岩手の冬は、肌にとって試練の季節です。外は氷点下の乾いた風、家の中は暖房でさらに乾く。かかとがひび割れ、すねが粉を吹く。この季節、サウナは肌の味方になります。ただし、入り方に少しだけコツがあります。今日は冬の乾燥肌とサウナの話です。

冬の肌が、これほど乾くわけ
まず、相手の正体から。空気は温度が低いほど抱えられる水分が少なく、冬の外気はもともと乾いています。そこへ暖房が加わると、室内の湿度はさらに下がる。肌の表面では、うるおいを守っている皮脂と汗の膜がやせ、角層の水分が逃げやすくなります。乾いた冷風が、その薄くなった膜をさらに削る。かかとやすねが粉を吹くのは、この重なりの結果です。相手が分かれば、対策は素直です。膜を守り、水分を補い、巡りを良くする。サウナは、その三つを一度に手伝ってくれます。
選ぶなら、蒸気のあるサウナ
肌にやさしいのは、ロウリュのできるフィンランド式サウナです。カラカラの高温だけの部屋は、肌の水分をさらに持っていきますが、石に水を打って湿度を上げた部屋の熱は、肌あたりがまるく、汗もすっと出ます(体感の話)。汗をかくこと自体、皮脂と汗が混ざった天然の保湿膜を作り直す、肌の大切な仕事です。冬こそロウリュを多めに、温度は無理をせず、心地よい範囲で。長時間の我慢比べは、肌にとっても損なだけです。
勝負は、上がってからの10分
いちばん大事な話をします。サウナ後の肌は、汗と一緒にうるおい成分も流れて、実は乾きやすい状態です。ここからの十分が勝負。体を拭いたら、しっとり感が残っているうちに、化粧水なりクリームなり、いつもの保湿を全身へ。温まった肌は受け入れ態勢が良く、ふだんの保湿がよく効きます。かかとやすねの手ごわい場所ほど、この時間に塗る。サウナの保湿については、はちみつの伝統も含めて別の回に書きました(こちら)。あわせてどうぞ。
温めて巡らせる、血行というごほうび
サウナのもう一つの贈り物は、血の巡りです。温まると全身の血管がひらき、指先や肌のすみずみまで、温かい血が届きます。肌は、この血流に運ばれる栄養と酸素を受け取って、日々新しく生まれ変わっています。冷えて巡りの滞りがちな冬こそ、体を芯から温める時間は、肌にとってのごちそうです。温めて、少し冷やして、また温める。この心地よい温冷のリズムが、肌の生まれ変わりを穏やかに後押しします。無理のない範囲で、気持ちいいと感じるところを守ることが、何よりの美容法です。肌の生まれ変わりには、じつは時間がかかります。一度のサウナで劇的に変わるものではなく、冬のあいだ、心地よい温まりを何度も重ねることが、めぐりめぐって春の肌を作ります。特別な何かをするより、気持ちいい習慣を続けること。乾いて縮こまりがちな冬の体を、こまめにほどいてやる。その積み重ねが、いちばん確かな冬の養生です。焦らず、機嫌よく。肌は、ていねいに過ごした冬の時間を、ちゃんと覚えています。
内側からの水も、忘れずに
肌のうるおいの大元は、体の中の水分です。サウナの前後にコップ一杯ずつ、ゆっくり飲む(水分の話)。冬は喉の渇きに気づきにくく、飲む量が自然と減る季節なので、意識して足します。外気浴も、冬は短めに切り上げて、冷たい乾いた風に肌を長くさらさない。温めて、潤して、守る。この順番が、冬のサウナ美肌の型です。
乾く季節の相棒に、自宅サウナを
暖房で乾く冬の家に、蒸気をたっぷり浴びる部屋が一つある。これは肌にとって、ちょっとしたオアシスです。岩手・盛岡のD'STYLEは、ロウリュの気持ちいいハルビアのサウナヒーターの設置をおすすめしています。冬の肌の相談ついでに、店へどうぞ。
写真: Ninara (Wikimedia Commons, CC BY 2.0)



