家庭用サウナを調べはじめると、必ず出会うのが「遠赤外線サウナ」です。低温で入りやすい、電源につなぐだけ、価格も手頃。いっぽう私たちが主に扱うのは、石を熱してロウリュをする、フィンランド式のサウナ。お客様から「どっちがいいの?」とよく聞かれるので、今日は、この二つの違いを、売る側の都合抜きで、正直に書きます。

遠赤外線サウナの、仕組みと長所
遠赤外線サウナは、パネル型の電気ヒーターが放つ遠赤外線で、空気ではなく体を直接温める方式です。遠赤外線は、炭火や薪ストーブの輻射熱と同じ仲間の、体の芯まで届きやすい波長の熱。室温は五十〜六十度ほどと低めなのに、体の内側はじんわり温まって、汗はしっかり出ます。息苦しさが少なく、高温が苦手な方や年配の方にも入りやすい。工事も比較的手軽で、電源につなぐだけで使えるボックス型の完成品も多い。「毎日、気軽に汗をかく箱」としては、本当によくできた道具です。これは、掛け値なしの事実です。
決定的な違いは、ロウリュと蒸気
では、何が違うのか。決定的なのは、石と蒸気がないことです。遠赤外線サウナには熱した石がないので、ロウリュができません。ということは、あの「ジュワッ」という音も、天井から降りてくる蒸気の波も、湿度を自分で操る楽しみも、白樺やアロマの香る熱も、そこにはない。フィンランド式のサウナ体験の核心は、実はこの蒸気の側にあります。乾いた低温でじっと汗を待つ時間と、石に水を打って一気に熱を呼び込む時間。同じ「サウナ」の名前でも、体験としては別の乗り物なのです。どちらが上という話ではなく、味わうものが違う、と考えてください。(ロウリュの話はこちら、石の話はこちら。)
体への働きは、どちらも汗
健康の面でも、少し整理しておきましょう。どちらの方式でも、体を温めて汗を流し、血のめぐりを促し、湯上がりのような心地よさを得る、という基本は同じです。違うのは、そこへ至る道のり。フィンランド式は高い室温と蒸気で一気に温め、水風呂と外気浴の落差でととのいへ導く。遠赤外線は低温でゆっくり、負担を抑えて温める。激しい温冷の刺激を求めるか、穏やかに汗をかきたいか。体調や好みで選べるのが、家庭用サウナの今のいいところです。どちらを選んでも、水分補給と休息をきちんととる、その基本だけは変わりません。そして、どちらを選んでも、温まったあとの休息の時間こそが、体を整えるいちばんの本番です。急がず横になって、呼吸が落ち着くのを待つ。この過ごし方だけは、方式にかかわらず大切にしてください。
続けやすさという、いちばんの物差し
もうひとつ、忘れてはいけない物差しがあります。続けやすさです。どんなに良いサウナも、使わなくなってしまえば、ただの箱。だから選ぶときは、格好よさや理屈より「自分と家族が、無理なく毎週使えるか」を、いちばん上に置いてください。夜に短く汗をかいてすぐ休みたい人と、休日に時間をかけてじっくりととのいたい人とでは、心地よい一台が違います。暮らしのリズム、入る頻度、家族の顔ぶれ。その人の日常にすっとなじむ方を選べば、サウナは長く続く習慣になります。選び方の主役は、道具ではなく、あなたの暮らしです。
迷ったら、両方の話を聞きに
岩手・盛岡のD'STYLEは、ハルビア岩手県正規代理店として、フィンランド式サウナの設置を専門にしていますが、ご相談では遠赤外線も含めて、暮らしに合う正直な答えをお話しします。合わない買い物をしてほしくないからです。おすすめは、その方の「好き」を聞いてから。どうぞ気軽に、話しにいらしてください。
写真: User:Jokitorni (Wikimedia Commons, CC BY-SA 3.0)



