サウナで、たっぷり汗をかく。あの爽快感の裏で、体からは思っている以上の水分が出ていっています。1回のサウナで、コップ2〜3杯分の汗をかくとも言われます。だから水分補給は、サウナの「おまけ」ではなく、入り方の一部です。上手に飲めば、のぼせにくく、湯あたりの疲れも残りにくく、あの澄んだ「ととのい」にも、すっと入っていけます。

体は、思うより乾いている
そもそも人の体は、半分以上が水でできています。その水は、汗として熱を逃がすだけでなく、血液としてめぐり、体温を一定に保っています。サウナ室で汗が噴き出すのは、体が一生けんめい体温を下げようとしている証拠。つまり水は、熱と上手に付き合うための冷却水そのものです。ここが足りてくると、めぐりが重くなり、頭がぼうっとしやすくなります。飲むことは我慢の反対で、長く心地よく楽しむための、いちばんの準備です。喉がカラカラになってから慌てて飲むより、うるおいを先に満たしておくほうが、体はずっと楽に汗をかけます。
飲むタイミングは「前」と「合間」
おすすめはシンプルです。サウナに入る前に、まずコップ1杯。そして1セットごとの休憩で、また1杯。喉が渇いたと感じたときには、体はすでに水分が足りていません。渇く前に、先回りして飲む。これだけで、のぼせにくさも、後の疲れ方も変わります。一気にぐいっと飲むより、少しずつこまめに。そのほうが、体にやさしく行き渡ります。
何を飲む? 水・麦茶・経口補水
基本は、水かぬるめの白湯で十分です。カフェインの少ない麦茶も、昔から湯上がりの定番。長めに楽しむ日や、汗を何度もかき直す日は、経口補水液もたのもしい味方になります。塩分と糖分がほどよく溶けた経口補水液は、水だけよりも体にゆっくりしみ込みます。氷のように冷たい飲み物は胃に負担をかけるので、常温か、ほんのり冷たいくらいが、火照った体にはやさしく感じられます。好きな一本を、休憩イスの足元に用意しておきましょう。
ビールは「水分補給」になりません
サウナ上がりの一杯を楽しみにしている方、ごめんなさい。アルコールには利尿作用があり、飲んだ以上に水分が出ていきます。つまり、ビールは水分補給のかわりにはなりません。飲むなら、まず水をしっかり飲んでから。順番を守るだけで、翌日がぜんぜん違います。入浴前の飲酒は、のぼせや事故のもとになるので避けてください。
汗と一緒に、塩分も出ています
長めに楽しむ日や、何セットも重ねる日は、水だけでなく塩分・ミネラルも少し意識してください。汗が乾いて肌がしょっぱく感じるのは、ナトリウムが一緒に出ているしるし。水ばかりをたくさん飲むと、かえって体の塩分が薄まって、だるさにつながることもあります。スポーツドリンクや麦茶、ひとつまみの塩。難しく考えなくて大丈夫、「汗をかいた分、ちゃんと戻す」という感覚があれば十分です。梅干しひとつ、塩こんぶをひとつまみでも、じゅうぶんに役立ちます。
「ととのい」は、水分の上に成り立つ
サウナの心地よさは、体に無理をさせないことが土台です。水分がちゃんと足りている体は、温冷の切り替えにも余裕をもってついてきます。休憩で飲む一杯は、次のセットを気持ちよく迎えるための、小さな儀式でもあります。冷たい水がすっと喉を通る、あの瞬間の心地よさも、サウナという時間の大切な一部です。「ととのう」とは何か、正しい入り方の全部とあわせて、どうぞ。
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写真: Vesa Linja-aho (Wikimedia Commons, CC BY-SA 3.0)
