ジムの会員証、家に眠っていませんか。入会したときのやる気は確かだったのに、三か月で足が遠のく。意志が弱いからでしょうか。いいえ、遠いからです。今日は、習慣と距離の科学の話。そして、徒歩0分という、小さな革命についてです。

実行率は、手間の秒数で決まる
習慣化の研究に、有名な知見があります。ポジティブ心理学者のショーン・エイカーは、著書『幸福優位7つの法則』の中で「20秒ルール」を紹介しています。人がある行動をするかどうかは、それを始めるまでの手間に、驚くほど左右される。手間を20秒減らすだけで実行率が上がり、20秒増やすだけで挫折率が上がる。ギターを弾く習慣は、ケースから出す手間をなくして、スタンドに立てておくだけで続く。間食は、お菓子を棚の奥にしまうだけで減る。意志の強さの差だと思っていたものの多くは、じつは動線の設計の差なのです。
「簡単にする」は、習慣の科学
この考え方は、習慣研究の中心にあります。『複利で伸びる1つの習慣』の著者ジェームズ・クリアーも、良い習慣を続ける鍵として「とにかく簡単にすること」を挙げています。逆に、やめたい習慣は、あえて面倒にすればいい。私たちは、続かない自分を責めがちですが、責めるべきは意志ではなく、仕組みのほうです。始めるまでのひと手間、ふた手間を、環境の側で先に消しておく。続く人と続かない人を分けるのは、根性ではなく、この設計の有無なのです。裏を返せば、環境さえ整えれば、意志の弱さは問題になりません。誰でも続けられる仕組みは、作れるのです。
サウナ通いの、見えない手間を数える
この目で、サウナ通いを分解してみます。着替えを用意し、車で施設まで走り、受付をして、ロッカーで着替え、混み具合に一喜一憂し、帰りは濡れタオルを持って夜道を運転。ととのいの前後に、これだけの手間の壁があります。好きだから乗り越えられますが、疲れた平日の夜には、この壁が「今日はいいか」に化ける。サウナに行かない日の理由は、サウナが嫌いだからではなく、壁が高いからなのです。(帰り道の話は、こちら。)
徒歩0分は、意志を不要にする
自宅サウナは、この壁を全部撤去します。思い立ってから熱の中まで、着替え数十秒と廊下数歩。行き帰りの運転ゼロ、荷物ゼロ、閉店時間ゼロ。20秒ルールの視点で見れば、これは反則級の近さです。だから、家サウナの人は「意志が強いから毎日入れる」のではありません。意志が要らないから、毎日になるのです。健康習慣の最大の敵は、面倒くささ。それを設計であらかじめ消してしまうのが、自宅サウナという投資の、本当の中身です。(継続の効果は、100回の話。)
近いと、家族みんなの習慣になる
近さの効能は、自分だけのものではありません。壁がないサウナは、家族全員の習慣になります。仕事帰りに疲れた夫が、湯上がりの妻が、部活帰りの子が、思い立った順に入る。離れて暮らす親が遊びに来たとき、まず勧めたくなるのもサウナです。施設なら「わざわざ連れて行く」ことが、家なら「どうぞ入ってきて」で済む。健康にいい習慣が、一家の日常に溶ける。天気の悪い日も、遅い時間も、施設の営業時間を気にせず入れる。今日は軽く五分だけ、という日があってもいい。近いというだけで、こんなにも続きやすく、家族みんなに開かれていくのです。
習慣の設計、お手伝いします
岩手・盛岡のD'STYLEは、ハルビア岩手県正規代理店として、続く習慣ごとサウナをお手伝いしています。手間を消せば、健康はあとから勝手についてきます。あなたの家の20秒、一緒に縮めませんか。ご相談、いつでもどうぞ。
写真: Timo Noko from Helsinki, Finland (Wikimedia Commons, CC BY-SA 2.0)



