夕方になると、肩に漬物石が乗っている。首を回すと、ごりごりと音がする。日本人の国民病とも言われる肩こりは、パソコンとスマホの時代に、ますます重くなっています。今日は、サウナと肩こりの話。もみほぐしに通い続けているあなたに、熱という選択肢のご提案です。

肩こりの正体は、血流の渋滞
肩こりの多くは、筋肉の使いすぎではなく、動かさなすぎで起きます。同じ姿勢で画面を見続けると、首と肩の筋肉は、頭という重い荷物を支えたまま、何時間も静止する。緊張し続けた筋肉は硬くなり、中を通る血管が圧迫されて、血流が滞る。酸素と栄養が届かず、疲労物質が回収されず、筋肉はさらに硬くなる。この悪循環が、あのガチガチの正体です。つまり、ほぐすべきは筋肉のコリそのものと、その奥の血流の渋滞なのです。
頭は、ボウリング球ほど重い
知っておくと得な数字があります。人の頭は、およそ五キロ、ボウリングの球ほどの重さです。まっすぐ載っているぶんには首の骨と筋肉で軽々支えられますが、前に傾くほど、てこの原理で負担が跳ね上がる。米国の脊椎外科医ハンスラージが二〇一四年に示した試算では、スマホを見るように首を六十度うつむけると、頸椎にかかる負担は、なんと二十七キロほどにもなるといいます。うつむいて画面を見る時間は、首と肩に、小さな子どもをひとり乗せているようなもの。現代の肩こりが重いのには、ちゃんとわけがあるのです。
サウナの熱は、芯まで届く
蒸しタオルや湯船も肩こりに効きますが、サウナの強みは、熱の届く深さです。全身を包む高温は、皮膚の表面だけでなく、深部の筋肉まで温めて、滞っていた血流を、どっと再開させます。温まって、ゆるんで、流れる。マッサージが外から押してほぐすとすれば、サウナは内側から溶かしていく感じです。ロウリュの蒸気を肩に浴びながら、じんわりと重さが抜けていく感覚は、肩こり持ちの方ほど、はっきり分かるはずです。ふだんは氷のように冷たかった首すじが、じんわりと温もりを取り戻していく。血が巡り出せば、あの締めつけられるような重だるさも、ゆるゆるとほどけていきます。(体の変化の科学は、こちら。)
サウナ室で、小さな体操を
温まった筋肉は、動かしやすくなっています。そこで、サウナ室の中で、小さな体操を。肩をすくめて、すとんと落とす。ゆっくり大きく、肩で円を描く。首を左右にゆっくり倒す。これだけで十分です。温めながら動かすことで、ほぐれ方がぐっと深くなります。ただし、汗が飛ばないよう、動きは小さく静かに。混んだ施設では遠慮が要りますが、自宅サウナなら気兼ねなくできます。仕上げの水風呂やクールダウンは、ゆるんだ血管を引き締めて、血流のポンプ運動をもう一押ししてくれます。(温冷交代の知識は、こちら。)
正直に言うと、私自身、サウナに入るとよく眠れるとはよく言いますが、それ以上に肩こりとの相性を感じています。サウナ室で肩を回すと、すごく調子がいいんです。ただし、これをやるのは一人でいるときだけです。周りに人がいる中で肩をぐるぐる回すのは、正直ちょっと気恥ずかしい。おじさんくさいというか……いや、おじさんなんですけど(笑)。自宅サウナなら、そこは誰にも見られません。気兼ねなく、好きなだけ回してください。
正直な注意も、ひとつ
ただし、サウナは万能ではありません。腕のしびれを伴うもの、急に始まった強い痛み、頭痛を伴うものは、単なる肩こりではない場合があるので、まず病院へ。また、こりの根本原因が姿勢と運動不足にある以上、サウナだけで完治はしません。サウナで血流を回し、日中は一時間に一度立ち上がって、肩を回す。この二本立てが、正直なところの正解です。
毎日ほぐせる家を
肩こりは、毎日たまります。だから、ほぐすのも毎日できるのが理想です。岩手・盛岡のD'STYLEは、ハルビア岩手県正規代理店として、「毎晩の肩の手入れ」ができる自宅サウナの設置をお手伝いしています。もみほぐし一回分の積み重ねを、家の設備に変えませんか。ご相談、いつでもどうぞ。
写真: Cogitato (Wikimedia Commons, CC BY-SA 4.0)



