乾いた季節になると、のどがいがらっぽい。人と話す仕事で、夕方には声がかすれる。のどと声は、湿り気とめぐりに支えられています。今日は、フィンランドのサウナと、のどや声の話をします。歌を愛する国ならではの視点です。声を仕事にする人ほど、のどをうるおし休ませる時間の値打ちを、よく知っています。
のどは、乾燥に弱い
のどの粘膜は、うるおっているときに本来の力を発揮します。空気が乾くと粘膜も乾き、いがらっぽさや声のかすれにつながる。冬の暖房のきいた部屋や、長く話し続けたあとに、のどがつらくなるのはこのためです。うるおいを保ち、めぐりを良くすることが、のどをいたわる基本になります。乾いたのどには、温かく湿った空気が、なによりの慰めになります。暖房のきいた部屋は暖かくても空気が乾きがちで、のどには思いのほかこたえます。温もりに湿り気が添うことが、のどのやすらぎには欠かせません。
湿ったロウリュの空気が、やさしい
フィンランドのサウナの魅力は、熱い石に水をかけて立ちのぼる、湿り気のある蒸気です。このロウリュの空気は、乾いていた鼻やのどをやわらかくつつみ、粘膜にうるおいを届けてくれます。息を深く吸い込むと、温かい湿気がのどの奥までゆきわたり、こわばっていた感じがほどけていく。乾燥した冬に、湿ったサウナの空気がのどにここちよいのは、フィンランドの人が古くから知っていたことです。ロウリュとは、熱した石に水をかけて立てる蒸気のこと。この一瞬で室内の湿り気が増し、乾いた息がやわらかくなります。冬の乾ききった空気のなかで、この湿った熱は、乾いていたのどをそっとうるおしてくれます。
熱すぎる息は、吸い込みすぎない
心地よい湿気の一方で、熱く乾いた空気を強く吸い込みすぎるのは、のどにやさしくありません。サウナでは、口ではなく鼻からゆっくり呼吸すると、空気が温まり、湿り気を含んでからのどに届きます。熱いと感じたら、姿勢を低くして、少し涼しい空気を選ぶ。無理をせず、心地よい範囲で呼吸することが、のどをいたわるこつです。うるおいは、やさしい呼吸から生まれます。鼻で息をすると、空気は鼻の奥を通るあいだに温められ、ほどよく湿ります。のどをいたわりたい日ほど、鼻からの静かな呼吸が助けになります。
歌う国の、のどの休め方
フィンランドは、合唱の盛んな、歌を愛する国です。人々は暮らしの中で声を使い、そしてサウナで体とのどを休めてきました。声をよく使う人にとって、温かく湿った空気の中でのどをゆるめ、力を抜く時間は、大切な回復のひとときです。話し疲れ、歌い疲れたのどを、蒸気の中でそっといたわる。うるおいと休息が、翌日のなめらかな声を支えてくれます。フィンランドには合唱の伝統が深く根づき、村ごとに歌の集いがあるほどです。声をよく使う暮らしのそばに、のどを休めるサウナがあったことは、偶然ではないように思えます。
うるおいを、上がったあとも
サウナでのどがうるおったら、その心地よさを長持ちさせたいものです。上がったあとは、水分をしっかりとって、体の内側からも潤す。乾いた部屋では、湿度を保つ工夫も助けになります。のどの痛みや声のかすれが長く続くときは、我慢せず医師に相談を。そのうえで、湿った温かい空気にのどをあずける習慣は、乾く季節のこころ強い味方になってくれます。話し声を張り上げず、のどをいたわりながら過ごす日を、ときにはつくってあげる。休ませることも、うるおいと同じくらい、のどへのやさしさになります。
うるおう時間を、盛岡から
空気の乾く岩手の冬は、のどにも声にもいたわりのいる季節です。D'STYLEは、ハルビアのサウナヒーターで、湿ったロウリュの蒸気に包まれる暮らしをご提案しています。ロウリュのやわらかな湿気を、家で味わう相談も、店でどうぞ。
写真: epSos.de (Wikimedia Commons, CC BY 2.0)



