フィンランドのお隣、スウェーデンにも「バストゥ」というサウナ文化があります。同じスカンジナビアでも、フィンランドとは少し違う温度感で発展してきた文化です。

「バードストゥーガ」を縮めた言葉
スウェーデン語でサウナを意味する「バストゥ」は、「バードストゥーガ(入浴小屋)」を縮めた言葉です。その歴史はヴァイキング時代までさかのぼるとされ、熱した石を使って体を清め、リラックスする習慣があったと伝えられています。
フィンランドより、少し低い温度
スウェーデンのバストゥとフィンランドのサウナには、いくつか違いがあるとされています。ひとつは温度です。フィンランドのサウナが90℃から100℃という高温になることが多いのに対し、スウェーデンのバストゥは70℃から80℃前後と、やや低めに設定される傾向があるといいます。ロウリュ(石に水をかけて蒸気を立てる)の使い方も、フィンランドのほうがより大胆に、頻繁に行われるとされています。
普及の度合いにも違いがあります。フィンランドでは人口およそ550万人に対してサウナが300万台前後あるとされ、一世帯に一台という密度に近づいています。スウェーデンではサウナの存在感はそこまで大きくなく、フィンランドほど儀式化・様式化されていないとされています。
一度、廃れかけた歴史
興味深いのは、19世紀までスウェーデンのサウナ文化はフィンランドとよく似ていたとされている点です。ところが、あるときから汗をかくことが不潔だと見なされるようになり、バストゥの文化はいったん廃れていったといいます。20世紀の終わりになって、ようやく人気が戻ってきたと伝えられています。
今のスウェーデンでは、バストゥは夏の別荘(サマーコテージ)や群島の別荘地、山小屋、ホテルの設備、都市部の公衆浴場などに、静かな形で組み込まれています。フィンランドのような近い宗教的とも言える重みは持たないものの、暮らしの一部としての位置づけは確かにあります。
お隣どうしでも、文化は変わる
フィンランドとスウェーデンは地理的に近く、気候も似ています。それでも、サウナという同じ道具に対する向き合い方は、歴史の中でこれだけ違う道をたどってきました。距離の近さが、そのまま文化の近さを意味するわけではない。この読みものでロシア・韓国・トルコと紹介してきましたが、実はいちばん身近な国どうしにも、はっきりした違いがあるという点は、あらためて興味深いところです。
よくあるご質問
Q. バストゥとサウナは、同じものですか。
どちらも熱した石やストーブで体を温める点は共通していますが、スウェーデンのバストゥはフィンランドのサウナよりやや低い温度で使われる傾向があり、普及の度合いや文化的な重みにも違いがあるとされています。
Q. なぜスウェーデンでは一度サウナ文化が廃れたのですか。
19世紀以降、汗をかくことが不潔だと見なされる風潮が広がったことが背景にあるとされています。20世紀末になって、あらためて人気が戻ってきました。
Q. 自宅サウナは、フィンランド式とスウェーデン式のどちらが向いていますか。
どちらの様式も、温度設定と使い方で再現できます。高温でロウリュを多く使いたいか、やや低めの温度でゆったり過ごしたいか、好みに応じてご提案しています。
D'STYLEは盛岡で薪ストーブとサウナを扱っています。同じ北欧でも異なる温度文化があるように、ご自宅に合ったサウナの温度・使い方は人それぞれです。ご相談は無料です。
本記事は、スウェーデンのバストゥ文化に関する一般的な紹介です。




