サウナの壁に、さらさらと砂の落ちる時計がかかっている。あの砂時計は、ただ時間を計るだけの道具ではありません。数字を追わずに、砂の流れをぼんやり眺める時間そのものが、サウナのくつろぎの一部になります。小さな道具ですが、サウナの時間の流れ方を、そっと変えてくれます。今日は、サウナと砂時計の、静かな関係の話をします。
なぜ、サウナに砂時計なのか
サウナに置かれる時計といえば、まず砂時計です。理由のひとつは、熱と湿気に強いことです。電池の時計や電子機器は、高温多湿のサウナ室では傷みやすい。その点、ガラスと砂だけの砂時計は、熱にも蒸気にも平気です。もうひとつの理由は、その静かさです。カチカチという音もなく、ただ砂がさらさらと落ちていく。時間を刻む道具でありながら、時間を忘れさせてくれる。サウナの空気に、これほどなじむ時計はありません。素朴な作りが、かえって心地よいのです。電源もいらず、置くだけで使える気軽さも、サウナにはありがたい点です。
数字ではなく、流れで計る
砂時計のいいところは、時間を数字で突きつけてこないことです。デジタルの数字は、あと何分と気持ちをせかします。けれど砂時計は、上の砂が減り、下に積もっていく、その流れで時間を感じさせてくれます。まだ半分ある、そろそろ終わりだと、目で見て、体で感じる。あくせくと数えるのではなく、砂の量でおおらかに計る。この曖昧さが、サウナには心地よいのです。時間に縛られず、それでいて入りすぎを防いでくれる、ちょうどいい目安になります。
砂を眺める、無心の時間
砂時計のもうひとつの効用は、眺めていると心が落ち着くことです。熱い室内で、さらさらと落ちる砂をぼんやり見つめる。考えごとが少しずつ止まり、頭が空っぽになっていきます。焚き火の炎や、流れる水を眺めるのと同じで、規則正しく動くものには、心をなだめる力があります。スマホを持ち込めないサウナで、砂時計は目のやり場になり、そのまま無心の入り口になります。時間を計る道具が、いつのまにか、心を静める道具に変わっています。
入りすぎない、目安として
砂時計は、体を守る目安としても役立ちます。一回に長く入りすぎると、体に負担がかかります。砂が落ちきったら一度出る、と決めておけば、無理をせずにすみます。よくある砂時計は、五分や十分で落ちきるものが多く、一回の入浴時間の目安にちょうどいい。もちろん、砂が残っていても、熱いと感じたら我慢せずに出ることが第一です。砂時計はあくまで目安で、自分の体の声を優先する。その上で、砂の流れが心地よいリズムを作ってくれます。
選び方と、置き場所
砂時計を選ぶなら、まず落ちきる時間で選びます。五分や十分など、自分の入り方に合ったものを。木の枠に収まったものは、サウナの木の内装によくなじみます。置き場所は、寝ころんでも座っても、自然に目に入るところがおすすめです。壁にかけたり、ベンチの近くに置いたり。倒れて割れないよう、安定した場所を選ぶことも大切です。お気に入りの一つを見つけて、いつもの場所に置く。それだけで、サウナの時間に静かなリズムが生まれます。砂の落ちる様子が視界の隅にあると、ふしぎと気持ちが落ち着いてきます。
時を忘れる時間を、わが家のサウナで
時間を計りながら、時間を忘れさせてくれる。砂時計は、そんな道具です。壁にひとつかけるだけで、サウナの時間がゆったりと流れはじめます。岩手・盛岡のD'STYLEは、ハルビアのサウナヒーターで、時を忘れてくつろげるサウナのある暮らしをご提案しています。しつらえの相談も、店でどうぞ。
写真: Ximonic (Simo Räsänen) (Wikimedia Commons, CC BY-SA 4.0)



