ペレットストーブの燃料、木質ペレットは、小指の先ほどの小さな粒です。長さは一センチほど、色は淡い茶で、工場で形をそろえて作られるので、大きさも密度もきれいにそろっています。手のひらにのせるとさらりと乾いていて、木のやさしい香りがします。この粒が、じつは森で行き場を失いかけていた木から生まれていることを、ご存じでしょうか。木の粒ひとつぶには、山で育った長い時間と、それを無駄にしまいとする人の工夫がつまっています。今日は、ペレットがどこから来るのか、その原料と、森とのつながりの話をします。

捨てられていた木が、燃料になる
木質ペレットの原料は、おもに製材所から出るおがくずや端材、そして森を手入れするときに出る間伐材です。家具や建材に木を加工すると、必ず大量の削りくずや切れ端が出ます。かつては使い道が少なく、やっかいもの扱いされることもありました。ペレットは、この行き場のなかった木を細かくくだき、圧力をかけて固めたものです。捨てられるはずだった木が、あたたかさを生む燃料に生まれ変わる。ペレットは、もったいないから生まれた燃料なのです。
森の手入れが、生む燃料
健やかな森を育てるには、間伐という手入れが欠かせません。混みあった木立から一部の木を切り、残った木に光と栄養を行きわたらせる。この間伐で出た木は細く曲がっていることも多く、建材には向きません。そこでペレットの原料として生かせば、森の手入れがそのまま燃料づくりにつながります。森を整えることが、暖房の燃料を生む。人が森に手を入れ続けることが、木を無駄なく使う循環をつくっていくのです。
接着剤のいらない、木だけの粒
木質ペレットは、木を固めるのに接着剤をほとんど使いません。木そのものに含まれるリグニンという成分が、圧力と熱でのりの役目を果たし、粒をしっかりまとめます。だからペレットは、燃やしても余計なものが出にくく、燃えたあとに残る灰もごくわずかです。原料は木だけ、という素直さが、この燃料の大きな長所です。乾いた木の粒が、静かに、安定して燃えていく。ペレットは、森の恵みをまっすぐに熱へ変える燃料です。
木を使うことが、森を守る
木を燃やすことに、後ろめたさを感じる方もいます。けれど、手入れをして木を使い、また植えて育てる循環の中では、木は再び育つ資源です。使わずに放っておかれた森より、人の手が入り、木が生かされている森のほうが、健やかに保たれることも多い。ペレットを選ぶことは、この森の循環をそっと後押しすることにつながります。あたたかさを楽しみながら、森の健康にも手を貸せる。それが、木質ペレットという燃料の魅力です。
地元の森が、地元をあたためる
木質ペレットのもうひとつの良さは、地元の森から生まれ、地元をあたためられることです。木は育つあいだに、空気中の炭素を葉いっぱいに吸いこみます。その木を燃やして出る炭素は、もともと空から取りこんだものですから、森を育てて使い続けるかぎり、大気の炭素はぐるりと巡るだけです。遠い国から運ばれてくる燃料とちがい、近くの山でとれた原料を近くで燃やせば、運ぶ道のりも短くてすみます。岩手のように森ゆたかな土地では、足もとの山の恵みが、そのまま冬のあたたかさに変わっていく。木質ペレットは、暮らしと森を、ひとつの輪でつなぐ燃料なのです。
森の恵みを、あたたかさに変えて
行き場のなかった木を、暮らしのあたたかさに変える。ペレットストーブは、森の恵みをまっすぐに生かす道具です。岩手・盛岡のD'STYLEは、ペレットストーブを、燃料の選び方や暮らし方までふくめてご提案しています。森とつながる火のある暮らしに興味のある方は、店でどうぞ。
写真: D-Kuru (Wikimedia Commons, CC BY-SA 3.0 at)



