軽トラ一台、一束。だから同じ薪棚を満たしたとき、密度の高い木ほど、そこに蓄えられた熱の総量が多くなります。
| 樹種 | 気乾比重 | 同じ体積あたりの熱量 (kcal/L・目安) | 火持ち | 火つき |
|---|---|---|---|---|
| クヌギ | 0.85 | 約3,740 | ◎ 最長 | △ 遅い |
| カシ | 0.83 | 約3,650 | ◎ 最長 | × 最も遅い |
| ケヤキ | 0.69 | 約3,040 | ◎ 長い | △ 遅い |
| ナラ | 0.68 | 約3,000 | ◎ 長い | △ 遅い |
| サクラ | 0.60 | 約2,640 | ○ 中程度 | ○ 中程度 |
| マツ(アカマツ) | 0.53 | 約2,330 | ○ 中程度 | ○ 中程度 |
| カラマツ | 0.50 | 約2,200 | ○ 中程度 | ○ 中程度 |
| ヒノキ | 0.44 | 約1,940 | △ 短い | ◎ 速い |
| スギ | 0.38 | 約1,670 | △ 短い | ◎ 速い |
※ 同じ体積あたりの熱量は「気乾比重×約4,400kcal/kg」で概算したもの。含水率15%前後を想定。実際の値は個体差があります。
ナラとスギを比べると、同じ体積で約1.8倍の差があります。スギだけで一冬を焚くなら、ナラの倍近い量の薪が要るということです。薪棚が二倍、薪割りも二倍。「ナラは王様」の正体は、この密度でした。
広葉樹と針葉樹、それぞれの個性
広葉樹は「堅木(かたぎ)」と呼ばれ、密度が高く、火持ちが良いのが特徴です。ナラやクヌギなどの広葉樹は、ゆっくり時間をかけて育ちます。細胞の壁が厚く、身の詰まった材になります。
一方の針葉樹は「軟木(やわぎ)」。スギやヒノキは、まっすぐ速く育つ木です。細胞の壁は薄く、軽い材になります。密度が低いぶん、広葉樹より早く燃え尽きます。ただし着火性がよく、焚き付けにはむしろ向いています。針葉樹にはヤニ(樹脂)という個性もあります。ヤニは油の仲間なのでよく燃えて、火つきの良さに拍車をかけます。
「薪ストーブで針葉樹を燃やしてはいけない」と思っている方は、案外多いんです。しっかり乾燥させて、温度を見ながら焚けば、針葉樹と広葉樹を混ぜて使っても大丈夫です。焚き付けに針葉樹、本番に広葉樹、と使い分けるのが理想です。岩手はスギの間伐材が豊富な土地ですから、これを上手に活かせるのは、大きな強みです。
| 樹種 | 発熱量 22㎥/kcal | 灯油換算 (L) | 成長 | 火力 | 割り やすさ | 着火性 | 炭化 しやすさ | 火の粉 | 香り | 煙 | 適正 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| リンゴ | 13,247,915 | 903 | ▲ | ◎ | ◎ | ▲ | ◎ | 少ない | ◎ | 少ない | 最高 |
| ナラ | 12,594,868 | 858 | ▲ | ◎ | ◎ | ○ | ◎ | 中間 | ○ | 中間 | 最高 |
| ブナ | 12,095,512 | 821 | ▲ | ◎ | ○ | ○ | ◎ | 多い | ▲ | 多い | 最高 |
| カシ | 11,818,092 | 803 | ▲ | ◎ | ◎ | ○ | ◎ | 少ない | ◎ | 少ない | 最高 |
| シラカバ | 10,486,476 | 714 | ▲ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | 中間 | ○ | 中間 | 最高 |
| サクラ | 10,414,347 | 707 | ○ | ◎ | ◎ | ▲ | ◎ | 多い | ◎ | 少ない | 最高 |
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| 樹種 | 発熱量 22㎥/kcal | 灯油換算 (L) | 成長 | 火力 | 割り やすさ | 着火性 | 炭化 しやすさ | 火の粉 | 香り | 煙 | 適正 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| モミ | 7,490,340 | 511 | ▲ | ▲ | ◎ | ◎ | ▲ | 中間 | ○ | 中間 | 焚き付け用 |
