お風呂上がりに前屈すると、いつもより指が床に近い。あの経験、ありますよね。筋肉は、温まるとやわらかく伸びやすくなります。そして、体が一日でいちばん温まる場所といえば、サウナ室。今日は、サウナの時間を柔軟の時間に変える、静かなストレッチの話です。体の硬い方ほど、効きます。
なぜ、温めてから伸ばすのか
冷えて硬い筋肉を無理に伸ばすのは、冷えた輪ゴムを引っぱるようなもので、傷めるもとです。逆に、温まって血流の良くなった筋肉は、しなやかに伸びて、伸ばしたあとの戻りもいい。だからスポーツの世界でも、柔軟は体を温めてから、が常識です。サウナ室は、全身が深部から温まった、いわば柔軟のゴールデンタイム。ここで軽く伸ばす習慣をつけると、体の硬さが、少しずつほどけていきます。
ベンチでできる、静かな五種
サウナ室での鉄則は、静かに、小さく、汗を飛ばさず。この前提で、座ったままできる五種をどうぞ。一、首倒し。右手を頭に軽く添えて、右へゆっくり倒して十秒、左も。二、肩回し。両肩で大きな円を、前に五回、後ろに五回。三、背中ねじり。あぐらのまま上体を右へゆっくりねじって十秒、左も。四、前屈。あぐらで、息を吐きながら上体をゆっくり前へ。五、足首回し。片足ずつ、ゆっくり大きく。どれも「痛気持ちいい」の手前で止めるのが大人の作法です。反動をつけて伸ばすのは禁物。呼吸を止めず、吐く息に合わせて深めていきます。(呼吸の話は、こちら。)
やりすぎない、が極意
注意もいくつか。サウナ室での激しい運動は、心拍を上げすぎるので禁物です。ストレッチはあくまで静的に、ゆっくりと。立ち上がっての動作は、のぼせによる立ちくらみのもとなので、座ったままできる範囲で。混み合う施設では場所と汗への配慮を忘れずに。この点、自宅サウナは気兼ねなしの柔軟道場です。外気浴の前の軽い前屈、湯上がりの脱衣所での仕上げの一伸び、と場面を分けるのも良い流れです。(肩こりへの効かせ方はこちら、腰はこちら。)
柔らかさは、こつこつ貯まる
柔軟性は、一夜では変わりません。でも、週に数回のサウナのたびに三分だけ伸ばす習慣は、半年後の前屈を、確実に変えます。サウナで血を巡らせ、ついでに体もほぐれていく。一度で二度おいしい習慣として、今夜からベンチの上でどうぞ。
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