星空外気浴(こちら)、月見外気浴(こちら)ときて、今日は昼の部です。外気浴で見上げる昼の空の主役、雲。名前と意味を少し覚えるだけで、毎日の空が、読みものになります。ととのいながらの観天望気、始めましょう。

高い雲は、明日の便り
空の高いところの雲は、天気の先触れです。うろこ雲・いわし雲(巻積雲)は、秋の空の代名詞であり、天気が下り坂に向かう前触れとも言われます。ひつじ雲(高積雲)も似たあつかいで、「ひつじ雲が出たら翌日は雨」ということわざが残ります。刷毛で掃いたようなすじ雲(巻雲)は、上空の強い風の印。外気浴でうろこ雲を見つけたら、「明日は雨かな、なら今夜もう一セット」という判断材料になります。観天望気は、焚き手の天気予報(季節の合図)の、空バージョンです。
低い雲は、今日の気分
低い雲は、その日の空の表情です。綿雲(積雲)がぽかぽか浮かぶ日は、安定した晴れ。外気浴日和です。空一面のうす曇り(層積雲や高層雲)は、まぶしくない外気浴ができる、実は隠れた当たり日。太陽がおぼろに透ける「おぼろ雲」の柔らかい光は、昼寝つき外気浴に最高です。そして夏の主役、入道雲(積乱雲)。もくもくと立ちあがる様子は空の交響曲ですが、あれが近づく音(雷鳴)がしたら、外気浴は店じまいの合図です(嵐の日の話)。
雲には、世界共通の十の名がある
ばらばらに見える雲も、じつは世界共通の十種類に整理されています。十種雲形。すじ雲やうろこ雲のような上層の雲、ひつじ雲などの中層の雲、綿雲や入道雲のように下から立ちのぼる雲、と高さで背番号がついているのです。この分類のもとを作ったのは、二百年ほど前のイギリスのルーク・ハワードという人。巻き毛、積み重なり、層、といった意味のラテン語で、雲に名を与えました。観察好きの一市民が名づけた言葉を、いまも世界中の気象台が使っている。十種のうち、空全体を灰色に覆って雨や雪を落とすのが乱層雲です。名前がわかると、同じ曇り空でも「これは降る雲、これは降らない雲」と読み分けられます。空を見上げる楽しみは、それだけで由緒正しいのです。
暈と飛行機雲、空からの前ぶれ
雲の名前に慣れたら、次は小さな異変を拾えます。太陽や月のまわりに、うっすら光の輪(暈)がかかる日。あれは薄い雲が空一面に広がりはじめた印で、昔から「暈がかかると雨」と言われます。低気圧が近づく、静かな予告です。飛行機雲も便利で、すっと引いてすぐ消える日は空気が乾いた晴れ、いつまでも残って広がる日は湿ってきた合図。夕焼けが冴えれば明日は晴れ、朝焼けが赤ければ下り坂。天気が西から東へ移る国では、西の空の色が、そのまま明日の予告になるからです。外気浴の椅子は、こうした空からの手紙を読むのに、ちょうどいい特等席です。
岩手の空の、名物たち
岩手の空には、この土地ならではの名物もあります。岩手山にかかる笠雲は、山の天気が崩れる前兆として地元で知られる観天望気の古典。冬の日本海側から流れてくる筋状の雪雲、春のかすみ、夏に岩手山を抱く入道雲、秋の鮭雲(地元でそう呼ぶ人もいる、うろこ雲の豪華版)。山の見える外気浴(こちら)は、雲の観察席としても一等地です。
空の読める暮らしを
雲の名前を三つ覚えると、外気浴が変わります。五つ覚えると、家族に自慢できます。子どもと一緒に覚えれば、理科の授業より早く身につきます。岩手・盛岡のD'STYLEは、空を見上げる時間のある暮らしをお手伝いしています。今日の雲は、何雲でしたか。ご相談ついでに、店で聞かせてください。
写真: Ximonic (Simo Räsänen) (Wikimedia Commons, CC BY-SA 4.0)