| アカマツ | 7,082,533 | 481 | ◎ | ▲ | ○ | ◎ | ▲ | 中間 | 多い | 中間 | 焚き付け用 |
| スギ | 6,935,500 | 470 | ◎ | ▲ | ◎ | ○ | ▲ | 中間 | 中間 | 中間 | 焚き付け用 |
| カラマツ | 6,670,286 | 455 | ◎ | ▲ | ○ | ◎ | ▲ | 中間 | ◎ | 多い | 焚き付け用 |
| ヒノキ | 6,658,080 | 451 | ▲ | ▲ | ○ | ◎ | ▲ | 中間 | ◎ | 多い | 焚き付け用 |
| ツガ | 6,259,705 | 426 | ○ | ▲ | ◎ | ◎ | ▲ | 中間 | ◎ | 多い | 焚き付け用 |
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出典:U.S.D.A 資料 #559.753 / ◎ 良い・○ 普通・▲ やや劣る
含水率:薪の中の、見えない水
含水率とは、薪の重さのうち、水が占める割合のことです。伐ったばかりの生木の含水率は50〜60%。生木の重さの半分以上は水です。
想像してみてください。生木の薪1kgを炉にくべることは、木500gと一緒に、500mlのペットボトル1本分の水を炉に注ぎ込むことと同じです。火の熱はまずその水と戦わなくてはなりません。
木の中の水には、二種類あります。一つは、細胞と細胞のすき間にたまっている自由水。これはわりあい素直に抜けていきます。割った薪が最初の数ヶ月でぐんぐん軽くなるのは、この水が抜けている時期です。
もう一つは、細胞の壁そのものにしみ込んだ結合水。こちらはなかなか出てきません。含水率が30%を切ったあたり(繊維飽和点と呼ばれます)から乾燥のペースはぐっと落ち、ここから20%以下まで持っていくのに時間がかかります。薪の乾燥に年単位が要る理由は、この結合水です。

なぜ「二年」なのか
「薪は1〜2年乾かせ」と言われます。その根拠を、うちの実測でお話しします。
ナラやサクラを割ったばかりの含水率は、だいたい28パーセント前後です。これを、風の通る薪棚で二年乾かすと、18パーセントあたりまで下がります。薪ストーブ業界で「よく乾いている」とされる目安は、おおむね含水率20パーセント以下です。うちの二年ものは、そこをきちんと下回ってきます。
広葉樹の薪(ナラ、クヌギ、カシ、サクラなど)は密度が高く、乾燥に時間がかかります。針葉樹(スギ、ヒノキ、マツなど)は比較的早く乾燥しますが、それでも半年から1年は見ておきたい。
| 樹種 | 自然乾燥の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| ナラ・クヌギ | 1.5〜2年 | 密度が高く、水が抜けにくい |
| サクラ・ケヤキ | 1〜1.5年 | ナラより早いが、じゅうぶんに |
| カラマツ | 1〜1.5年 | ヤニが多いので長めに |
| スギ・ヒノキ | 6ヶ月〜1年 | 軽いので乾きやすい |
※ 岩手の気候で、風通しのよい薪棚に積んだ場合の目安です。割る太さと置き場所で変わります。
ノルウェーでは「来年の冬の薪を今年の秋に割る」という習慣があります。少なくとも1年先を見越して準備する。薪の暮らしは、いつも一年、二年先を見て、動くことになります。今年割った薪は、再来年の冬の主役です。
含水率の、正しい測り方
「うちの薪、ちゃんと乾いてるかな」と思ったら、ぜひ測ってみてください。ホームセンターで、安い木材用の水分計が手に入ります。数千円のもので十分です。
ただし、測り方にコツがあります。薪の表面に当てても、あまり意味がありません。表面は、空気にさらされて先に乾いてしまうからです。
正しいやり方はこうです。出来上がった薪を、斧で半分に割ってください。そして、割った断面の内側に、水分計のピンを当てます。表面ではなく中心。ここが、その薪の本当の含水率です。
この一手間をやるかどうかで、「乾いていると思っていたのに、実は生乾きだった」という失敗がなくなります。買った薪でも、自分で作った薪でも、一度試してみてください。数字で見えると、乾き具合が急に面白くなりますよ。
目で見る・耳で聞く見分け方
