「サウナ、自分で作れませんか」。DIY好きの方から、よくいただく相談です。答えは、半分イエスで、半分ノー。DIYシリーズ(こちらから)でも触れてきましたが、今日はサウナに絞って、自分でやっていい所と、プロに任せるべき所の線引きを、はっきりお伝えします。熱意に水を差すためではなく、熱意を安全に完走させるためです。

任せるべき三領域 / 電気・煙突・防火
まず、越えてはいけない線から。第一に、電気工事。サウナヒーターは大きな電力を扱う機器で、専用回路の工事は電気工事士の資格が法律で必要な領域です。ここのDIYは違法であり、火災と感電に直結します。第二に、薪ストーブの煙突。貫通部の防火処理と離隔距離は、経験と部材の知識がものを言う世界で、素人施工の火災事例が後を絶ちません。第三に、防火の設計全般。熱源まわりの離隔、不燃材、換気。ここは「動けばいい」ではなく「何十年安全か」の領域です。この三つは、費用を惜しむ場所ではありません。(煙道火災の怖さは、こちら。)
楽しんでいい領域は、たくさんある
逆に、DIYの腕の見せどころも、ちゃんとあります。外気浴デッキと目隠しの塀。外気浴の椅子やサイドテーブルの製作。小屋までのアプローチの敷石。脱衣スペースの棚とフック。薪棚は、DIYの王道です。小屋そのものも、キット品を土台から組む「セルフビルド寄りの製品」なら、熱源と電気だけプロに任せる形で、組み立ての達成感を味わえます。手をかけた部分が多いほど、サウナへの愛着は深くなる。これはDIY派の特権です。(薪棚の話は、こちら。)
手をかけるほど、好きになる
自分で作ったものには、不思議と愛着がわきます。手間をかけたものほど価値を高く感じてしまうのは、人の心のおもしろいところ。既製品をぽんと置くのと、休日に汗をかいて組み上げるのとでは、同じデッキでも、その後の眺め方がまるで違います。木のわずかな反りも、少し曲がった釘の跡も、「あのとき苦労したな」という思い出ごと、風景になじんでいく。子どもと一緒に塗った塀、家族で運んだ敷石。作る過程そのものが、あなたのサウナの物語の第一章になります。これは、お金では買えない、DIY派だけのごほうびです。
賢いのは、ハイブリッド
おすすめの進め方は、ハイブリッドです。計画段階で一度プロに相談し、「ここは自分でやりたい」を伝える。私たちは、DIYの余地を残した設計と、任せどころの見積もりでお応えします。実際、デッキと外構は施主さん、熱源と小屋は当店、という組み合わせのお宅はたくさんあります。全部買うより安く、全部自作より安全で、達成感は残る。三方よしの形です。
道具を、少しずつ育てる
DIYの楽しみは、道具とともに深まります。最初は、電動ドライバーと、のこぎり、水平を見る道具があれば十分です。薪棚づくりから始めて、外気浴の椅子、サイドテーブルと、作れるものを一つずつ増やしていく。うまくいかない日もありますが、失敗した棚の一つや二つは、あとで笑い話の種になります。大事なのは、上達を急がないこと。木と対話しながら、季節をかけてゆっくり作る。その歩みは、薪を一年半かけて乾かし、火を辛抱強く育てる時間の流れと、どこかよく似ています。焦らない人ほど、味のあるいいものを作るのです。
熱意ごと、ご相談ください
岩手・盛岡のD'STYLEは、ハルビア岩手県正規代理店として、DIY派のお客様との共同作業を歓迎しています。図面の落書きと夢を持って、店へどうぞ。危ない所だけは、私たちが引き受けます。それ以外は、あなたの腕の見せどころです。
写真: AleWi (Wikimedia Commons, CC BY-SA 4.0)



