フィンランドの森の写真を見ると、必ずと言っていいほど写っている木があります。白い幹の、白樺です。そして、岩手の高原を走っていても、同じ白い木が立っている。八幡平へ向かう道の白樺並木を、思い浮かべる方も多いはずです。白樺は、北国どうしの共通言語のような木。そしてサウナと薪ストーブの暮らしにとって、これほど恵みの多い木はありません。今日は、白い木の話です。
若葉は、ヴィヒタになる
初夏、白樺の若葉がいちばんみずみずしい時期に、枝を束ねてつくるのがヴィヒタです。サウナの蒸気の中で肌をぽんぽんとたたけば、森の香りが全身を包み、血のめぐりをうながしてくれる。フィンランドのサウナ文化の象徴です。彼らがわざわざ白樺を選んだのは、葉がやわらかく、香りが良く、そして何より、いちばん身近な木だったから。北の民は、手近な木を、最高の道具に変えてきたのです。(ヴィヒタの詳しい話は、こちらに。)
樹皮は、天然の着火材
薪ストーブ乗りにとっての白樺は、まず、樹皮です。白樺の樹皮は、油分を多く含んでいて、薄く剥いだ一枚にマッチの火を近づけると、じりじりと音を立てて、力強く燃え上がります。雨に濡れた後でさえ火がつくと言われるほどで、北国の狩人や登山者は、昔から白樺の皮を焚き付けの切り札として携えてきました。薪割りのときに剥がれた白樺の皮は、捨てずに箱にためておく。それだけで、市販の着火剤がいらなくなります。天然もの、香りも良し。焚き付けの王様です。(火の起こし方は、トップダウン着火の話もどうぞ。)
薪としての白樺
白樺は、薪としても働き者です。ナラやサクラのような重量級ではありませんが、乾きが早く、火つきが良く、明るい炎を上げて気持ちよく燃える。焚きはじめの立ち上げ役として、広葉樹の中では使いやすい部類です。フィンランドの家庭サウナで焚かれている薪も、白樺が定番。あの国のサウナの香りの記憶は、白樺の煙の香りと切り離せません。(薪の樹種の話は、こちら。)
春だけの、森のジュース
そしてもうひとつ、知る人ぞ知る恵みが、白樺樹液です。雪解けの春、ほんの数週間だけ、白樺の幹からは、ほのかに甘い透明な樹液が採れます。北欧やロシアでは春の飲み物として親しまれ、化粧水の原料にもなる。飲めば、かすかな甘みと、森の気配。木が根から吸い上げた、春そのものの味です。岩手でも、白樺樹液を採取する取り組みがあり、春の楽しみとして少しずつ知られてきました。
白い木と、火と蒸気と
ヴィヒタで、着火材で、薪で、飲み物で。白樺は、サウナと薪ストーブの暮らしに、四つの顔で寄り添ってくれます。岩手・盛岡のD'STYLEは、ハルビア岩手県正規代理店として、この北の木の恵みごと楽しむ暮らしをお手伝いしています。白樺の並木が好きな方なら、きっとサウナも薪ストーブも好きになります。おすすめの一台のご相談、いつでもどうぞ。



