絵本の火の話(こちら)の大人版として、今日は名画の中の火の話をします。美術に詳しくなくて大丈夫。「画家たちは、なぜこんなに火と灯りを描いたのか」を知ると、美術館も、そして自宅の薪ストーブの前も、少し違って見えてきます。
洞窟から始まった、火のそばの絵
そもそも人類最古の絵画、ラスコーやアルタミラの洞窟壁画は、松明やランプの火のそばで描かれ、火の灯りで見られた絵です。ゆらめく灯りの下では、壁の牛や馬が動いて見えたはずだ、と言われます。絵画は、誕生の瞬間から火と一緒だった。美術と火の付き合いは、それほど古いのです。
灯りを描いた巨匠たち
時代が下って、巨匠たちは灯りの表現を競いました。レンブラントやラ・トゥールは、蝋燭ひとつの光が闇に浮かべる顔を描き、「光の画家」と呼ばれました。あの絵の深い陰影は、電灯の均一な明るさでは決して生まれない、炎の光の世界です。ミレーの「晩鐘」の夕暮れ、ゴッホの「夜のカフェテラス」のガス灯の黄色と夜の青。名画の中の灯りに心を打たれるのは、私たちの体が、火の光の色をあたたかさとして記憶しているからだと思います。画集を一冊、火のそばの本棚にどうぞ。炎の灯りで眺める灯りの絵は、格別です。(暗さと灯りの話は、こちら。)
わが家の炎は、毎晩の一枚
そして、気づくのです。薪ストーブのガラスの向こうの炎は、額縁に入った動く絵画だということに。オレンジの濃淡、火の粉の点描、熾火の赤の残照。同じ絵は二度と描かれず、毎晩、新作がかかる。美術館の警備員のように椅子に座って、今夜の一枚を眺める。火のある家の夜は、小さな個展の夜です。ロウリュの蒸気が窓の外の雪に消えていく様も、サウナ小屋の窓の額縁の中の一枚です。(窓の額縁の話は、こちら。)
毎晩の新作を、あなたの家に
岩手・盛岡のD'STYLEは、ハースストーンやバーモントキャスティングスの大きなガラス窓の薪ストーブと、ハルビアのサウナで、毎晩の一枚のある暮らしをお手伝いしています。世界にひとつの動く絵画、据え付けます。ご相談、いつでもどうぞ。



