サウナで火照った体を外気にさらしながら、目の前で焚き火がゆらめいている。熱い蒸気と、外の焚き火。二つの火に挟まれて過ごす時間は、なんとも贅沢なものです。フィンランドでも、サウナと焚き火は相性のよい組み合わせです。どちらも、人の心を古くから慰めてきた火です。今日は、サウナと焚き火を一緒に楽しむ話をします。

二つの火の、心地よさ
サウナは蒸気の熱、焚き火は炎の熱。同じ火でも、その心地よさはまったく違います。サウナで体の芯まで温まり、外へ出て焚き火のそばに座る。今度は炎が、正面から体を穏やかにあぶってくれます。外気で冷えかけた肌に、焚き火のぬくもりがじんわり届く。この温度のグラデーションが、なんとも言えず心地よいのです。熱い蒸気と、涼しい外気と、やわらかな炎の熱。三つの温度のあいだを行き来しながら、体はどこまでもゆるんでいきます。熱と涼のあいだにある、この炎のぬくもりが、絶妙な橋渡しをしてくれます。
炎を眺める、無心の時間
焚き火の一番の魅力は、炎を眺めていられることです。ゆらめく炎、はぜる薪、ぱちぱちと立ちのぼる火の粉。同じ形は一瞬もなく、いつまで見ていても飽きません。焚き火をぼんやり見つめていると、頭の中の考えごとが少しずつ止まり、心が静かになっていきます。サウナで整えた心を、焚き火の炎がさらに深く鎮めてくれる。火を見つめる時間は、人が大昔から続けてきた、いちばん素朴なくつろぎです。サウナのあとにこの時間があると、整いはいっそう深くなります。
火の音、薪の香り
焚き火は、目だけでなく、耳と鼻も楽しませてくれます。薪のはぜるぱちぱちという音、炎のゆらぐかすかな音。そして、薪の燃える香ばしい匂いが、あたりにただよいます。この煙の香りは、どこか懐かしく、心を落ち着けてくれます。サウナの木の香りとはまた違う、火と煙の匂いです。外気浴で目を閉じ、火の音を聴き、薪の香りを吸い込む。五感がすべて満たされていく感覚は、焚き火があってこそ味わえるもの。サウナと焚き火は、五感で楽しむ時間を、いっそう豊かにしてくれます。
火を囲んで、人と過ごす
焚き火には、人を引き寄せる力があります。サウナで温まった人たちが、自然と焚き火のまわりに集まってきます。炎を囲んで座ると、不思議と言葉が少なくてすみ、沈黙も心地よくなります。温かい飲みものを手に、火を見つめながらぽつりぽつりと話す。あるいは、ただ黙って炎を眺める。サウナと焚き火のある夜は、人と人との距離を、ほどよく近づけてくれます。火を囲むという、大昔から変わらない過ごし方が、そこにあります。言葉が少なくても、同じ火を見ているだけで、心が通い合う気がします。忘れがたい夜になります。
安全に、火と付き合う
焚き火を楽しむには、火の扱いに気を配ることが欠かせません。まわりに燃えやすいものを置かず、風の強い日は無理をしない。水やバケツを近くに用意しておくと安心です。そして、その場を離れるときや寝る前には、火を必ず消しきること。燃え残りがないか、しっかり確かめます。地域によっては、屋外での焚き火に決まりがある場合もあるので、事前に確かめておきます。安全への心づかいがあってこそ、火のある時間を、心から楽しめます。
火のある時間を、暮らしのそばに
サウナの蒸気と、焚き火の炎。二つの火に囲まれて過ごす時間は、体も心も深くほどいてくれます。火のある暮らしは、四季のはっきりした岩手によく似合います。岩手・盛岡のD'STYLEは、ハルビアのサウナヒーターや薪ストーブで、火と蒸気のある暮らしをお手伝いしています。火を楽しむ暮らしの話も、店でどうぞ。
写真: Petrusarif (Wikimedia Commons, CC BY-SA 4.0)



