日本人ほど、お風呂の好きな国民はいません。毎晩湯船に浸かり、休みの日には温泉に出かける。世界的に見れば、これはかなり特別な文化です。そんな湯の国に、いま、蒸気の国フィンランドのサウナが根を下ろしつつある。私たちはサウナ屋ですが、もちろん、お風呂も大好きです。だからこそ、正直に書けることがあります。お風呂とサウナは、何がどう違うのか。どちらが上、という話ではありません。二つの「温まりの傑作」の、性格の違いの話です。
浸かる熱と、包まれる熱
いちばんの違いは、熱の伝わり方です。お風呂は、湯という液体に体を浸します。水は空気よりずっと熱を伝えやすいので、四十度そこそこの温度でも、体はしっかり温まります。そのかわり、水圧が体にかかり、心臓は少しがんばって働くことになります。
サウナは、熱い空気と蒸気に包まれます。空気は熱を伝えにくいので、八十度、九十度という温度でも入っていられて、体は深部からじわじわと温まっていく。水圧がないぶん、体はただ座っているだけでいい。長風呂が苦手な方が、サウナなら気持ちよく続けられた、という話をよく聞くのは、このためです。
汗の出方も、違う
湯船の中でも汗はかいていますが、湯に溶けて流れるので、実感はあまりありません。サウナの汗は、目に見えて、噴き出します。この「たっぷり汗をかいた」という実感は、サウナならではの爽快感です。そして、サウナのあとの水風呂と外気浴。この温冷の落差がつくる「ととのう」という状態は、お風呂だけでは、なかなかたどり着けない場所です。(温冷交代浴の知識はこちら、ととのうの正体はこちらに。)
それぞれの、得意分野
お風呂の得意は、毎日の疲れをほどくこと。浮力が体を軽くして、水圧がむくみをやわらげ、ぬるめの湯なら、そのまま眠りに直行できる。日本人が毎晩続けてきたのには、ちゃんと理由があります。
サウナの得意は、心まで洗うこと。スマホの入らない熱い部屋で、汗と一緒に頭の中のもやもやを流し、水風呂で目を覚まし、外気浴で空を見る。体の疲れというより、頭と心の疲れに、よく効きます。週の真ん中の夜、嫌なことがあった日、考えごとが多すぎる日。サウナは、そういう日の特効薬です。
順番に入ると、いいとこ取り
そして、うれしいことに、この二つは、けんかをしません。それどころか、順番に楽しむと、いいとこ取りができます。サウナでたっぷり汗をかいて、シャワーで流して、最後にぬるめの湯船にゆっくり浸かって仕上げる。サウナの爽快感と、お風呂の安眠効果が、一晩で両方手に入る。湯の国のサウナの楽しみ方として、これ以上のものはありません。自宅にサウナがあれば、この黄金コースが、毎晩できます。
湯の国の家に、蒸気の部屋を
お風呂のある家に、サウナを一室足す。それは、日本の入浴文化に、フィンランドの知恵を接ぎ木するようなものです。毎晩の湯船はそのままに、週に何度かの「ととのう夜」が加わる。暮らしの温まりの選択肢が、倍になります。岩手・盛岡のD'STYLEは、ハルビア岩手県正規代理店として、湯の国の暮らしに寄り添うサウナの設置をお手伝いしています。お風呂好きの方こそ、きっとサウナも好きになります。おすすめの一台、どうぞお気軽にご相談ください。
写真: Julian Paren (Wikimedia Commons, CC BY-SA 2.0)