水分計がなくても、目と耳と手で、乾き具合はある程度分かります。お店やネットで薪を買うときは、ここを見てください。
①持って軽いこと。同じ大きさなら、軽いほうが乾いています。水分が抜けたぶん、単純に軽くなります。
②木口(切り口)にヒビが放射状に入っていること。乾くと木は、中心に向かって割れてきます。
③薪同士を叩くと「カーン」と高い音がすること。生木は「ゴッ」と鈍い音です。乾いた木は、中が詰まっていないぶん、よく響きます。
④皮が浮いて剥がれかけているのも、よく乾いたサインです。
この四つを覚えておけば、まず外しません。そして、迷ったら最後は水分計。割って、中心を測る。これがいちばん確実です。

乾かし方の実際
薪づくりの基本は、単純です。割って、風の通る場所に積んで、雨をよけて、待つ。
コツは「早く割る」こと。丸太のままでは、木はなかなか乾きません。割って断面を空気にさらして、はじめて乾燥が始まります。丸太のまま置かず、割ってから乾かすのは、水の出口を増やすためです。木の水分は木口(切り口)と割った断面から抜けていくので、細かく割るほど早く乾きます。
保管の作法は、三つ。地面から少し浮かせて湿気を絶つこと(パレットや角材の上に積む)。雨と雪は上だけ防いで、横は風を通すこと。密閉すると湿気がこもって乾きにくくなります。家の壁にぴったり付けすぎないこと。これは安全と通気のための作法です。
日当たりと風通しのよい場所が理想です。南向きの壁際なら、日差しが乾燥を進めてくれます。木口を風上に向けると、乾きがさらに早まります。岩手の気候では、冬の間に積もる雪を考えると薪小屋があると管理が楽です。
薪棚という、美しい時計
薪ストーブの家を訪ねると、私たちはつい、庭の薪棚に目が行きます。びっしりと整然と積まれた、薪の壁。木口が揃って、こんがりと日に焼けて、上には雪よけの板。ああ、いい薪棚だなあ、と、しばらく眺めてしまう。薪棚は、燃料置き場である前に、庭でいちばん人柄の出る場所です。
木口の色も、表情豊かです。割りたての白、ひと夏越したベージュ、二年ものの銀灰色。棚の列ごとに色が違うのは、そのまま時間の地層。薪棚は、来年と再来年の暖かさが、目に見える形で貯金されている場所なのです。
薪の積み方には、お国柄も出ます。ドイツやスイスには、薪を大きな円形に積み上げる「ホルツハウゼン(薪の家)」という伝統があります。木口を外へ、少し内側に傾けて円く積み、真ん中に端材を立てて詰めていく。崩れにくく、雨を弾き、乾きもよく、何より美しい。ノルウェーの作家ラーシュ・ミッティングが2011年に著した薪の本は、積み方や乾かし方を語り尽くして、北欧で記録的なベストセラーになりました。雪国の民は、薪を積むという地味な仕事に、誇りと遊び心を注いできたのです。

美学と実用は、薪棚では、同じ方を向いています。整然と積もうとすると、自然と、風の通る積み方になっている。美しさと実用が一致するところが、薪棚のいいところです。
雪の朝の薪棚は、格別です。白い帽子をかぶった薪の壁から、今日の分を数本抜いて、雪を払い、家へ運ぶ。棚に空いた小さな穴は、今日も火を焚いた印。春までに穴は少しずつ横へ広がって、やがて空になった棚に、また新しい薪が積まれる。薪棚は、その一年の、静かな時計です。
虫がいる薪は、生きてきた薪
薪ストーブを始めた方から、そっと寄せられるご相談があります。「薪に、虫がいるんですけど」。わかります。樹皮をめくったら白い幼虫、割ったら小さな穴の迷路。先に安心を一つ。薪の虫は、家を食べにきた敵ではありません。
薪でよく会うのは、カミキリムシの幼虫(通称テッポウムシ)、キクイムシの仲間、樹皮の下で冬を越すダンゴムシやクモ、ときにアリたちです。彼らは伐られた木や弱った木を食べて土に還す、森の分解係。虫がいるのはむしろ、農薬にも防腐剤にも汚れていない、生きた森から来た薪の証拠です。虫食いの穴が多い薪も、火力そのものは立派なものです。よく燃えて、暖かい。
いちばん気になるのは「この虫が家の柱を食べ始めるのでは」という点だと思います。はっきり安心してください。薪に来る虫たちの住まいは「まだ湿り気の残る、樹皮つきの丸太」であって、しっかり乾いて削られた建材の柱ではありません。すみかにする木の状態が、そもそも違うのです。
