読み物が、300本になりました。ロウリュの一本目から数えて、ここまで読み続けてくださったあなたに、まず、心からの御礼を。ありがとうございます。100本目で理念を、200本目で夢を書きました。300本目の今日は、シンプルに、いま思っていることを書きます。

一本は小さくても、三百集まれば明るい
一本の記事は、小さな火です。煙突掃除の時期を知らせる火、二日酔いサウナを止める火、雪の夜の外気浴に誘う火。それぞれは、マッチ一本ほどの明るさしかありません。でも、三百本灯すと、けっこう明るいのです。いまや、火と蒸気の暮らしのほとんどの場面に、対応する一本がある。深夜に不安で検索した人にも、家族会議の資料を探す人にも、ただ読み物が好きな人にも、届く棚ができました。この棚は、岩手の冬を照らす、私たちなりの常夜灯です。(棚の歩き方は、総合案内へ。)
書いてきたのは、火と、この土地
三百本を並べてみると、話題は大きく二つに分かれています。一つは、火と蒸気そのもの。入り方、健康、料理、安全、道具の手入れ。もう一つが、この土地のことです。やませと冷害の歴史、東北の湯治の知恵、さんさ踊りや早池峰神楽、雪と暮らす文化。売り物の紹介だけなら、こんなに書くことはありません。岩手・秋田・青森の冬の底力を、火と蒸気につなげて伝えたい。その欲が、この棚をここまで大きくしました。地元をきちんと語れる店でありたい、という気持ちの記録でもあります。
書きながら、私たちも変わった
白状すると、300本でいちばん学んだのは、書いた私たち自身です。お客様の一言の重み、岩手という土地の底力、火の文化の奥行き。売る仕事から、伝える仕事へ。伝えるうちに、売るものへの誇りが深くなる。この循環を教えてくれたのは、読んで、来店して、質問をくれた、あなたたちです。読み物は、店を育てる学校でもありました。
得のある一本を、と決めている
書くうえで、ひとつだけ決めていることがあります。読んだ人が、少しだけ得をして画面を閉じられること。今日から使える入り方、知らなかった土地の話、明日ちょっと試したくなる楽しみ。読み終えて何も残らない美文は、書かない。不安をあおって物を売る書き方も、しない。三百本ぶんの信用は、この小さな約束を、一本ずつ守り続けたことで積み上がってきました。派手ではないけれど、この一途さが、私たちのいちばんの燃料です。読んで得をした一本を、誰かにそっと教えたくなる。そうやって口づてに広がっていくのが、この読み物のいちばん嬉しい育ち方でした。次の一本も、その次の一本も、あなたの暮らしに小さく役立つことだけを考えて書きます。
変わらない、営業案内
300本目も、締めはいつも通りの営業案内です。岩手・盛岡のD'STYLEは、ハースストーン、バーモントキャスティングス、ハルビアの正規代理店として、薪ストーブとサウナの設置、煙突掃除、メンテナンス、薪の販売をしています。見積もりは正直に、おすすめは本気で、アフターは末永く。展示場には実物の火と、KUUTAのサウナ小屋と、熱いお茶があります。買う予定がなくても、読み物の感想だけでも、どうぞ。(店でできることは、こちら。)
301本目からも、いつもの調子で
大台に乗っても、やることは変わりません。本当のことを、敵を作らず、読んだ人の得になるように、一本ずつ。岩手の冬が、日本でいちばん楽しみな冬になるまで、この常夜灯は灯し続けます。三百の火の向こうで、あなたの家の火が灯る日を、楽しみにしています。それでは、301本目で。いつもの調子で、お会いしましょう。
写真: Ximonic (Simo Räsänen) (Wikimedia Commons, CC BY-SA 4.0)



