この読みものでは以前、ロウリュとアウフグースの違いについて書きました。今回はその続きとして、アウフグースがドイツ語圏でどのように「選手権」という競技にまで発展したのか、その世界を紹介します。

換気のための所作が、儀式になった
アウフグースは、ドイツ語圏(ドイツ・オーストリア)のサウナ文化から生まれたとされています。もともとは、換気をしたあとのサウナ室を再び温め、空気を入れ替えるための、きわめて実用的な所作でした。石に水をかけ、タオルで蒸気を仰ぐ。この単純な動作が、世代を経るごとに、振り付けやアロマ、音楽を伴う洗練された儀式へと発展していきました。
現在のアウフグースは、訓練を受けた「ザウナマイスター」が導く、多感覚的で共同体的な儀式とされています。単なる蒸気ではなく、香り、音、そしてタオルさばきが組み合わさった、共有される体験としての位置づけです。
「ショー・アウフグース」という競技
この文化から生まれたのが、アウフグース選手権です。毎年、ドイツ・アウフグース選手権をはじめとする大会が開かれ、ザウナマイスターたちが儀式の完成度を競います。技術、独創性、そして観客への訴求力が審査の基準とされています。
近年注目されているのが「ショー・アウフグース」と呼ばれる形式です。音楽と振り付けられたタオルさばきを組み合わせ、まるでパフォーマンスのような競技へと進化しています。ヨーロッパ各地の国内大会が、国際大会へとつながる仕組みも整いつつあり、大会には数百人規模の参加者が集まるといいます。
静けさと、熱狂の両立
興味深いのは、アウフグースが「共同体的で演劇的でありながら、身体と心の回復を追求する真剣さも失っていない」と語られている点です。派手な演出を伴いながらも、その根底には、蒸気と向き合うという本質的な行為が変わらず残っている。競技化が進んでも、サウナという営みの芯は揺らいでいない、ということかもしれません。
岩手で、ロウリュを楽しむということ
選手権のような大がかりな演出は、家庭のサウナには必要ありません。ただ、石に水をかけ、蒸気の広がりをタオルで扱うという基本の所作そのものは、自宅のサウナでも十分に楽しめます。アウフグースの世界がここまで発展してきた背景を知ると、いつものロウリュも、少し違って見えてきます。
よくあるご質問
Q. アウフグースとロウリュは、同じものですか。
石に水をかけて蒸気を立てる基本動作は共通していますが、アウフグースはタオルで蒸気を仰ぎ広げる所作や、音楽・アロマを伴う演出性が加わったドイツ語圏の様式です。詳しくは以前の記事もご参照ください。
Q. 日本でアウフグースの選手権のようなものはありますか。
本場ドイツほどの規模ではありませんが、国内の一部施設でアウフグースパフォーマンスを取り入れたイベントが開催されることがあります。
Q. 自宅サウナでアウフグースのような演出はできますか。
タオルを使った蒸気の演出や、アロマオイルを使ったロウリュであれば、自宅でも取り入れられます。ご興味があればご相談ください。
D'STYLEは盛岡でサウナと薪ストーブを扱っています。世界各地のロウリュ・アウフグース文化を知ることは、自宅での楽しみ方を広げるヒントになります。ご相談は無料です。
本記事は、ドイツ語圏のアウフグース文化・選手権に関する一般的な紹介です。



