関東から岩手に越してきた方が、最初の冬に必ず口にする言葉があります。「寒さの質が違う」。そうなのです。北東北の寒さは、関東の寒さの延長線上にはありません。そして、この違いは、暖房の選び方と、サウナ室の作り方を、根本から変えます。今日は、当店の商売の核心にある話を、数字から正直に書きます。
数字で見る、別物の冬
東京の真冬、一月の最低気温の平年値はおよそ1〜2度。氷点下になる日のほうが少なく、日中は10度近くまで上がります。いっぽう盛岡の一月は、最低気温の平年値が氷点下6度前後。日中も氷点下のままの「真冬日」が続き、放射冷却の朝は氷点下10度を下回ります。さらに盛岡市の薮川は、氷点下35度を記録した本州の最低気温の地(岩洞湖の話)。つまり東京の「寒い日」は、岩手の「暖かい日」です。寒さの底が10度以上違う土地では、道具の前提が変わって当然なのです。
だから、薪ストーブは「実用」になる
関東で薪ストーブは、雰囲気の道具と見られがちです。岩手では、話が違います。氷点下の日が何か月も続く土地では、家全体を芯から暖める輻射熱の実力(こちら)と、停電時に電気なしで焚ける安心(こちら)が、そのまま生活の基盤になります。エアコン暖房は外気が下がるほど効率が落ちる方式ですから、真冬日の連続する土地でこそ、火の暖房の出番が増える。岩手で薪ストーブが「実用品」として選ばれ続けるのは、趣味嗜好ではなく、気候の必然です。
サウナ室は「保温の箱」。寒いほど、差が出ます
サウナ室の本質は、90度の熱を保つ保温の箱です。箱の外が5度なのか、氷点下10度なのかで、箱に求められる性能はまるで違います。関東の気候を前提に作られた安価なサウナ室を岩手の庭に置くと、何が起きるか。まず、立ち上がりが遅い。外気に熱を奪われ続け、設定温度まで届かない、届いても薪や電気を余計に食う。次に、凍結。水まわりの配管、ドアの結露の凍りつき、床下の吸気口の雪。そして、雪荷重と凍上。屋根に積もる湿った雪の重さ、地面の凍結が基礎を持ち上げる力。どれも、関東の設計思想には入っていない敵です。
岩手仕様で考えるべき、五つの観点
買う前に確認すべき観点を挙げます。一、断熱の厚みと施工が寒冷地の外気を前提にしているか。二、屋根が雪の重さと雪解け水を前提にしているか。三、基礎と据え付けが凍上を考えているか。四、水まわりの凍結対策と冬の水抜きのしやすさ。五、真冬でも実用的な時間で温まる熱源の容量か。カタログの「対応温度」の一行だけでは、この五つは読み取れません。展示場で「真冬に使えますか」ではなく「氷点下10度の朝でも使えますか」と聞いてください。答えの具体性で、その店の寒冷地経験が分かります。(KUUTAが岩手の冬から逆算して生まれた話は、こちら。)
寒い土地の店に、聞いてください
関東仕様が悪いのではありません。関東ではそれで十分なのです。ただ、岩手の冬は別物で、別物には別物の答えがいる。それだけの話です。岩手・盛岡のD'STYLEは、この寒さの中で暮らし、設置し、メンテナンスしてきた店として、寒冷地の答えをご提案します。ハルビア岩手県正規代理店として、熱源の容量選びも岩手基準で。氷点下の朝にも、気持ちよく蒸気の上がるサウナを。ご相談、いつでもどうぞ。



