薪ストーブとコーヒーの相性は以前書きましたが、沼の奥には、もう一つ遊びがあります。自家焙煎です。生豆(なままめ)を手網に入れて、火の熱で煎る。うまく焼けるかは腕次第、でも楽しさは初回から満点。今日は、天板の焙煎所ごっこの話です。
道具は、手網と生豆だけ
必要なものは、驚くほど少ない。焙煎用の手網(ごま煎り器でも代用可)と、コーヒーの生豆。生豆は通販や自家焙煎店で手に入り、焙煎済みの豆より安いのも嬉しいところです。薄緑色の硬い豆が、火を通すと、あの茶色い珈琲豆に変わっていく。この変身を自分の手でやるのが、焙煎遊びの醍醐味です。
一ハゼの音を、聞き逃すな
やり方の骨子はこうです。天板の上、よく熱の立つ場所で、手網を水平に、絶えず振り続ける。数分で豆が色づきはじめ、やがて、パチッ、パチパチッと豆の爆ぜる音がします。これが「一ハゼ」。豆の水分が弾ける音で、焙煎の進み具合を告げる合図です(薪のはぜる音と同じ理屈なのが、また良いのです。音の話)。浅煎り好きは一ハゼの終わりで、中深煎りなら二ハゼの入り口で網を上げる。あとは冷まして、薄皮を飛ばして、完成です。ムラ焼けも、焦げの一粒も、自家焙煎の愛嬌のうち。
現実的な注意を、三つ
正直な注意も。一、薄皮(チャフ)が舞い散ります。天板まわりに新聞紙を敷き、終わったら掃除を。気になる家は、屋外の焚き火や カセットコンロでの焙煎も手です。二、煙と匂いが出ます。深煎りほど煙るので、換気を忘れずに。三、火力の安定した熾火の時間帯にやること。炎が暴れているときは温度が読めません。ストーブの火加減を読む練習としても、焙煎はいい教材です。(火の読み方は、炎の色の話。)
煎りたての一杯は、物語つき
正直に言えば、味はプロの焙煎に敵わないことも多い。でも、雪の日に自分で煎った豆を、天板の湯で淹れて、火の前で飲む一杯には、物語がついてきます。サウナ上がりの外気浴のあと、この一杯で締める休日。豆を煎る係も、火の家の楽しい役職です。岩手・盛岡のD'STYLEは、こういう遊びのはかどる薪ストーブの設置をお手伝いしています。ご相談、いつでもどうぞ。



