一年でいちばん、家がその力を発揮する数日間があります。年末年始です。帰省した家族が揃い、外は雪、予定は特になし。この数日を、どんな家で過ごすか。薪ストーブとサウナのある家の年越しは、静かで、あたたかくて、少しだけ特別です。今日は、火のそばの年末年始の話をさせてください。
大掃除のあとの、特等席
年の瀬の大掃除。冷えきった家の中を動き回って、窓を拭いて、床を磨いて。その締めくくりに、薪ストーブの前の特等席で飲む一杯の熱いお茶は、一年分の働きへのごほうびのような味がします。掃除で出た古新聞は、焚き付けの下ごしらえに。障子の張り替えで出た古い障子紙も、よく燃えます。すす払いはもともと、正月に年神様を迎えるための神事でした。家を清めて火を整える年末の家仕事と薪ストーブは、妙に相性がいいのです。煤で汚れた家を清め、火を新しく迎える。その節目に薪ストーブがあると、年の変わり目が、ぐっと手ざわりのあるものになります。
除夜は、炎の前で
大晦日の夜。テレビをつけるのもいいけれど、一年の最後の夜こそ、炎の前をおすすめします。今年あったことをぼんやり思い返しながら、薪を一本ずつ足していく。除夜の鐘が撞く百八の音は、人の煩悩の数だと言われます。その一つひとつを、薪のはぜる音と一緒に、静かに手放していく。家族それぞれが火のまわりで、本を読んだり、うたた寝をしたり、みかんを剥いたり。一年の終わりに、これ以上似合う時間を知りません。(夜の火と読書の話は、こちら。)
年越しそばに、天板の力
年越しそばには、細く長く達者に暮らせるようにという願いが込められています。金銀細工師が散った金粉をそば粉の団子で集めたことから、金運を呼ぶ縁起物になったとも言われる、江戸から続く習わしです。この一杯を、薪ストーブの天板で仕上げると、また格別。天板でことこと温めた鍋つゆに、茹でたそばを泳がせて、火のそばですする。台所を離れても、家族と同じ部屋で、湯気の立つ鍋を囲んでいられる。薪ストーブは、大晦日の夜を一つの部屋にまとめてくれます。
年越しサウナと、初ロウリュ
サウナのある家なら、大晦日には「年越しサウナ」を。一年の疲れと汚れを最後の汗で流しきって、さっぱりした体で新年を迎える。フィンランドの聖夜のサウナと、日本の年の湯が合わさった、最高の締めくくりです。そして元日の朝は、その年最初のロウリュ、「初ロウリュ」を。静かな元日の空気の中、石の上で弾ける最初のひと杓は、初詣の鈴の音にも似た清々しさがあります。初日の出を、サウナ上がりの外気浴で拝む。一年の運を先取りしたような贅沢です。(聖夜のサウナの話は、こちら。)
集まった家族に、火の間を
お正月は、家に人がいちばん集まる季節。帰省した子や孫、年始の挨拶のお客様。火のある居間は、その全員の居場所になります。おせちに飽きたら、炉で焼く餅。黒豆はまめに働けるように、数の子は子孫繁栄、田作りは豊作を願う。おせちの一品ずつに込められた願いを、火のそばで語り合うのも、いい正月です。子どもたちは火の番を取り合い、大人はサウナで新年の抱負を語り合う。「正月は実家に集まりたくなる」。そう言われる家の真ん中には、たいてい、火があります。(人の集まる家の話は、こちら。)
来年の年越しは、火のそばで
岩手・盛岡のD'STYLEは、ハースストーン、バーモントキャスティングス、ハルビアの正規代理店として、年末年始が楽しみになる家づくりをお手伝いしています。設置のご相談から工事まで、季節の工事枠には限りがありますので、「次の冬までに」とお考えの方は、お早めに。来年の除夜は、炎の前で。おすすめの一台と一緒に、お待ちしています。
写真: そらみみ (Wikimedia Commons, CC BY-SA 4.0)



