一生に一度は見たい景色に、オーロラを挙げる人は多いはずです。そして本場フィンランドでは、オーロラはサウナとセットで楽しむのが定番です。芯まで温まった体で、氷点下の夜空に緑のカーテンが揺れるのを待つ。今日は、ラップランドのオーロラとサウナの旅の話です。
オーロラは、条件がそろうと現れる
オーロラは、太陽から届いた電気を帯びた粒が、地球の大気とぶつかって光る現象です。北極や南極に近い、オーロラベルトと呼ばれる緯度でよく見られ、フィンランド北部のラップランドはその真下に入ります。見えるための条件は、だいたい三つ。暗いこと、空が晴れていること、そして太陽の活動が活発なこと。だから真冬の、月明かりの少ない、晴れた夜がねらい目です。街の灯りから離れるほど、光ははっきり見えます。ラップランドの冬は、この三条件がそろいやすい、世界でも指折りのオーロラ観測地です。
サウナで温まって、待つ
オーロラ観測のいちばんの敵は、寒さと、待ち時間の退屈です。ここでサウナが効きます。ロヴァニエミやサーリセルカ、イナリ湖(こちら)周辺のリゾートには、オーロラを待ちながら入れるサウナが数多くあります。天井や壁がガラスのサウナ、湖の上に浮かぶサウナ、屋根から夜空を見上げられる作り。熱で芯から温まった体なら、上がって外気に出ても、しばらくは寒さに強い。サウナと外気を行き来しながら、緑の光を待つ。運よくオーロラが現れたら、湯気の立つ体で見上げる夜空は、一生の記憶になります。ガラスイグルーに泊まって、ベッドから夜空を眺める過ごし方も人気です。
待つ時間こそ、ごちそう
正直に書くと、オーロラは自然現象なので、何日粘っても見られないこともあります。でも、見えない夜も無駄ではありません。満天の星、静まりかえった雪原、キンと澄んだ空気。サウナで温まり、白樺の薪の香りをかぎ、熱い飲み物を手に夜空を見上げる。その時間そのものが旅のごちそうです(静けさの話)。フィンランド人は、結果を急がず、待つ時間を楽しむのが上手です。オーロラ待ちは、その練習にもってこいです。
色は、空の高さで決まる
オーロラといえば緑ですが、赤や紫に見えることもあります。あの色は、光る大気の高さと種類で決まります。高いところの酸素は赤く、低いところの酸素は緑に、窒素は青や紫に光る。いちばんよく見えるのは、低い高度の酸素が出す緑です。カーテンのように揺れるのは、地球の磁力線に沿って粒が降り注ぐから。ただの光の帯ではなく、地球という巨大な磁石と、太陽の風がぶつかり合う証拠なのです。理屈を知って見上げると、夜空のショーはいっそう味わい深くなります。スマホでも、明るさを下げて三脚で固定すれば、緑の光は意外とよく写ります(炎の撮り方の応用)。とはいえ、レンズ越しに追いかけるより、肉眼で目に焼きつける時間も大切にしたいものです。
岩手の夜空も、負けていない
ラップランドまでは遠いという方に、耳寄りな話を。岩手の山あいの冬の夜空は、驚くほど星がよく見えます。オーロラは出ませんが、サウナで温まって、雪明かりの庭で満天の星を見上げる外気浴は、ラップランドの気分にぐっと近い。岩手・盛岡のD'STYLEは、ハルビアのサウナヒーターで、そんな星空の外気浴を楽しめる暮らしをご提案しています。夜空を見上げる冬の過ごし方、店で相談しませんか。



