以前、「いちばん贅沢なBGMは、静けさ」という記事を書きました。あれは今も本心です。でも今日は、その続編として、逆側の話をさせてください。音楽のあるサウナも、また楽しいのです。大事なのは、かける日と、かけない日を、自分で選べること。そしてそれができるのは、自宅サウナだけです。
かけるなら、低く、小さく
サウナで音楽を楽しむ鉄則は、ひとつだけ。小さく流すことです。サウナはライブ会場ではなく、音楽は主役ではなく香りのようなもの。ロウリュの音と会話のじゃまをしない音量で、そっと下に敷く。スピーカーはサウナ室の外か脱衣スペースに置いて、木の壁越しのくぐもった音を楽しむくらいが、ちょうどいい塩梅です(高温多湿の室内に機器を持ち込むのは故障のもとです)。
歌詞のない曲が、向いている
選曲のコツは、歌詞の少ない曲を選ぶことです。言葉が耳に入ると、頭は自動的に意味を追いはじめて、せっかくの「何も考えない時間」が薄まってしまう。ピアノもの、アンビエント、ジャズのバラード、波や焚き火の環境音。北欧のアーティストの静かな曲を流せば、気分はすっかりフィンランドです。テンポの速い曲は、サウナの時間の流れと喧嘩しがちなので、休日の朝サウナなど、元気を出したい日にだけ。
外気浴にこそ、音楽が効く
実は、音楽がいちばん効くのは、サウナ室の中より外気浴です。ととのった頭で聴く音楽は、いつもの何倍も、体にしみます。好きな曲の、聴き慣れたはずのイントロに、鳥肌が立ったりする。「外気浴で聴くための数曲」を集めたプレイリストを育てていくのは、サウナ好きの静かな趣味のひとつです。季節の夜気に合わせて曲を選ぶ楽しみは、自宅の庭ならではのもの。(ととのいの話は、こちら。)
そして、無音に戻る夜
音楽サウナを楽しんだ先で、多くの人が、ある夜ふと、何もかけずに入ってみます。すると、ロウリュの音、薪の音、自分の呼吸が、急に濃く聞こえてくる。ああ、これが基本の味だったな、と思い出す。音楽は、サウナの調味料です。かけて楽しく、抜いて深い。その日の気分で行き来すればいい。選べる自由こそが、ごちそうなのです。
あなたの音で、あなたのサウナを
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