実用のルールは三つ。一つ、薪は使う分だけ、焚く当日に運び込む。室内で何日も寝かせると、暖かさで虫が春と勘違いして起きてきます。二つ、運ぶ前にコンコンと打ち付けて、樹皮の隙間の住人にお引き取りいただく。三つ、室内ストッカーは床を汚さないトレー付きにして、ときどき空にして掃除する。この三つで、同居トラブルはほぼ起きません。
薪棚側の予防もあります。地面に直置きせず、床を上げて風を通す。これは乾燥のためでもあり、湿った木を好む虫たちにとって居心地を悪くする効果もあります。よく乾いた薪は、虫にとって魅力の少ない住まいです。乾かすほど、燃えも良くなり、虫も減る。薪づくりの基本は、そのまま虫対策の基本でもあるのです。
薪の入手方法
薪は、私たちのようなストーブ販売店で購入できます。そのほか、森林組合からも手に入ります。じつは、剪定や伐採で出た木材の処分に困っている方から、譲ってもらえることもあります。近年は、自治体が街路樹の伐採などで出た木材を、希望者に配っているケースも。地域の広報は、要チェックです。
- 購入先のストーブ店から購入する
- 薪の販売業者から購入する
- 森林組合から購入する
- 果樹園に聞く … 剪定木を譲ってもらえるかも
- 山の地主さんに聞く … 間伐材を譲ってもらえるかも
- 新築工事現場に聞く … 建築端材を譲ってもらえるかも
薪、売ってます
D'STYLEは、よく乾かした広葉樹の薪を、岩手・盛岡を中心にお届けしています。うちの本業は薪ストーブです。盛岡・国道4号線沿いのショールームで、毎日、火と熱に向き合っています。その店が、自分たちで使うのと同じ基準で選んだ薪を売る。火を仕事にしている以上、乾きだけは譲れません。

原木の販売もしています。手に入れて、割って、積んで、乾かす。自分で積み上げたひと冬分の薪の山は、買ってきた薪を並べるのとは、やっぱりちょっと気分が違います。薪割り機のレンタルもあります。量がまとまってくると、機械の力はやっぱり助かります。

他店で導入したストーブで焚く薪のご相談も、もちろん大歓迎です。薪のことは、三代目に聞いてください。樹種・量・配達のご相談は、お電話で。TEL 019-681-2477(9:00〜17:00/定休日:毎週水曜日)。詳しくは薪販売のページをどうぞ。

よくある質問
Q. 一年しか乾かしていない薪は、使えませんか
まったく使えないわけではありません。ただ、含水率20パーセントの壁を確実に切りたいなら、二年見ておくと安心です。急ぎで使う場合は、細めに割って表面積を増やすと乾きが早まります。冬に伐採した木は翌冬には含水率が下がりやすいとされますが、夏に伐採した木は1年では不十分なことがあります。含水率計で確認してから使うと確実です。
Q. 水分計は、どこで買えますか
ホームセンターで、木材用の水分計として手に入ります。1,500円程度から購入できます。割った断面の内側に当てるのを、忘れないでください。
Q. 薪棚は、どんな場所がいいですか
風がよく通り、雨がかからない場所です。屋根はかまいませんが、側面は開けておいてください。地面から浮かせて、家の壁にぴったり付けない。空気が動かないと、いつまでも乾きません。南向きが理想です。
Q. 買った薪が、生乾きだったらどうすればいいですか
すぐには使わず、風通しのいい場所に積み直して、追加で乾かしてください。含水率を測って、20パーセントを切ってから使うのが安全です。「乾燥薪」「乾燥済み」と書いてあっても、実際に含水率を測っているかどうかは販売業者によって異なります。信頼できる地元の薪販売業者を見つけることが大切です。
Q. 針葉樹を薪ストーブで燃やしても大丈夫ですか
大丈夫です。しっかり乾燥させて、温度を見ながら焚けば問題ありません。焚き付けには、むしろ針葉樹が向いています。広葉樹と混ぜて使うのが基本です。アグニのように針葉樹を主燃料として焚けるよう設計された国産ストーブもあります。
Q. 薪に虫がいます。家の柱は大丈夫ですか
大丈夫です。薪の虫は湿った樹皮つきの丸太が住まいであって、乾いた建材には移り住みません。焚く当日に運び込み、コンコンと叩いてから室内へ。この習慣で、虫のトラブルはほぼ起きません。
Q. 薪割りを体験できますか
うちでは年に数回、薪割りイベントをやっています。丸太を囲んで、玉切りして、割って、積む。斧が「スパン」と入ったときの手ごたえは、一度やると、癖になりますよ。薪ストーブをお使いの方も、これからの方も、大歓迎です。
薪を集めるのも、火のある暮らしの、
楽しみのひとつです。


