お気に入りのサウナハット、育てているヴィヒタ、木の桶とひしゃく。サウナの道具たちは、どれも湿気と隣り合わせで働いています。つまり、手入れの主戦場は、カビと匂いとの戦い。カビや匂いのもとになる雑菌は、濡れたままの場所で元気に増えていきます。逆にいえば、しっかり乾かしさえすれば、たいていの困りごとは起きません。今日は、道具別のお手入れ帖です。難しいことはひとつもありません。合言葉は、「使ったら、乾かす」。これだけです。

サウナハットは、風通しの良い定位置を
ウールフェルトのハットは、毎回洗う必要はありません。羊毛には、湿気を吸っても匂いをためこみにくい性質があるので、使用後、風通しのいい場所に掛けてしっかり乾かすだけで、かなりさっぱりします。汗が気になってきたら、ぬるま湯で押し洗いして、形を整えて陰干しします。ごしごし揉むと縮むので、あくまでやさしく。タオル地やリネンのハットは、気軽に洗濯機へ。大事なのは、濡れたままバッグや脱衣所に置き忘れないことです。ハット専用のフックを、サウナの脱衣スペースに一つ。定位置のある道具は、長生きします。(ハットの選び方は、こちら。)
ヴィヒタは、吊るして二度楽しむ
使い終えたヴィヒタは、すぐ捨てなくて大丈夫。よく水気を切って、サウナ室か風通しの良い場所に吊るしておけば、ドライヴィヒタとして香りの飾りになります。乾いた葉は、ぽろぽろ落ちはじめたら引退の合図。次の初夏の、新しい一束までの楽しみです。乾燥保存したヴィヒタは、使う前にぬるま湯で戻せば、香りがふんわり蘇ります。(ヴィヒタの話は、こちら。)
木の桶とひしゃくは、伏せて乾かす
ロウリュ用の桶とひしゃく。木の道具の敵は、残り水です。使用後は水を捨てて、さっとすすぎ、桶は伏せて、ひしゃくは掛けて乾かす。水を張ったまま何日も置くのが、黒ずみとカビのいちばんの原因です。時々、日陰でしっかり乾燥させる休日をあげてください。木が乾きすぎてタガがゆるんだら、水を含ませれば締まります。木の道具は、乾と湿のリズムで生きています。ステンレスや樹脂の道具は気楽ですが、木の手ざわりと音は、手入れの手間に値します。
リネンとタオルは、洗いざらしが勲章
敷きタオルやリネンは、使うたび洗濯へ。柔軟剤は吸水性を落とすので、サウナの布には控えめが正解です。日に干した洗いざらしの、少しごわっとした手ざわりと匂いは、サウナ道具の勲章のようなもの。畳んで籠に重ねておけば、次のサウナの支度が、もう半分できています。(布の話は、こちら。)
石も、ときどき積み替える
忘れられがちですが、サウナストーンも、りっぱな道具のひとつです。石はロウリュのたびに、急な熱と冷たい水を交互に浴びるので、長く使ううちに、少しずつ割れたり、細かく砕けたりしていきます。砕けた石が詰まると、熱風の通り道がふさがれて、ロウリュのキレが鈍る。半年から一年に一度を目安に、いちど石を取り出して、割れたものは新しい石と入れ替え、大きめの石を下に、小さめの石を上にと、風の通るように積み直してあげてください。ついでに下に落ちた欠片を掃除すれば、ヒーターも喜びます。石を積み替えた日のロウリュは、驚くほど気持ちよく立ちます。(石の話は、こちら。)
手入れの時間も、サウナのうち
道具を乾かし、吊るし、畳む。この数分の後片付けは、ととのいの余韻の中でやる、静かないい時間です。道具を大切にする人のサウナは、トントゥも機嫌よく守ってくれるはずです。(妖精の話は、こちら。)岩手・盛岡のD'STYLEは、ハルビア岩手県正規代理店として、道具選びから手入れの相談まで、サウナの暮らしをまるごとお手伝いしています。いつでもどうぞ。
写真: Weldon Kennedy from London, UK (Wikimedia Commons, CC BY 2.0)



