ペレットストーブのオーナーが冬前にまとめ買いする、ペレット燃料の袋の山。この山の置き場所で、冬の快適さが変わります。ペレットは木の粉を熱と圧力だけで固めた燃料で、接着剤を使っていません(品質の話)。固めているのは木自身の成分。だから水分を吸うと、あっけなくほどけて、おがくずに戻ります。今日は、ペレットの保管術です。
湿ったペレットが起こすこと
湿気を吸ったペレットは、まず崩れて粉が増えます。粉が増えると、燃料タンクから炉へ送る経路で詰まりやすくなり、着火は鈍り、燃えても熱量が出ず、灰とクリンカ(灰の固まり)が増える。ペレットストーブの「調子が悪い」というご相談のうち、いくつかは燃料の湿気が犯人です。逆に言えば、乾いた袋を保てれば、ストーブは素直に応えてくれます。
保管の基本は、三つの距離
一つ、床から浮かせる。土間やコンクリートの床は湿気を上げてくるので、すのこやパレットの上へ。二つ、壁から離す。外壁にぴったり寄せると、結露の湿気をもらいます。こぶし一つ分の風の道を。三つ、雨と直射日光から離す。屋外保管なら、屋根とシートで雨を防ぎつつ、地面からの湿気にも足元で備える。物置や車庫の中でも、この三つの距離は同じです。未開封の袋はかなり守られていますが、袋の小さな穴からも湿気は入るので、油断は禁物です。
ペレットにも、いくつかの顔がある
ひとくちにペレットと言っても、原料でいくつかの種類に分かれます。木の白い部分を主に使うホワイトペレットは、灰が少なく、匂いも穏やか。樹皮を含む全木ペレットやバークペレットは、火力が力強い代わりに灰がやや多めです。どれを選ぶかは、お使いのストーブとの相性と好み次第。ただし、保管の注意はどの種類でも同じです。水に弱いのは、木を固めた燃料に共通の性質だからです。銘柄を変えたら、まずは少量で燃え方と灰の出方を確かめてみてください。ストーブが機嫌よく燃える一袋が、きっと見つかります。
開封袋と、夏越しの知恵
開封した袋は、その冬のうちに使い切るのが基本。使いかけはクリップで口を閉じ、フタつきの容器や米びつに移すと安心です。春になって余った袋は、梅雨の前に置き場を点検してください。岩手の梅雨と夏の湿気は、ペレットにとって一年でいちばんの試練です。乾いた場所で夏を越した袋は、次の冬もきれいに燃えます。買う量を「一冬で使い切る量」に合わせるのも、立派な保管術です。
岩手のペレットは、山の循環から
最後に、燃料そのものの話を少し。岩手には、県内の木から作られるペレットがあります。原料になるのは、間伐で出た木や、製材で余った端材やおがくず。これまで山に残されがちだった木が、燃料としてよみがえる仕組みです。地元の山の木で、地元の冬を暖める。輸送の距離も短く、山の手入れにもつながります。焚いて出た灰は、畑に還すこともできる。ペレットストーブの一冬は、そのまま岩手の森の循環の、小さな一部になっているのです。燃やす前に、袋の中の粉の量を見てみるのも面白いものです。袋の底にたまった細かな粉が少なく、粒がしっかりしているほど、乾いた良い状態の証拠。逆に粉が多ければ、輸送や保管のどこかで湿気や振動を受けたサインです。同じ銘柄でも、置き場と扱い方で燃え方は変わります。良い燃料を選び、良い状態で保つ。この二つがそろって初めて、ペレットストーブは静かに、素直に、部屋を暖め続けてくれます。
燃料の相談ごと、店へどうぞ
岩手・盛岡のD'STYLEは、ペレットストーブの販売・設置とあわせて、燃料の選び方から保管のコツまでご相談いただけます。岩手県産ペレットで焚く冬は、格別です。置き場の写真を持って、店へどうぞ。
写真: JoachimKohler-HB (Wikimedia Commons, CC BY-SA 4.0)



